2014年03月23日
やっと天気が良くなったので、姫川下流で鉱物探索をしました。
この前まで天気が荒れていたので、川の形が随分と変わっていました。
主流さえも変えてしまうのですから、自然の力は半端じゃないですね…。
この日も風が強く冷たかったので、海風に背を向けて探してみました(笑)
まず見つけたのは苦土リーベック閃石。(だと思います)
青蛇紋(青石)とも言われていて、海岸ではネフライトに似ているので間違える事もあります。
魅力的な紋様と深い青色が特徴で、加工にも向いている良質の鉱物です。
石綿系は発ガン率が高くなるとかで敬遠されていて、この石は特に高いとされています。
ですがそれは「石綿として細かい粉末にして大量に吹き付ける」って状態に限っての確率なのだと思います。
何故ならば、この石は姫川で削られながら流れています。
その数は結構な量で、川で削られ乾いた粉末は川沿いや糸魚川市内にだって舞っている筈です。(風などで)
海岸にだって舞っているでしょう、でもガンの発症率が際立って高いという事実は糸魚川にはありません。
結局は「そう言われている」って事で、木屑でも吸い込み過ぎれば病気を発症するでしょう。
なので、ちょっとした加工では何の影響も無いかと思います。(加工時はマスクをすれば良いし)
更に言えば、身に付ける事でガンを発症するなんて事は有り得ないかと思います。
そんな誤解で、この鉱物が敬遠されるのは勿体ないと私は感じています。
二つ目は、ロディン岩とアルビタイトが混在している岩石かと思います。
あまり重くなく、堅牢でもなく、でも質感は良くて黄緑色が流れています。
表皮には蛇紋石がくっついていて、多分ロディン岩の方が多いのだと思います。(もうロディン岩と言っても良いのかも…)
ロディン岩と言ってもピン〜キリがあって、質が良く綺麗な黄緑色が入っているロディン岩は加工に向いています。
ただヒスイと良く似ていて、加工する事で見分けがつき難くなるので素人は騙される危険があります。(キノコでいえばモドキであり、毒キノコではないのですが原石での貨幣価値は全然違います…)
作り手や売り手のモラルが、一番顕著に表れる鉱物ではないだろうか…?
ちゃんと加工をし、ロディン岩と表記して販売すれば、それなりの値が付くと私は思います。
きっと「それなりの値」では、満足できない者が偽るのでしょうね…。
でも有名な作家となれば、ロディン岩であれ高額にできるんだろうな〜、と思っています(笑)
この鉱物が、日の目を見る時期も近いかもしれませんね。
三つ目は、ロディン岩と桃簾石が混在している岩石かと思います。
それなりに重く、ロディン岩らしい肌質と白色、そして部分的に淡い桃色の桃簾石が入っています。
もっと桃色が濃ければ嬉しかったのですが、淡い桃色も春先を想わせてくれるので魅力的ではあります。
桃簾石ではありますが「桜」を感じる事ができ、ロディン岩を雪と見れば「雪見桜」を表現できるかも…、とか色々と考えてしまいます(笑)
桃簾石は拾える確立が低く、あっても今回のようにロディン岩中に淡い桃色として発見するのが普通です。
濃い桃色の桃簾石は、くすんだ濃い緑(角閃石みたいな)の鉱物と混在している事が多いように思えます。(母石はロディン岩かと…)
って言うかロディン岩って何なのだろう?。
ロディン岩にマンガンが入り桃色に発色すれば桃簾石となるのだろうか?(ヒスイの発色の原理と同様なのかな?)
それとも全く関係ない別の鉱物同士が、混在しているってだけなのか…?
と、疑問を持ち調べたところロディン岩は変成岩の一種であり、桃簾石はロディン岩に近くマンガンで発色した鉱物を言うのだそうです。(正確には単斜灰簾石にマンガンが入って発色した鉱物なのだそうだ)
やっぱりヒスイと同じ様な原理だったんですね。
それに「岩」なんだから、ロディン岩は総称なんのでしょうね。
細かい事は鉱物学者さんに任せるとして、この魅力を見出さなくては!、と思います。
加工仲間にも提供しましたので、面白い品が仕上がるのではと期待しています。
最近では「磨斧に穴をあけて携帯できるようにしては?」と提案したところ、加工仲間が形にしたようです。(岩笛と同じ赤碧玉での磨斧の首飾りも、早速納品されたようです)
これが糸魚川発での「大珠の原形」だったように思えたので、私は提案しました。(あくまでも私個人の考えです)
事実はどうあれ、これも一つのカタチなのだと思います。