2017年01月31日
つい先日に厳冬期の拾い納めをしたのですが、奇跡的に快晴となったので海へ行きました(笑)
まずは、拾い納めが出来なかった押上の海岸へ向かいました。
前日まで雪が降っていてからの晴天、目が覚めるような青は憂鬱な日々から開放してくれます。
晴天とは言え前日に降った雪が広がり、白に染まった浜辺は光を反射して普段より輝いていました。


波は強めでしたが、浜はなだらかで歩きやすかったです。
とても探しやすい環境だったので、良い出逢いを期待して歩きました。(あまりに天気が良すぎて、日光を受けて輝きまくる石たちで目が痛い(笑))

しかし探しやすさとは裏腹にヒスイの転石は見当たらず、ネフライトさえありませんでした。
諦めかけて来た道を戻っていると、僅かに光の膨張を感じました。
直視するとボーっと光る角張った石を発見、しかし波が間近に迫っていたので急いで手を伸ばしました。
泡だらけの波が浜を覆う前に手にした小石たちを確認すると、そこにヒスイの姿がありませんでした…。
確かに手に取った筈…、見間違えたのだろうか?、と波が引いた足下を見ると後方にそのヒスイ転石が上がっていました(笑)
多分、これは波で上がったのでは無く、手で引き寄せた際に手の中に入らず後方に飛んだのでしょう。(指先に当たって跳ねたのだと思われます)
なんであれ、ヒスイ転石を拾えて良かった(笑)、地は灰色ですが淡い緑も入っています。
自然研磨の度合いも良いので、サンプルとしては丁度良い転石です。


この後に右側へも行ったのですが、魅力的な出逢いはありませんでした。
数人が拾いに来ていましたが、やはり拾えなかったようです。
それでも4〜5時間ほど浜で粘れば環境が変わるので、午後には良い出逢いがあった人もいたかもしれません。(運(確率)なので、探す回数と時間と欲が肝心と言えますね(笑))


次は青海の海岸へ行きました。
ここは素材としてのヒスイ転石やロディン岩(鶯石)や玉髄と出会えます。


青海は押上より風が冷たく、波も強い状態でした。
釣りを楽しむ人の姿も見られ、それぞれがこの日和を楽しんでいました。
ちなみに空に浮かぶのはUFOでは無く、行方不明者を捜しているヘリコプターです。
釣り人や石探しの人の事故では無く、お年寄りが何処かに歩いて行ってしまったようです。

浜に近づいてすぐに、埋まっているロディン岩(鶯石)を発見。
一瞬、ヒスイかと思ったのですが、黄緑色が確認できたのでロディン岩(鶯石)だと解りました。
でも掘り出して見ると大きかった…、発色も良く姿も良い、まずは飾石で楽しみます。(大きいので加工の素材にも使えます)
ヒスイと間違える人がいますが、くれぐれもヒスイとして販売しないように気を付けて下さい。



少し歩くと見覚えのある姿が…、声をかけると以前に知り合った男性でした。
今日も遠方から訪れたようで、この日は朝から探しているのだそうです。
収穫を見せて貰うと、綺麗な翠が入ったヒスイを拾っていました!
良いヒスイだ、なかなか出会えるヒスイではありません。


良いヒスイを見せて貰ったので、期待を膨らませて姫川河口へ向かいました。
上がっている石たちを見ながら歩いて行くと、何も拾えないまま河口に到着(笑)


残念…、と思いながらも掘り返されている河口に気が付き後を振り返ると、2台の重機が川の整備をしていました。
しかし、それよりも晴天の山々が綺麗、と言う事で山並みも撮影してみました(笑)
山並みを見ていると故郷を思い出すなぁ…、また暖かくなったら遊びに行こうかな〜。


そんな事を考えながら来た道を戻ると、またもヒスイ転石を発見。
これは灰色に淡い翠が入ったタイプ、でも押上より大きく自然研磨が荒い…。
しかし加工するのにはヒビも石目も無いので優秀、よって異玉制作用にします。


ここでもロディン岩(鶯石)とヒスイ転石を拾えたので満足、お昼(12時頃)につれて風が強くなってきたので、この日の探索を終えます。
帰り際に再び知人と会ったので収穫を聞くと、今度は私が万葉と呼んでいるタイプのヒスイ転石と出逢っていました。
私と別れてすぐに見付けたのだそうです…、これも運だな…。(運も実力の内ですね)

最初に見せてもらった明るい翠が「芽吹」で、これが翠と緑が混ざり合う「万葉」、そして私が拾ったロディン岩が黄緑の「鶯」、この三つが解れば他鉱物と間違う事もないでしょう。(万葉ヒスイは硬度が少し低い(不純物の量よって)ので、あまり角張っていない事が多いですが、その分、発色が良いです)
なかなか面白かった、また天気が良くなったなら遊びに行きたいと思います。
と、ここで仕事の報告。
前回に垂飾(腰飾り)として作った品を更にアレンジしました。
「余計な金具を外しヒスイの玉を増やした」ってとこですが、なかなか良い感じに仕上がりました。
夏頃に物産センターに出そうかと思います。(自分で使うのも良いかとも思っています(笑))

紫ヒスイのペンダントも制作しました。
前回と同じくペンダントの金具はSV925で、チェーンはSVではありません。
きれいな紫ヒスイ(開花)を使っているので、春のアクセサリーとして楽しめるかと思います。

最後に異玉の制作過程です。
以前に拾ったヒスイ転石で、玉・異玉(千変の幼生)・ストラップ・さざれ石を作ります。
外側に僅かに緑が見られたので、きっと「中も少し発色している」と言う読みが当たりました。
どういう姿に成るのか、仕上がりが楽しみです。

糸魚川は例年より降雪が少なく非常に助かっていますが、その代わりに他の地域が苦労しているのでしょう。
苦労も低賃金労働もローテーションで担えたなら、少しは人間社会も平和になるような気がします。
それか完全に個々人が自給自足で生きられるほどに成れたなら劇的に環境は変わりますが、それは不可能な話ですね(笑)
それが出来ないから集まって村となり、町となり、県となり、国と成ったのだから…。
やはりローテーションだな…、いくら国を純血で満たしたとしても、その中で低賃金労働をローテーションしなければ集団として生きる事などは不可能です。
でも其処には向かっていない現実…、要は誰も「それ」を望んでいないって事なのでしょうね。
本当に人間とは「矛盾した生物なのだ」と思います。