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2015年05月17日
今回は、開花のストラップの紹介します。

非常に美しい紫ヒスイのカケラを加工して、ストラップを制作しました。
乳白色の地に、気品のある紫と淡翠が混ざり合う幻想的なヒスイです。
カケラのストラップとして、ゴロを加えて仕上げてあります。




これから見頃を向かえる、紫陽花のようなヒスイです。
染みわたるように入る模様は美しく、憂鬱な時期にも輝いてくれます。
これから咲き誇る蕾、そんな姿を映した作品となります。





透明度も高く、光を受けて幻想的に輝きます。
光を透す事で濃い紫が、とても明るい発色に変わります。
一生懸命に咲き誇る花々の姿が、宿っているかのようなヒスイです。



日が当たらない時でも輝けますように、そんな祈りを込めた作品となります。



知人から譲って頂いたヒスイで、とても貴重な紫ヒスイのカケラです。
恐らく今後、私が出会う事は無いのでしょうね…。

このレベルを、一度でも加工できた事を幸せに思うべきでしょう。
まぁ、もし私に天運が在るのなら、いずれ何処かで出会う事もあるでしょう(笑)

希望を持って活動して行こうと思います。
2015年05月12日
今回は、お客さんからのオーダーで制作した「石長姫と速津瀬神の珠玉」を紹介しま
す。
連休前に来られて、一緒に観光と鉱物拾いを楽しんだ女性からの依頼です。

住んでいる地域の川で出会ったという、桃色の大理石を加工します。
桃色の地に白い脈が見られる大理石で、表面はゴツゴツとしています。
どこまで滑らかに出来るのか、少し心配ではありました。




その心配とは裏腹に、研磨していくと美しく輝きました!
硬度は思ったより高く、切断時はボロボロと砕けた石質でしたが削ると滑らかになり
ます。
お客さんが小説にした「石長姫と速津瀬神の物語」を、自分なりに表現できたかと思
います。(流木を使って川の流れも表現してみました(笑))




大きな原石の方で、大珠を作りました。
片面には不純物による黄色い雲模様や、黒く輝く金属の星々が入っています。
モワモワと結晶が折り重なる景色も見られ、鉱物の中に花々を宿しているようです。
白く流れる脈も美しく、澄んだ緩やかな川の流れを想わせます。





小さい原石の方で、勾玉を作りました。
こちらも白と桃色の模様が美しく、その身に猛々しい奔流を映しています。
川の流れにより磨かれて美しく輝く、そのコンセプトの「動」を担った勾玉です。
こちらも艶やかに仕上げる事ができました!





実物はもっと赤みを帯びた濃い桃色をしているのですが、光源も影響したか画像では
上手く出ませんでした…。(まぁ、画像だし実物は問題無いのだから良いけどね(笑)


石と川を原点とした二柱の物語、とても面白かったです。
ゴツゴツした岩も、川に砕かれ磨かれて美しい姿になって海へ出ます。
その自然現象をロマンチックに描き、上手に物語にしていると感じました。

妹のサクヤヒメに劣等感を感じている様子も、女性らしさを引き立てています。
でも流石は姉、儚さのない鉱物で花と同様の華やかさを宿しています。
それは磨き出す事により一層際立ち、より魅力を増して永劫に輝きます。
鉱物を加工する者も「そういう存在を扱っている自覚」が、必用だと改めて思いまし
た。

物語に語られる存在を具現化する、それは私の芸術の原点でもあります。
物語とは真実が元になって作られた存在であり、その原点を感じとるセンスも必用で
しょう。
自然(神)を宿しながら人が作り上げる品、そんな作品を残して行けたら幸せです。

今回は、とても良い経験をしました。
いつの日か、私の想い描く石長姫と速津瀬神を、神玉で誕生させたいと思います。
(その前に、やる事が沢山あるのですけどね(笑))

とにかく、いろいろと頑張ろうと思います。
2015年05月07日
連休の少し前に、お客さんが遊びに来てくれました。

神玉の三貴子を揃えた方で、鉱物も大好きな女性です。
東北新幹線は大変な事になっていましたが、北陸新幹線は何のトラブルもなかったよ
うです。(何事もなく安心しました)
4月の中旬は天気が荒れて心配でしたが、後半からは良くなり(良くなり過ぎ?)絶
好の観光日和となりました。

糸魚川へは、今回で二度目なのだそうです。
前回は殆ど石拾いに時間を費やしたようで、観光スポットへ行くのは初めてのようで
す。
ならば私のお気に入りのスポット(約束の地)で、糸魚川を大いに楽しんで頂きましょ
う!

ご本人の希望により、まずは天津神社へ向かいます。
糸魚川へ到着したのが13時頃だったので、初日は天津神社と石拾いを楽しもうと思い
ます。
非常に天気が良く、夏のような日差しでした。(暑かった〜)
天津神社で糸魚川へ訪れた事の報告をして、奴奈川神社本殿と天津神社本殿にも挨拶
をしました。






ご挨拶を終えたので、姫川へ向かいます。
川幅が広く下りやすい、石の公園がある河口へ行きました。
本流は濁流になっていますが、川自体は氾濫していないので安全に探せます。
前回は海岸だけを探したとの事だったので、今回は河川をメインに探してみます。
流石にヒスイには簡単に出会えませんが、綺麗な玉髄・キツネ石・軟玉と出会えまし
た!
石好きならば、魅力的な石と出会えれば満足で、探す過程も楽しめます。






宿泊は親不知との事だったので、夕食に遅れないように親不知海岸へ移動しました。
連休前だったので人もそれほど多くはなく、ゆっくりと探す事ができました。
ここでは小さな白ヒスイと出会う事が出来て、糸魚川からの祝福を受けたようです。
ちなみに二人とも長靴に履き替えなかった事もあり、波をくらって「別の意味での祝
福」も受けました(笑)



初日はこれで終えて、次の日の遊びに備えます。



二日目は、私の大好きなヒスイ峡と不動滝へ向かいます。
まだまだ雪が残っていますが、気温は暖かく清々しい日でした。
いつ見ても美しい所で、魂が洗われるようです。






厳しい冬を乗り越えて、浪太郎も嬉しそうです。
きっと池の中にいる(かもしれない)、浪太郎や翠も喜んでいる事でしょう。
口に挟まっているヒスイをお客さんに紹介て、口の中を覗き込むように見ました(笑)




普段よりも水が多くなっていて、より神秘的な池となっていました。
残雪のため、周りを歩く事ができませんでしたが、幻想的な景色は十分に楽しめたか
と思います。





舞い散る桜と雪とのコラボが美しく、この時期でしか見られない景色をお客さんと堪
能しました。
何人か写真を撮りに訪れていて、神秘的な高浪の池を楽しんでいたようです。




次は下ってヒスイ峡へ向かいます。
今年も無事に来る事ができました!、芽吹き始めた植物が、萌葱色に輝いています。






湧き水も勢いがすごく、湧くというよりは噴いている感じです。
とても冷たく澄んでいて、真夏だったら飛び込みたいくらいです(笑)




小滝川は濁っていて、雪解けの始まりを伝えています。
これからが本番で、梅雨が終わる頃には少しずつ、いつもの清流に戻っていきます。
お客さんは、この母なる川でヒスイの品々を清めていました。



雪解けのヒスイ峡を楽しんだので、次は不動滝へ向かいます。


小滝からは通行止めで行けなかったので、今井地区から行きました。
相変わらずの素晴らしさ、本気で住みたくなります(笑)
雪解け水で濁った池も魅力的、何かの存在を感じさせてくれます。





色の違う桜がそれぞれに咲いていて、そのコントラストに魅了されました。
仙人がいてもおかしくないなぁ〜、と言いながら奥に進みます。




雪解け水により糸滝も立派で、桜のピンク色と桂の新緑に挟まれて美しく流れていま
す。
そして鳥居から見られる不動滝の水量はもの凄く、辺りを霧で包み込んでいます。





鳥居をくぐって小人化し、不動滝へ向かいます(笑)
水神様の祠にご挨拶をして、近くから不動滝を楽しみます。
風が吹くと、大量のしぶきが舞い上がりマイナスイオンに包まれます。
しかし、あまりに多くのしぶきが舞い上がったので、二人とも水滴だらけになりまし
た(笑)
ちょっとしたミストャワーを浴びた感じで、滝の近くは気温が一気に下がります。
きっと今の水量で滝行をしたら「首が折れるよね」、と話しながら見ていました(笑)




まだ管理棟には管理のおじさんがいませんでしたが、カメムシは大量に発生していま
した(笑)
これからウルルとの闘いもあるので、頑張って頂きたいです。



最終日はフォッサマグナミュージアムへ行きました。
リニューアルされてからは、一度も行っていないので確認を兼ねて見てきました。
相変わらず「カオナシもどき」が、出迎えてくれます(笑)



中の撮影は流石にできませんが、それなりにヒスイが多くなっていて楽しめました。
海岸での転石はともかく、丁度良いサイズの原石を見ると加工したくなるのは職業病
ですね…。
この原石なら「こう切断して、こう研磨する」、そんな事を脳内でイメージして楽し
みました(笑)


その後、疲れを癒す事も兼ねて、大網へ向かいました。
ここは長野県の小谷村になるのですが、糸魚川から近く新潟県のような錯覚を受けま
す。
上に向かうと集落があり、お年寄りが昔ながらの暮らしを守っています。
古民家が多く残っていて、立派な作りの家が歴史を感じさせます。




さっそく、無料の足湯で疲れを癒してもらいます。
肌がスベスベになる温泉で、硫黄の臭いも殆どしません。
場所により深さが違うので半身浴もできそうですが、流石にそこまではできませんね
(笑)




近くには、お堂?があり、その下には温泉が大量に流れています。
源泉から流れ出る温泉は熱く、豊富な湯量を感じる事ができます。






大糸線も大網を通っています。
駅名は平岩で、ほのぼのとした景色が懐かしく、忘れかけている事を想い出させるよ
うです。
かつて大網には叔母が住んでいて、幼い頃に遊びに来た思い出が残っています。
叔母の家は現在、移り住んでくれた若者により守られています。(この話は別の機会
に詳しく書こうと思います)




疲れも癒えたところで、最後の鉱物探索に出ます。
場所は根知付近の、私がモニターをしていて偶然ヒスイと出会った場所です。
探しやすい場所なので、色々な鉱物も楽しめます。

ここでもヒスイとは出会えませんでしたが、石英系や蛇紋系の綺麗な鉱物がありまし
た。
本当に鉱物が好きのようで、2時間近く楽しんでいました。
その後、一緒に夕食をとりながら色々な事を話して、夜の新幹線で糸魚川を後にしま
した。

とても楽しい3日間でした!
これが「自分で作って自分で売る事」を、基本としている醍醐味だと思います。
この事により、作品だけではない領域も共有できるのだと思います。

また会える日を楽しみにしています!



ちなみに、大勢で来られても対応できないので、ご了承下さい。(私が対応できる人
数は1〜2人です)
車が小さいので馬力がなく山道を上がって行くのには限界があるし、何よりも短い期
間で共有し合うのならば少数でなければ不可能です。
私は聖徳太子ではないので、10人の声を同時に聞く事はできませんから…。(半分
の5人でも無理(笑))

まぁ、大勢で来たお客さんなんて、今までにいませんけどね(笑)
2015年05月03日
今回は、万葉の垂飾と叢雲の垂飾の紹介します。

まずは、万葉の垂飾の紹介です。
緑と翠が入り交じるヒスイで、垂飾を制作しました。
私が万葉と呼んでいるタイプのヒスイで、アイヌ語で森を意味する「ニタイ」を名前
に加えました。



新緑から深緑へと変わりゆく景色を映す、そんな生命の躍動を感じさせる作品です。
裏側には雪から大地が現れたような景色があり、それを自身の側にする事で、己の魂
の躍動を表側に伝えます。(大地の栄養を得て育つ樹を、イメージしてみました)
基本的に従来の万葉の垂飾と同じコンセプトで、よりそれらを強く表現したいと思い
名付けました。





透明度も高く、光を受けて美しく輝きます。
これから訪れる、祝福された夏の景色を楽しめます。




次は、叢雲の垂飾の紹介です。
黒地に稲妻のように白が流れるヒスイで、垂飾を制作しました。
私が叢雲と呼んでいるタイプのヒスイで、アイヌ語で雷を意味する「カンナ」を名前
に加えました。




梅雨の雨雲を想わせる景色を映し、暗雲を切り裂く稲光を感じさせる作品です。
武の象徴色である黒に白の雷の模様、自然が創る完璧なバランスだと感じます。
先端を鋭利にする事で、より雷のイメージを強く感じられるように加工しています。





透明度は低いですが、強い光源だと白の部分が少し透けます。
強く在ろうと願う者の胸に、飾られる事を祈ります。





まだまだアイヌをテーマにする垂飾を作って行きます。
このタイプの垂飾は、大珠(イザナミ)の系譜として制作しているので、自然の景色
と同時に、女性の強さや優しさも込めたいと思っています。
当然ながら私は男なので、表現できても強さの領域だけでしょう。
よって、コラボでは女性の優しさを表現する作品となればと思ってます。

ちなみに男が身に付けても大丈夫です。
むしろその方が戒めとなり、無用な対立が無くなるかと思いますし(笑)


これがイザナミの八雷神だったら効果覿面かも、でもよっぽどの事がない限りは身に
付けられないでしょうね…。(そんな時代が来るのだろうか…)

まぁ、表現としての作品制作は、進めたいと思っていますけどね(笑)
2015年04月27日
今月も、姫川をモニターしてきました。
まだ4月ですが、初夏を感じさせる気温となり、雪解けも一気に進んでいるようです。
たまに吹き抜ける風は冷たいので、川遊びをする際は服装に気を付けて下さい。

今回は、根知周辺の報告です。
1月に見た景色は嘘のようで、すっかり春らしくなっています。
工事も終わったようで、整地された空間が広がっています。
雪は遠くの山々に見える程度で、本格的な芽吹きの季節を迎えています。





土手にはフキが群生していて、これから梅雨の時期までに大きく成長します。
これから山菜が美味しい季節なので、とても楽しみです!




川へ向かうと、削られたであろう崖がありました。
根ごと流された木々が散乱していて、流れの激しさを物語っています。
置かれたブロックには異常が無く、この場所までは水が来なかったように思えます。






本流へ向かうと、濁流が激しく流れていました。
あの澄んだ姫川とは思えない状態で、姫川の「動」の姿の一旦が見られます。
この状態の姫川は危険ですので、本流には近づかない方が無難です。





少し上流の、よく壊れる場所も見てきました。
ブロックが見えない程の凄い激流、これから雪解け水と梅雨の増水で被害が出るかも
しれません。





ちなみにモニター撮影をしていたら、ヒスイと出会いました!
ヒスイ輝石がキラキラと輝く、美しい白ヒスイです。
大雪渓を縮小したような姿で、裏側の角閃石も雲母のように輝きます。
ちょっとクリソタイルのような感じの、粗めの角閃石がヒスイに流れています。
姿も良いので、加工するよりも標本として所有したいと思います。




ヒスイと出会う時は、一生懸命に探している時よりも、何故か考え事をしている最中
が多いです。(不思議な事に)
過剰に意識していないので目に入った時の驚きは、より大きくなります。(ビクって
なります(笑))
ヒスイに「ちゃんと見ろ!」と言われているようで、その後は異常に目が覚めます
(笑)
誕生月に良い出会いが在って良かったです!


ついでに小滝へ山菜を買いに行ったので、入口付近も撮影しました。
小滝川は僅かに濁っている程度、主な濁流は姫川の本流からなのが解ります。


ちょうど朝にコゴミを採りに行ったとの事で、新鮮な山菜を入手しました!
もう少しで毎年楽しみにしている、ヒスイ峡や不動滝へも行けます。


5月の連休には多くのお客さんが糸魚川を訪れるかと思いますが、山や川で遊ぶ際は
油断は禁物です。
事故の無いように、糸魚川を楽しんで行って下さい。
2015年04月24日
今回は、友人とのコラボである緑ヒスイのペンダントを紹介します。

以前から少しずつ進めてきた、ibits仕様のSVペンダントです。
基本的なデザインは、円形を元にしたシンプルなデザインにしています。
ちょっと重厚感を出す為に側面に紋様を入れて、裏側にはibitsロゴや刻印も入れて
みました。(これで、より見栄えがするかと思います)
ルースに加工したヒスイには、青々とした山の上に朧月が浮かんでいるような景色が
見られます。






ルース次第では光を受けると、中窓にしたibitsロゴが浮き出ます。
しつこくない程度に、ロゴをアピール出来たかと思っています(笑)




側面に波紋と風紋を表現したデザインを入れて、ちょっと民族風な作品にしました。
(どことなく、縄文風にもなったかと思っています(笑))
完成品として実物を見るまでは心配でしたが、覆輪も綺麗に仕上がって満足な出来で
す。
今まで制作していたヒスイのペンダントを、より正確に仕上げ、よりデザイン性を高
めた作品であり、糸魚川ヒスイとシルバーアクセとのコラボの「一つのカタチ」になっ
たかと思っています。







私は宝飾とは若干違う表現で、糸魚川ヒスイを高める必用があると思っています。
ルースのグレードよりも、ヒスイに映る模様を活かして、絵画の額縁のように「その
ものを引き立てる」、そんな作品をシルバーアクセで表現してみたいです。
今後も、このスタイルのペンダントで、糸魚川ヒスイを活かしたいと思っています。


自営とは本来であれば、自身のみで作れた方が利益率が高くなります。
しかし、あまりにも全てを兼ね過ぎると「独立」や「自立」と言うよりは、ただの
「孤立」や」孤独」になりかねません。
過剰に群れる事を嫌う私ですが、流石に孤立や孤独はつまらない(笑)

人との繋がりで誕生する作品も大切で、それも独立や自立に必用な素養なのだと考え
ます。(要は規模の問題で、少数精鋭での活動が望ましいのだと思っています)

今回は、色々と対応してくれた友人に感謝です。
これからも、一緒に成長し合えるよう、お互いに頑張って活動しましょう!
2015年04月21日
今回は、素戔鳴「天上天下」の三作目を紹介します。

一見すると白一色に見えるヒスイですが、淡い翠が所々に広がっています。
石質の良いヒスイで、かなり昔に出たヒスイとの事でした。
天上天下シリーズ専用のヒスイなので、気を引き締めて大切に加工しています。




光源により、うっすらと全体を染める翠を見る事ができます。
非常に艶やかに仕上がり、発色は弱いですが内から気品を放っています。
姫川を想わせる爽やかな色合いは美しく、気性の激しい素戔鳴に優しさを宿していま
す。





透明度も抜群で、龍脈を感じさせる模様も見られます。
この模様を入れる事を目的に加工したので、思い通りに仕上がって良かったです!
少し細めな事もあり弱い光源でも透ける為、この景色を好きな時に楽しめます。





大サイズの場合はヒビ(秘めたる美)を活かして制作しますが、今回は小サイズのメ
リットを活かして、無傷な場所を選んで加工しました。
どうしても透明度が高い分、ヒビ(非なる美)が目立ちやすいので、可能な限りヒビ
を避ける必用があります。

ここまで艶やかで透明感のある肌になる事は、体験しないと解らないかと思います。
様々なヒスイを加工して、ある程度の特性を見分けられると完成後の姿も見えてきま
す。

特に糸魚川ヒスイの場合は、プレートの魅力的な部分を活かす範囲が限られています
ので、その部分と出会った瞬間は血湧き肉踊ります(笑)
なので、その景色を最大限に活かす事は、創作の醍醐味と言えるでしょう。

これから先、ヒスイに宿る「様々な模様」と出会えるのが楽しみです。
そして、それらを活かせるだけの感性を磨いて、創作活動を進めたいと思います。
2015年04月17日
久しぶりに晴れたので、開花する花々を撮影してきました。

まずは庭や近所に咲く花々です。






庭のジューンベリーは、これからが満開です。
夏になれば実を付けるので、ジャムにしたりシャーベットにしたりして、美味しく食
べられます。(自然の実りに感謝ですね!)

近くの空き地に咲くのは、イヌノフグリ・ムスカリ・タンポポです。(多分)
黄色の朝日に照らされて、美しく輝いていました。
クローバーは古墳のように円形に盛り上がり、どこか秘密基地みたいな感じです。
夏には、きっと昆虫たちの隠れ家になるのでしょう(笑)


次は歩いて5〜6分の天津神社の桜です。




ギリギリ間に合ったようで、満開に近い状態で撮影できました。
この日は、天気は良かったのですが風が強く、すぐに散ってしまいそうでした。
寒暖の差が激しかったせいなのか、桜自体も大きく咲けないでいるように思えました。
天津神社には藤もあるので、これからはそれが楽しみです。


更にいつもモニターしている、姫川の河口〜大野へ向かい美山へ上がりました。




石の公園にある姫川桜づつみです。
こちらもギリギリセーフ、沢山の桜が咲きトンネルになっています。
ここは河口なので海風が強く、2日もしない内に散ってしまうかと思われます。
とりあえず桜のトンネルをくぐりまくって、桜まみれになりました。
なんか私にとって恒例の行事になっているような…、だとしたら今年も無事に終えま
したね(笑)


大野付近の翡翠橋の近くにある桜です。




リバーハウスなる建物があり、花見が出来るようになっているようです。
ここの桜は見事で、満開のタイミングで楽しめたようです。(それでも桜自体は、い
つもより小さめでした)
特に整備されている感じはしませんが、ほのぼのと花見を楽しむには最高の場所です。
翡翠拾いを楽しんでから、花見を楽しむ事もできるので、けっこう穴場かもしれませ
ん(笑)


美山の枝垂れ桜です。




霞がかった風景を見ながら、桜を楽しみます。
美山はソメイヨシノが殆ど散ってしまったようで、ポツポツと咲いているくらいでし
た。
どうも今年は桜自体の状態が良くなかったようで、満開時も寂しい感じだったと思い
ます。
今の見頃は枝垂れ桜で、ピンク色の桜が柳のように揺れています。
これはこれで綺麗、妖艶な感じがして魅力的です。

これからは別の種類の桜が咲き、更に梅雨には紫陽花が咲き乱れます。
再生の時期を向かえ、まだまだ楽しみは山積みです!



創作家は、一般の職人とは違い環境を変えて刺激を受けなくては、前に進んで行けま
せん。
日本には四季があるので、創作活動には最適の国だと言えるかと思います。
自分で環境を変えながらも、自然が変える景色を見る(魅る)、そこに創作の原点が
在るのでしょう。(日本に生まれて良かった!)
多くの人々が関わる時代の変遷、それらも全て創作の原動力になるわけです(笑)

時には不幸すらも血肉にする、何て貪欲な魂なのだろうか…。
でも、その逞しさが無ければ先には進めないのでしょう。
全てはバランスが重要であり、今後も魂を蝕まれないよう活動して生きたいと思いま
す。


ちなみに今月末で、また一つ年をとります…、ちゃんと成長できているのか不安では
ありますが、迷わず信じる道を進んで行くしかないですね(笑)
2015年04月12日
翡翠出展業者から物産センターに、正式な改善要請が提出されました。

内容は単純な事で、「照明の改善」と「ショーケースの統一」です。
ショーケースの統一には、陳列の統一化と、手数料・リース代の統一化が含まれてい
ます。

ここで私が思う事は、業者がそれぞれにリース用のショーケースを借りた方が良いか
と…。
共有用のケースで業者名を出さないのなら、リース用のケースで業者名を出せば統一
感も出るし信用も付くかと思います。
何よりも運営に困っている物産センターも、かなり助かるように思えます。(売れて
も売れなくても、リース代は入るのだから)

要請の効果があったようで、照明は更に改善されました。
共有ケースの一部は、ケース内にライトが付き見やすくなっています。
僻地の勾玉のケースにもライトが付き、少し特別感も出ています。
しかしこの特別感、他の共有ケースと中身があまり変わらないので効果は薄いかと思
います。
一つだけ共有ケースが離れている意味を表現しなくては、「余ったから、そこに置い
ただけ」って感じが否めません。
よって中の商品に、一定の特徴を持たせると良いかと思います。(今現在のスタイル
を活かして、各業者の勾玉のみを並べるとかでも良いかと)
後は壁に勾玉の説明パネルみたいな物があれば、尚良いかと思います。(それと後ろ
に回る入口には、扉を付ける必用があるかと思います)


次は「ショーケースの統一」ですね…。
あまりにも必死すぎる一部の業者…、残りの時間が少ないからなのか在庫処分に必死
です。

どこも運営は厳しいとは思いますが、それを感じさせない事が重要であり、今回のよ
うな一部の業者の「あからさまな行為」は恥でしかありません。
ポーカーのように、冷静に着実に運営する事をお勧めします。(この仕事は賭け事で
はありませんけどね…)

とにかく共有の場に入れ込んだ、リース用のケース二個の移動が無理なのなら、そこ
も共有スペースにするしかないでしょう。
売りやすいストラップ系を、それぞれの業者が並べれば良いかと思います。
これならケースの違いも気にならないし、公平に並べられるでしょう。(安価な商品
用のスペースとすれば、共に並ぶ共有ケースと差別化できると思います。)
手数料・リース代の統一化は、その業者が統一すれば良いだけなので簡単です(笑)


後の問題はリース用のショーケースの扱いですね…。
まず、ケースの裏側にお客さんが回れる状態を、何とかして頂きたい。
このリース用のショーケースも囲いを作って、店員が中央で対応できるようにすれば
良いのに…。
近くにある菓子(糸魚川のじゃない菓子)が邪魔で、通路が狭いし、裏から見られて
も意味が在りません。(値札も逆さまになるんだから(笑))

どうもこれを設計をした人は、スーパーマーケットの感覚で設計したように思えます。
装飾品などのお店を、今まで設計した事は無いのだろうか?

簡単な改善方は、二つに分かれているリース用のショーケースを二列に並べて(裏を
向き合わせて)、側面に出入りの扉を付ければ良いだけです。
お菓子は、ショーケースを移動して空いたスペースに並べれば問題ありません。

加工所の正面にあるショーケースに合わせて並べれば、大きな移動も必要なく問題が
改善します。
ただ、一つケースを増やすか、減らすかの対応が必用となるかとは思いますが…。

このリース用のショーケースは信用を得る為に、必ず加工所の正面にある必用があり
ます。(将来的にも絶対に必用となります)
これで業者が、一つずつショーケースを借りて名前を出せば完璧。
もし共有ケースで名前を出さないとしても商品に特徴があるので、大抵の商品はリー
ス用のショーケースを見れば業者が解ります。

まぁ、共有ケースで買うお客さんは、特に業者を選んでいないのだから「選びたいお
客さんに向けた見せ方が必用だ」って事ですね。
物体として「糸魚川の翡翠であれば良い」って人もいれば、そうではない人もいるの
で、選択できるようにした方が良いかと思います。(物産センターは、サービス業な
のだから)



何であれ少しですが先に進んだようなので、協力してくれた人に感謝したいと思いま
す。

きっと業者が「一丸となる」という事が可能なのも、この世代が最後になるでしょう。
後続を育てていないし、将来は糸魚川翡翠を扱う敷居が跳ね上がりますので、相応の
レベルの作り手しか仕事として扱えなくなるでしょう。

現在の販売スペースも小さくなり、そこが糸魚川翡翠を愛する者達のコミュニティー
の場と成るかもしれません。(それか地元じゃない菓子や乾物が増えるか…)

最終的には「仕入れて売る業者」と「作って売る業者」の争いになって行くのでしょ
うが、その「競い合うであろう場所」をより良くする事は、お互いのメリットになる
ので今は協力していくのが得策です。
動物である以上、縄張り争いからは逃れられないのですから…。(まぁ、お互いに礼
儀があれば、双方とも協力しあえる仲間になれるんですけどね(笑))

現実の領域では仕方ありませんが、幻想の領域では仲間と協力して行けると思います。
王道での作品が順調ならば、コラボの領域も少しずつですが開拓して行けます。
逆に言うならば、王道で成り立たないのならば「その他の領域へ行っても成り立たな
い」って事です(笑)

それを忘れずに、原点からズレないよう心がけて活動して行きましょう。
2015年04月07日
提出した河川モニターの返答をもらいましたので、お知らせします。

加工付近の返答です。





「今年の春一番は吹いたでしょうか?暖かい日が多くなりました。ふきのとうもあち
こちで芽が出ています。しかし、姫川の水は、まだまだ冷たい様ですね。
 翡翠橋の付近の左岸側で施工していた、姫川維持修繕工事は、3月30日に完成検査
を行いました。堤防及び高水敷を守るための低水護岸の工事を行っていました。工事
に関連して周辺の雑木伐採も実施しました。この工事の施工範囲は、姫川の水がぶつ
かる場所を把握して決めています。工事区間の両端部は、当面水の当たらない所と考
えています。ただし、出水時を考慮して羽口部に蛇篭や袋詰め玉石及び端部の河床部
に大型ブロックを設置しました。堤防管理の上で安全性は、従前より向上しています。
 翡翠橋の付近はよくゴミの不法投棄が見られます。路上から捨てられているケース
が多いと思います。河川巡視時に発見したものは回収しています。3月の下旬に河川
敷内にある大型のビニール系管3〜5本を撤去しています。ゴミ処理問題は、発生源で
の処理が必用と考えています。今の現状は、いたちごっこの状態です。
 ひすいについて、根小屋地区で手のひらに乗る位の大きさのひすいを見つけた人が
いました。全体的に白く、部分的に緑色を含んでいました。初めて、見つけた現場を
目撃しました。小史も何時の日かひすいを探し求めたいと思っています。」


との事でした。

糸魚川は風の強い日が多いので判断は難しいのですが、3月の中頃に荒れた日があっ
たので春一番が吹いたのだと思います。(どの風が春一番なのか区別できない程、強
い風が多いです(笑))

あちこちでフキノトウが見られる中、小滝ではまだまだ春は遠いようです。
初夏でも残雪が見られる地域なので、閉ざされている期間が長い分、訪れた再生の季
節を大切に感じるかと思います。(早くあの景色と再会したいです)

翡翠橋付近の工事は完成したんですね。
主に水がぶつかる場所を、強化した事が良く解りました。
後は雪解け水と雨(梅雨)との激流で、崩れなければ当分は大丈夫だと思います。
間違いなく以前よりは安全性が増し、浸食の恐れも軽減したと思います。

あのゴミは上流からのゴミでは無かったのかな…。
わざわざあの場所に捨てる意味が解らない。
川原乞食でもいるのかな…、監視カメラでも付けて特定しても良いかと思いますね。
大型のビニール系の管なんて一般のゴミではないので、誰が放棄したか解りそうなも
のですが…。
この「いたちごっこ」が、終わる日が来る事を願います。

また一人、ヒスイの魅力に目覚めた人が増えました!
現実にヒスイと出会っている人はいて、その楽しみを理解できる人も存在しています。
縄文遺跡からも出土するのですから、人との関わりは悠久より続いているわけですね。

気を付けてほしい事は「良く似た鉱物が沢山ある」って事と、「ロマンを求めるので
あって利益を求めるのでは無い」って事です。
利益を求める生き方は、今現在やっている事なので定年を迎えたら、そこから開放さ
れて頂きたいです。
どうか「領域を変えて同じ事を繰り返す」、そんな下らない生き方は選択しないでほ
しいです。
長い間、労働してきたのに「何時までたっても開放されない」なんて拷問でしかあり
ません。

自らその牢獄に入る事なく、ヒスイや姫川に悠久の絆を感じてもらいたいと思ってい
ます。

人には「勤労の義務」が在りますが、それと同時に「教育の義務」も在ります。
後続を教育する事も含まれた義務だと考えていますので、頼れる人生の先輩となる事
を願います。

その時が来ましたら、一緒にヒスイ拾いを楽しみましょう!
2015年04月02日
今回は、素戔鳴「以心伝心」の四作目を紹介します。

知人から譲ってもらった良質の紫ヒスイ、SVペンダントのルースもこのカケラで制作
しました。
石質・発色・模様と、三拍子そろった珍しい紫ヒスイです。
チタン石もあまり見られず、紫と翠が混ざり合って非常に幻想的です。




大サイズを制作したかったのですがプレートの面積と厚さが足りず、中サイズの制作
になりました。
模様のまとまった部分を活かし、これからの季節を象徴する作品になるよう仕上げま
した。
磨きをかけた事で光の乱反射がなくなり、膨張するような輝きは見えづらくなりまし
たが、その代わりに紫と翠の模様がハッキリと見えるようになりました。


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翠にはチタン石も混ざっているのか、少しくすんだ部分もありますが、石質は均等で
艶やかに仕上がりました。
紫ヒスイは、加工してしまうと色が薄れてしまう事が多いのですが、今回は深い紫を
保ちつつ魅力的な模様を纏わせる事ができました!
このタイプも光源により、紫が濃く見えたり淡く見えたりしますが、これだけ全体を
紫が包んでいれば存在感があります。(濃くても、淡くても)

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白地は乳白色で美しく、透明度も高いタイプの紫ヒスイです。
何よりも致命的なヒビ(非なる美)が無く、最高クラスの紫ヒスイなのだと解ります。
海で出会えるタイプの紫ヒスイのようで、とてもキメが細かく堅牢です。
不純物が目立って見られないもの、素戔鳴により品格をもたらしているのだと感じま
す。(不純物を活かす作品もあるので、一概に不純物が邪魔と言うわけではない)

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この紫ヒスイで神玉を制作できるのは、これが最後になるかもしれません。
今回は運良く知人に譲ってもらいましたが、次があるのだろうか…。
叶う事ならば、次回は大サイズを制作できたらと思います。(可能性は低いですが)
奴奈川姫のデザインを具現化する際にも、この紫ヒスイを使えたら理想的です。(ま
だデザインが誕生していませんけどね(笑))

これだけ発色の良い紫ヒスイなので、より強く相手に想いを伝える作品に成ったかと
思います。
糸魚川の桜は、これからが本番なので、次第に満開となる北陸の桜のように、光を受
けてこれからの季節に輝いてもらいたいです。


ちなみに、これだけの作品なので私が持っていても良いな…、なんて事も考えてまう
自分がいます(笑)
手放したくない気持ちは仕方ありませんが、相応しい人が現れたのなら執着せずに
「その人のカケラ」と成るよう願って、立派に送り出せるよう成長したいと思います。
(自分が欲しい存在を作っているので、今更ながら仕方ありませんね…)


それぞれの誓いを身に付けて「私たち人間は神々(自然)と交歓する」、それが原点
なのだと考えています。
2015年03月31日
今月も、姫川をモニターしてきました。
やっと春の訪れを実感できる気温となり、曇りの多い日から晴れが多い日になってきています。(その分、花粉が大量に舞うので大変です(笑))

今回は、大野周辺の報告です。
この日は朝から曇っていましたが、この霞がかった景色は雪解けによる事が主な原因だと思います。
気温も高かったので、曇っていても気分は期待に満ちた春の日和となっていました。
ちなみに橋に固定してある石は、ヒスイと言うよりはロディン岩なので、壊して持って行っても意味ありませんよ(笑)




あれだけ積もっていた雪が溶け、更に整地された事によりスッキリとした環境になりました。
これから芽吹きを迎えますが、去年のような鬱蒼とした状態にはならないかと思います。





土手にはフキノトウがあって、確実に春が訪れている事を告げています。
数日前から急に暖かくなったので、成長も早いようです。




以前までの崩れそうな崖は無くなり、立派な堤防が出来ていました。
これでこの場所の危険は、かなり軽減したかと思います。
ちょっと気になった事は「両端が土を斜めに整えただけ」と、言う事です。
これからブロックを積むのでしょうか?、それともこのままなのかな?






ここも整える計画になっているのかな?
けっこう崩れたな…、と言う印象が以前よりあります。




よく見ると上流から流れてきたであろうゴミが、大量に散乱しています。
廃材のようなゴミもあり、これだけ多いと対応に困ります。
こういう場合はどうするのだろうか?





姫川の本流は水かさが増し、普段より濁った水が流れています。
雪解け水だと思われ、とても冷たく流れが急です。
これから更に激しくなるので、遊ぶ際は気を付けて下さい。





本流から分岐している流れは穏やかで、鉱物拾いを楽しむ人が一人いました。
これだけ川が変わっていれば、ヒスイと出会える可能性は高いかと思います。(後は天運次第かと)




最後に、モニターをしていたら晴れてきたので、その景色も載せます。
やっぱり晴れている方が気持ちが良い、晴れても霞がかっているのは、この季節ならではの風景でちょっと幻想的です。(この霞を食べたら、仙人になれるのかも(笑))







これから雪は無くなり、ヒスイ峡や不動滝へも行けるようになるので楽しみです。(五月にならないと除雪されませんが…)
山菜や山野草なども楽しめる季節になるので、いろんな楽しみがこの先に待っています。
この再生の季節を、思いっきり楽しもうと思います。(創作活動も)



全く関係ない話ですが、車のタイヤ交換をして筋肉痛になりました(笑)
2015年03月29日
これは、最近ご縁があったお客さんの質問に答える事で、再認識した事です。

ヒスイで制作した玉を連ねたブレスレットでの質問なのですが、「ヒスイ同士が擦れ合う事で音が鳴り、欠けたり傷が付いたりするのか?」と言う事でした。(実際はもっと丁寧な、お問い合わせでした(笑))

この質問に答えるには、玉一式が「何を兼ねているのか?」を知っている必用があります。
そしてヒスイが奏でる音が、どれだけ重要なのかを感じ取る必用もあります。

答えを言えば、あのタイプのブレスは数珠を兼ねたスタイルであり、音が鳴るよう少しゆるめに身に付ける方が良いのです。
普通の人では数珠が長すぎて邪魔なので、ファッションとして身に付けながらも加護を受ける、そんな目的があります。
なので二重に付けても良く、音が鳴る方が良いわけです。(ちなみに、返信する前にお客さんは気が付いたようです)
この時の玉と玉とが触れ合う音を、瓊音(ヌナト)と言うのだそうです。

では音の重要性についてなのですが、まず先に磨かれたヒスイ同士で擦れ合っても肉眼に見える程の傷は付きません。(砂場で派手に遊ばなければ(笑))
硬度的に勝る石英に強く押し当てながら研磨しない限りは、ほぼ無傷と言って良いかと思います。

そもそもに結晶体では無いので堅く、普段使いで欠ける事も砕ける事もありません。
風化にも酸化にも強く、人の一生では繋ぎ合わせているゴムが劣化するくらいです。
更に皮脂により摩擦が緩和されて、自然に磨いているような状態になります。


さて本題の音の重要性ですが、その音が「魔除けになると信じられている」って事にあります。(どんな音でも言いわけでは無い)
古来から音には、魔除けの力が宿ると言われています。
よって魂の依代とされるヒスイが奏でる音は、より大きな魔除けになるわけですね。

よく聞いてみると心地良い音色で、手触りも良いから癖になります(笑)
念仏を唱えなくても、心の浄化や安定をもたらしてくれるのだと感じます。

これが古代から繋がる音色である理由は、人とヒスイとの文化によるものでもありますが、原点は糸魚川の海にあります。
糸魚川では、海からもヒスイが上がります。
波打ち際へ行くと、波で擦れ合う石たちの音が聞こえてきます。
当然、その中にはヒスイも含まれていて、その音色で護られているまちなのだと感じます。(他の鉱物(瑪瑙など)もあるので、その効果は抜群かと思います)

この音色が精神を癒し、それを魂に伝え、肉体を活性化させる、そんな事が古代から繋がっているのだと思います。
しかし間違ってはいけないのは、魔除けではありますが「人の悪事から身を護る存在では無い」って事です。

その前段階の護りであり、そもそもにこの音色を聞いて生活しているのにもかかわらず「魂が腐っている者」は、この糸魚川にも多数います。
これは「精神から魂に音が届いていない」って事であり、その者達には当然宿るであろう基準が備わっていない事になります。
これでは抑止力には成りません…、魔は除けても悪からは守られない、それは忘れないで下さい。(悪事には、知恵と身体能力で対抗する以外にないかと…)


多くの人が糸魚川の海へヒスイ拾いに来るのは、「音色を求めての事」も含まれています。
本人は気が付いていないでしょうが、本能的に心の浄化や安定を求めています。
当然、ヒスイを拾いに来ているので目的は良質のヒスイですが、拾えなくても無駄ではないわけです(笑)
これを認識できないと、ヒスイへの執着が怨念へと変わり、狂ったように探し求めるようになります。(亡者のように徘徊し始める)

こうなると負の連鎖となっていきますので、天運を逃したり、腐れ縁になってしまいます。

逆に言えば、この行為で人の品格を判断できるわけです(笑)
良いヒスイを拾えてるとかの問題では無く、その者の行為、向き合い方、そういった事が明確に出るので、一つの判断材料になります。

そう言った事を自分の基準に蓄積し、信用への判断材料とすると良いでしょう。
面白い事に、信用できない人には良く似た特徴があるので、非常に解りやすいです(笑)


悠久の時より自然(神)が奏でる音色、それに人が適応して自然と共に生きられたのなら、古代人と同じ景色を共有できるかのもしれませんね。
2015年03月27日
この間、ヒスイ製品を扱う業者が集まってまとめた事を書きます。
全員は来ておらず、とりあえず現状の確認と報告内容を話し合いました。

まず、根本的に「ヒスイ製品全部の場所自体を移動するべき」との意見がでました。
今の状態は奥に押し込んでいる感があり、せっかく市が作ったヒスイの説明などのパネルと離れすぎているのは、どう考えても異常なのだそうです。(ちなみに市でヒスイ原石として展示してあるケースの中に、ヒスイではない石がが2〜3個あります(笑))

言われてみればそうですね…、ヒスイをメインとする市の意向とは全く逆の配置です。
この事に理由は在るのだろうか…?
もし在るとするならば、恐らくですが「今更ながら手を汚したくない」って事かと…。

要は「扱っているヒスイ製品の素性が分からない」って事で、売る事自体をリスクとして考えたのかもしれません。
他の理由は見当たらず、業者に一切の説明も無い、よってこれが理由かと私は思うのですが、ちゃんとした真意が知りたいですね…。(もっと単純で幼稚な理由かもしれないし)

宝飾ブースと天上の専用照明がズレている件は、私はド素人に金を渡して設計させたのだと思っていたのですが、実際は店長が癒着している業者のガラスケース2個を無理矢理そこにねじ込んだ事により、寸法がズレて当初の設計とは違うようになったのだそうです。

何とも救えない話だ…、しかも私が思う理由が真意だとしたら、全くの逆効果になっています。(わざわざその場所にねじ込んだのだから)
よって宝飾ブースの照明の件は、ねじ込んだガラスケース2個を出せば、設計通りに納まる事が解りました(笑)

何故、店長が「そんな事をしたのか?」ですが、前にも書きましたが以前に商品ケースの囲いから出された事への「仕返し」なのだと思います。(ある業者へ向けての)
もう子どもの喧嘩ですね(笑)、それに「その他大勢の業者が巻き込まれてる」っていう現状はどうなるのだろうか?(キックバック疑惑の件もどうなんだ?)
もし共有スペースに私の品が入っていたのなら、間違いなく営業妨害で訴えています。
デザイナー時代の弁護士もいますので、法廷に引っ張り出しますね(笑)
他の業者も、その気があるのなら可能かと思いますが…。

ちなみにヒスイ業者だけでなく、お菓子やお酒の業者からも苦情が出ているようです。
地元の業者を優先せずに、地元以外の業者を入れて場所の奪い合い(縄張り争い)が起きているようです。
それぞれに商品を大量に持ってくるので、ガチャガチャになっています。
こうやって地元の物が消えていくのか…、と思うと少し悲しくなりますね…。(糸魚川生まれではない私でも)

経営陣は、もう物産センター自体を辞めたいのだろうか?
ここを一つの単なる販売店として、別の運営をして行きたいって事なのかな…。
もしヒスイをメインとして行けない理由が業者に在るのなら、その事をちゃんと伝えて話し合うべきだと思うのですが…。
産地を表記して、業者も表記する、見た目で産地が分からないヒスイ製品は分析により処理の有無を確かめる、これで良いのでは無いだろうか?(宝飾系は、処理の有無とグレードが肝心なので)

どうもそれだけでは無い思惑が在る気がする、もの凄くセコイ小遣い稼ぎの思惑が…。

元々、ヒスイ王国館は新幹線の進路に入る予定だったので、取り壊す事前提で運営していたのだそうです。
その予定が狂ったので、経営陣も狂ってきたって事なのかな…。

新しく入ってきた菓子の業者も、コネで入ったのかも。
誰が誰を入れたのか、それをハッキリしてもらいたいなぁ…。(私が知っても意味無いですが(笑))
もしかしたら地元の業者全てで、抗議する事になるのかもしれません。

始まりからズレまくっているので、どこまでズレて行くのか訳が分からない(笑)

何であれ現状を良しとしていない業者とは、ちゃんと話し合う場を設けなくては「後進国まる出し」なので、恥ずかしいのではないでしょうか?

筋が通った理由であれば、誰も文句は言わないし、改善方法も見つかるかと思います。
2015年03月23日
今回は、月読命「月影」の二作目を紹介します。

一作目の中サイズを制作した月影と同じ黒ヒスイで、大サイズを制作しました。
素戔鳴の万武不倒とも同じ黒ヒスイなので、天照を作れば大サイズでの三貴子も揃います(笑)




漆黒を纏いながらも、純粋な白を本質とする月の姿が魅力的です。
目立ったヒビもなく、艶やかな仕上がりとなり「強さの中の優しさ」が表現できたかと思います。
石墨により黒を示しているので透明度は無いですが、所々に見える純粋な白は光を透して美しく輝きます。
白と黒、どちらを影としてみても面白く、その身に宿しているのが「善と悪」ではない事が解るかと思います。






曲線をとりながらもシャープな姿、それが私の理想なので特に気を付けて加工しています。
丸みを強めると、古代風になるのと同時に幼稚にも見えてしまう恐れがあります。
私としては「少し幼さを残す」位が丁度良く、既に宿っている糸魚川ヒスイの品格を保ちながら、作品を作りたいと考えています。
黒という品格を出しやすい色での制作なので、より気品が高まった作品となったかと思います。(自己満足ですね(笑))

このタイプの黒ヒスイは、海での転石としては少ないように思えます。(私の経験では)
あまり割れる事なく、川で磨かれているからだろうか…?
確かに石質はヒスイの中でも堅牢で、堅さと柔らかさを合わせ持っているように思えます。
加工していても滑らかで、良く練られている感覚が手に伝わります。

プレートにすると少し大きめの翡翠輝石がキラキラと輝いているので、粗いヒスイに見えるのですが加工すると違いが解ります。
もしかしたら「石墨が翡翠輝石の間を埋めているから」なのかもしれません。
でも黒ヒスイでは無く同じ感じのヒスイがもう一つあるので、石墨だけの理由ではないかと…。

何かが翡翠輝石の間を埋めている、これは確かであり、魂の器となる理由もそこに在るのかもしれません。





全く話は変わるのですが明日、物産センターにヒスイ製品を出している業者が集まって現状の改善点を話し合う事になりました。
前に書いた私が思う問題点を、他の業者も確認して店側に苦情を言ったようです。
しかし店側が対応しない事から、業者の総意として正式に申し出るようです。

苦情を言った甲斐があったのか、照明はそれなりに明るくなりまし。(まだ足りませんが)
いや当たり前か…、切れていた蛍光灯を入れただけだし(笑)
でも品の配置やケース代などの件は変わらず、何の対応もされていません。

勾玉類は照明が当たらず僻地のまま、放置されている感じですね…。
まぁ、私は共有スペースに品を入れていないので、特に被害は無いのですが。(私の作品は入れないって言われましたが、私としても現状では入れたくないです(笑))

そういう意味合いも在ったのだろうか…?

恐らく、店側にも業者に言いたい事はあるのだと思っています。(古巣ですので分かります)
一方的に責められる程、業者側の多くが真っ当に運営していないのだから…。
その事を業者側と話し合う事はしないのですよね…、どうにも救えない現状だ。

結局、私が成したいカタチは、まだまだ先になるのだと思います。
何故ならば「在庫処分に必死な爺さん」と「家族を養うのに必死な業者」との、単なる縄張り争いになっているからです。(巻き込まれたくないから傍観している業者もいますね(笑))
限りのあるスペースを「自分の扱う品だけで埋めたい」ってのがバレバレです。(専用スペースならケースを借りれば良いのに)

その者の立場で考えれば「ヒスイ製品を残すよりお金に代えたい」や「子どもを育てるのにキレイ事は言ってられない」というのも解らないではないです。

が…、そう成らないように生きるのが、糸魚川ヒスイを扱う者の条件でもあるのだと私は考えています。(最低限の条件かと)
私が当然と認識している基準を持ち合わせていない…、よって話が通じません。(私は外国人か(笑))

自分で作って自分で売る事を基本とし、扶養家族を持たず(親は別)、器用なだけの引きこもりでも無い、そういった者達の未来を求めているわけです。(私は)

今回の事で何が変わるのか分かりませんが、少しずつでも前に進んでもらいたいです。
2015年03月20日
私が物産センターの加工所にいた頃からのお客さんに、勾玉の制作を依頼されました。(久しぶりで懐かしかったのと同時に、憶えていてくれた事に嬉しさも感じました)

もう何十年も昔の、父親の代から家に在ったヒスイのカケラだそうです。




見た限り青海系のヒスイで、かなりのヒビがあります。
石質は良く、緑も少し暗いですが全体に濃く入ってます。
裏側は緑が薄いですが、その分、ヒビが全くありません。
以前に友人が出会ったヒスイと良く似ていて、良質なヒスイである事がわかります。(色的にも、加工的にも良質)


そんな思い出の詰まったヒスイで、奴奈川の勾玉を作りました。
一部にヒビが少ない部分があったので、そこから制作しています。
ヒビを避けながら色を残していく、なかなか難しいですが、やり甲斐もあります。




暗く見えていた緑でしたが、磨きをかけた事で光を透し明るく輝きました。
なるべくヒビを避けたので少しスレンダーになりましたが、身に付ける事を考えると、この位が丁度良かったりします。
所々に流れる緑が美しく、雲のような模様も全体に見られます。







光を受ける事で、更に輝きを増します。
両面で違った生命色を見る事ができ、季節に合わせて見方を変えると面白いでしょう。
この景色を見る度に癒される、古代の人も同じ感動を楽しんだのでしょうね。(身分の高い古代人だけでしょうけど(笑))





今では出会う事が困難なレベルのヒスイですが、昔はどうだったのだろうか…?、と疑問に思う事があります。
現在までの加工での経験で見ると、このレベルを持っている(加工に持ってくる)年輩者も少ないので、昔でもそれ程多くは無かったのだと思います。(私の経験則です)

もしかしたら原石で売り払ってしまい糸魚川に無いのかもしれませんが、そう多く出ていないのは間違いないでしょう。
そんな貴重なヒスイを、私が加工できて良かったです(笑)

その方の親父さんは原石を集めるのが好きだったようですが、このプレートのままでは勿体ないとの事で、形見のヒスイを勾玉を制作する事を決めたようです。
父の思い出を勾玉に宿して身に付ける事で、その方のお守りとなるのだと感じました。

良い勾玉に仕上がりましたので、一族の護りとして繋がっていく事を願っています。
2015年03月17日
建御名方のデザインを考えている際に、色々な事が見えてきました。
見えてきたといっても、私の個人的な考えなので完全に正しい訳ではありませんが、面白い一致が見られます。

それは建御名方と武御雷は、「牛若丸(源義経)と武蔵坊弁慶の物語のモデルであるかも」って事です。
ちなみに、武御雷は建御雷とされますが、武神なので「武(たけ)」を使っています。(私は)
特に建国している神でもないので、こっちの方が良いかと思っています。(建国に大きく貢献はしていますが)
フツヌシとも同一のようで、刀剣の神なのだそうです。(書いた者の都合で名が変わっているのだそうです…、人のやる事だから当然か(笑))

まずは神話での私的解釈は、この二人の勝負は三本勝負だったと思われます。
将としての戦、体術での闘い、剣術での闘い、この三つで勝負したのだと思います。
そして建御名方は、将としての戦が苦手であったので敗北し、体術では勝ち、剣術では僅かの剣技と製鉄の差(剣が折れた)で負けたのだと思います。(この二人の勝負は相撲の原点だとされていますが、どちらかと言えば実戦的(モンゴル相撲みたいに)で、現在の相撲(押し相撲)の原点は天手力男なのだと思います)

三本勝負の後に、その驚異的な拳力が恐れられ両腕を切断された、もしくは両腕の筋を切られたのだと思います。

だた、それをしたのは武御雷ではないと思います。
あれだけ優秀な戦士、立場が違えば良き戦友となったでしょう。
そんな戦士の腕を無力化したのは、源頼朝のような立場の存在だったと考えます。

しかし建御名方の底力は、その強靱な足腰にあり、腕を無力化したくらいでは足技や柔術を封じる事は出来なかったのでしょう。
その理想的な体幹は柱に例えられ、大黒とも同一視される大国主の血を濃く継いでいるのだと思います。(大黒柱の血筋を)
それに「諏訪に逃げて命乞いをした」なんて事もあり得ないかと…、何故ならば諏訪の諏訪大社や御柱祭を見れば一目瞭然です。(あんなに信仰されているのだから)
きっと「諏訪に留めた」と言うのが、可能性として高いでしょう。

ちょっと呂不にも似ている気が…、武将として関羽に劣りますし。
でも武芸では並ぶ者がいなかった呂不と比べると、建御名方の武力は圧倒的ではないですね…。(やはり牛若丸と武蔵坊弁慶だな)


ここから牛若丸(源義経)と武蔵坊弁慶の物語に戻りますが、まず武御雷(フツヌシ)は「剣の先端に座り驚かせた」とありますが、牛若丸も弁慶の振り下ろした長刀の上に立って驚かせています。(驚かせた相手は大国主ですが)
更に源義経は剣技に優れた武将として知られていますが、純粋な力だけ(素手)なら武蔵坊弁慶には敵いません。

また、武蔵坊弁慶の最後は仁王立ちです。
あれはまさに主君を守る為の「最後の柱(楯)」としての象徴にしか見えません。
あの物語は、武御雷と建御名方が「共に戦っていたら」と考えた者の物語なのかもしれませんね(笑)
それに実際に両者(武御雷と建御名方)の間に友情が芽生えたのかも?、お互いが認め合うだけの力を持っていたのだから、戦士として当然の感情だと思います。
建御名方を貶める話を書いたのは、当時の権力者の「都合だけ」だったと思います。

両者の特徴を見ても、片方が剣(切り開く)であり、片方が楯(支える)となっています。
武御雷は武神でありますが、それ以前に刀剣の神です。(特にフツヌシは)
そう考えると武士の証である「刀剣と甲冑」こそが、この二つの神を揃えた姿のように思えて仕方ありません。

この事により、神玉での建御名方のモチーフも決まってきます。(私の中での話)
武御雷は象徴としての剣をモデルにしていますが、建御名方は(って言うか国津神は)もっと具体的なモデルをカタチにしたいと思っています。

感の良い人なら、ここまでの話でモチーフが見えてくるのではないでしょうか?
まぁ、それが相応しいかは人それぞれですので、私なりのカタチを糸魚川ヒスイに宿したいと思っています。

全ては繋がっていて、全てが継がれていく、そんな本質が在る気がします。
2015年03月15日
再び友人から転石での加工を受けました。

以前に勾玉2個と、SVペンンダント2個を制作したヒスイのカケラを加工します。
この画像のカケラは、前回のSVペンンダント2個を作る前の姿です。
当然ながら今回は、これより小さくなっていて大きなルースを制作するのは最後となるでしょう。(今回のカケラを撮影し忘れてしまいました…、ごめんなさい)




このペンダントは、奥さんの母親(友人の義理の母)に送るのだそうです。
以前に制作した友人夫婦用のSVペンダントを見た奥さんの母親が、とても惹かれていた事から贈る事にしたそうです。
このレベルのヒスイは質が非常に良く、無駄なく加工が可能です。
発色も明るいので、これからの季節にピッタリだと思います。




透明度も非常に高く、全体的に翠に染まっています。
若干のヒビは見られますが、それも糸魚川ヒスイの証として見る事ができます。(友人が出会ったのだから、間違いないのですが(笑))
生命色に彩られた小さな世界、そんな景色がいっぱい詰まっているように思えます。




今回で明るい翠のカケラは殆ど無くなりましたが、もう一方の落ち着いた緑のカケラは残っています。
鮮やかさには欠けますが、奥深さや品格を持ったカケラなので加工しても良いペンダントになるかと思います。(まだまだ同じ母石で、制作できますよ!)

奥さんが糸魚川の生まれなので、当然ですが母親も糸魚川の人です(笑)
なので糸魚川の人が、このヒスイのペンダントを持ってくれるのを嬉しく思います。

故郷の誇り・作り手の誇り・出会った友人の誇り、それらが宿ったペンダントなので、大切に身に付けてくれる事を願います。



北陸新幹線が開業して、様々な人達が糸魚川を訪れる事でしょう。
そういった方々にも、こういった楽しみ方を知ってもらえると、より糸魚川が魅力的になるかと思います。(きっと、悠久のロマンを感じられる事でしょう!)
最初は拾って持ち帰るのだとしても、それを「身に付けてお守りとする事の大切さ」を伝えて、お互いに成長できたら幸せです。

そんな未来が訪れる事を期待して、創作活動を頑張りたいと思います。(例えその未来が来ないとしても、勝手に頑張るのですが(笑))

厳しい冬が過ぎ、暖かい季節がやってきます。
生命の目覚と共に、新しい出会い(天運)が在る事を期待します。
2015年03月13日
提出した河川モニターの返答を貰いましたので、お知らせします。

加工付近の返答です。





「姫川の雪は、大野地区を境に下流は雪が無くなり、上流は積雪が残り堤防の河川巡視にも安全を確認しながら徒歩により実施しています。
 河口周辺では春の訪れが間近に感じます。写真を見ても雪が全く無いのが解ります。
 春間近の姫川は、気温が上昇するごとに雪解けに伴って水量が増える季節になりました。ちなみに、平成26年4月から平成27年2月までの、山本水位観測所の水位(時間毎の水位)で10月7日の78cmが最高でした。日最低水位は、10月31日から11月2日の三日間同じ値で、-101cmが最低でした。なお、月別にみると日最高水位を平均した値が、5月が最も高くなり-12cm(日最高水位の月平均値)でした。(観測所の標高63.046mを基準水位の0cmとしています)
 寺島地区では、低水護岸の工事を行っています。工期が3月20日のため最後の追い込みで頑張っています。河道内では重機を使ってのブロックの運搬・据え付けや土砂の埋め戻し作業を行います。
 ご存じのとおり姫川は、日本有数の急流河川です。異常出水の時には、山腹の土砂が崩れ、大量の水と伴に大きな石が流され河床などに激突します。堤防などの水衝部付近では、河道洗掘が生じ堤防を川の中から破壊する恐れがあります。川の底を深く掘って河床にブロックを敷き、河床洗掘の防止をします。また、低水護岸を強化して浸食を防止します。洗掘・浸食の防止を目的に寺島低水工事を行っています。
 自然の力は、人間の想像以上に凄まじいものと思います。今行っている工事は、100年に一度の出水に負けないような構造として施工しています。近年の気象現象は、地球温暖化現象が影響しているのか?激しさを増している様に感じます。
 日々の管理の中で、災害を未然に防止するため、小さな変状も見逃さずに、前兆を察して、適切な対応を施す様に業務を進めて行きたいと思います。」


との事でした。

水位の管理は、かなり細かく数値化しているのが良く解りました。
私のような素人には、その表面しか解りませんが、何十年も続けてデータを出している事は解ります。
それに基づいての変化を見れば、相応の予測(覚悟)は出来るように思えます。

人間にできる事には限界がありますが、そうなる前の心の準備(慎重さ)を促す大切な行程だと思います。
転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなし、そういった事で人は自然と永く付き合ってきたのだと感じます。

なるほど、「100年に一度の出水に負けないような構造」を目的とした工事だったのか!
それでも毎年、少しずつメンテナンスしないと耐久性が落ちるように思えます。
それ程に姫川の下流は荒れます、凄まじく荒れるので「川の魚が全滅するのではないか?」って思う時もあります(笑)
魚は本能で生き残りますが、人は本能から距離をおく事で進化しているので、自然相手には地道な管理が必用となる事でしょう。

そういった事の大切さも、未来に繋げる必用があるのだと改めて感じました。
姫川と共に生きる姿を、後世にも残していって下さい。

これからは、少し春めいた姫川の様子を報告できるかと思います。
2015年03月10日
今回は、芽吹の垂飾と開花の垂飾の紹介をします。

まずは、芽吹の垂飾の紹介です。




雪解けの芽吹を想わす明るい翠が、とても魅力的なヒスイです。
小滝系のヒスイで、若干のヒビや石目がありますが、石質は良く艶やかに仕上がりました。
今回から、このタイプの垂飾を「芽吹の垂飾(キナ)」として行きます。
アイヌ語で「草」と言う意味があるらしく、草原のような清々しさも込めたいと思います。
雪が溶けて草が芽吹き、やがて草原となって数多の生命を育む、そんなコンセプトをカタチにしました。
基本的に従来の芽吹の垂飾と同じコンセプトで、よりそれらを強く表現したいと思い名付けました。



透明度も高いヒスイで、光を受けて翠が膨張して輝きます。
まさに再生の季節、待ちわびた春の訪れを感じさせてくれます。



次は、開花の垂飾の紹介です。




開花を想わせる紫が美しい、幻想的なヒスイです。
所々に入る緑が青葉を連想させ、その景色が花々の息づかいを感じさせてくれます。
チタン石による模様も面白く、春雪や残雪を想わせてくれます。
こちらも今回から、「開花の垂飾(ノンノ)」として制作しました。
アイヌ語で「花」と言う意味があるらしく、これから開花する花々の躍動も込めたいと思います。
厳しい冬を越して、今まさに咲き誇ろうとする命、そんなコンセプトをカタチにしました。



透明度は低いですが、その変わりに光源によって紫の濃淡が変わります。
奥から湧いてくるような紫は、まるで生きているかのようで、徐々に咲こうとする花を観賞しているような気分になれます。




異玉と生玉も首飾りにしてみました。
スエード紐にウッドビーズとメタルパーツを合わせています。
長さも調節できるので、自分に合うよう飾ってみて下さい。
糸魚川ヒスイの魅力と同時に、作者の誇りを身に付けていると感じてもらえると嬉しく思います。


編み込みシリーズの垂飾でも、コラボを進めています。
シルバーペンダントのコラボもそうですが、友人に無理を言って協力してもらっていますので、すぐにはカタチになりません。
その代わり納得のいく作品に仕上げられると思いますので、興味のある人は楽しみにしていて下さい。(人それぞれに好みがありますので、好みじゃ無くてもガッカリしないでね(笑))

今日は寒く雪もチラついていますが、確実に春に近づいているので、創作活動に力を入れて行きたいと思います。
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