作者の思考

ヒスイ日和(師走の弐)

2020年12月23日

今年も残り10日を切りました、なんともメリハリのない年だったように思えるなぁ…。
しかも、冬に入って早々2月のような気温にまで下がったのでウンザリ、雪も降り出したので大雪になる事を覚悟しましたが、その後は雨になり今は殆ど残っていません。(一安心です)
このまま年を越すのか…、それとも年末にドカ雪になるのか…、油断できない状況ですが新型コロナの驚異は低いのが幸いと言えます。(経済的な打撃は受けていますけど…)
忍耐の冬の到来、今まで以上に厳しい冬になるでしょうけど、耐え抜きたいと思います。

それでは12月最後の探石記録を書きます。

待ちに待った晴れの日の到来、やっと探石を楽しむ事ができました。(12/23)
早朝は暗い雲に覆われていてガッカリでしたが、午前10時頃から青空が見え始めました。
存分に探石を楽しむ為に仕事(加工)を早めに終わらせ、午前11時頃に海へ向かいました。

まずは久々の押上の海岸、晴れ渡った気持の良い空が向かえてくれました。
美しい空と海、散らばっている海洋ゴミが景観を損なっていましたが、きっと最後の晴れ日になるであろう「探し納めの日」に感謝しました。





浜は押し上がり引き締まった状態、風はなく気温も高め、波は強めでしたが短めで探しやすい環境でした。(海風がないのが一番嬉しかった)




久々の探石に胸を躍らせながら歩きました。
どの石もキラキラと輝いて見えて全く飽きない、初心に返ったような気がしました。
夢中に探し歩いているうちに折り返し地点に到着、ここまで来ると押し上がり方も激しくなります。(ちょっと歩きづらくなる(笑))




この時点で見付けたのは、ネフライト1個、オンファス輝石1個、バラ輝石岩1個、ヒスイ転石2個です。


ネフライトは色の薄いタイプ、やや硬度が低いように思えます。

オンファス輝石は滑らかな肌質、最近は小さな欠片も見付けられなくなりました…。

バラ輝石岩は色が濃いめ、段々と特徴が分かるようになったように思えます。

ヒスイ転石は小さいのが探し初めて数分で見付けました、この時点で探し納めとしては成功と言えました(笑)
白色がとても綺麗で、乾かしすと微細な翡翠輝石がビッシリ見えます。(濡れていると陶器に見えてしまうタイプです)
もう一つ(中央の)は、淡灰色で部分的に緑が入っているタイプ、押上にしては練度(自然研削)が乏しいですが、練磨(自然研磨)により乾くと光沢が見られます。(翡翠輝石もキラキラと輝きます)

まずまずの結果に満足しながらも、「目の覚めるヒスイ転石(ヒルコ神)との出逢いは来年に持ち越しかなぁ〜」と納得しつつ、「まだ時間があるから河口にも行こう、晴れる日は最後なのだから」と、もはや夢想状態で歩いていると「その時」は突然訪れました。

押し上がった小砂利しかない浜辺に、ポツンと佇む発光物が目に入りビクっとなりました(笑)



こんな事も在るのか?、と思えるような出逢い、これを数回経験しているから耐性はありますが、最初は「誰かが置いたのではないだろうか?」って疑ってしまったのは私だけではないでしょう。(同時に「ドッキリにかけたところで意味がない」って事に気が付きます(笑))

アルビタイト(曹長石)かとも疑ったのですが、手に取った瞬間の重みと質感でヒスイである事を確信しました、念のため乾かして確認すると翡翠輝石が見られ光沢もあり、疑いようのない姿となりました。
このタイプは色の入り方により「芽吹」「彩雲」「水雪」と呼んでいるヒスイで、霜降りのような模様からも「極上の脂身」に見えます(笑)
玉(ぎょく)で言う「羊脂玉」みたいな姿、白一色に見えますが極淡の翠が全体を染めています。(レア度は4.5で良いかと)

これで探し納めも最高潮、これ以上を求めると数十年に一度のレベルになるので贅沢は言えません。
素直にイザナミ(海)からの贈り物に感謝したいと思います。

ちなみに、合流した父は石英斑岩に黄鉄鉱が入った鉱物を見付けていました。
これはこれで美しい!、黄鉄鉱の量もサイズも姿形も良い、素晴らしい飾石に(鉱物サンプルにも)なるでしょう!



とても満足しましたが、ここで「まだ時間があるから河口にも行こう、晴れる日は最後なのだから」と言う事が再び頭を過ぎります。
風も吹き初めて気温が下がってきましたが、どうにも勿体ない日和、ここは心を決めて河口にも行く事にしました(笑)


と、言う事で午後1時頃の河口付近、恒例の撮影場所は逆光で眩しいです(笑)




こちらは砂が多く上がっていてる状態、これを見て「押上の海岸に行って良かった」と心底思いました…。




また長くなった先端を目指して歩き、再び逆光の風景を撮影、なかなか神秘的に写ったので良しとします(笑)




ここでもヒスイ転石を見付けました、見た瞬間はロディン岩?って思いましたが、吟味した結果はヒスイ転石で大丈夫でした。(一番ロディン岩と間違える「芽吹」タイプのヒスイ)





今日は山々が綺麗でした、故郷を思い出させる風景で懐かしい、でも寒さあっての雪化粧なので晴れた日にしか見たくないですね(笑)




最後は…、サイクロプス?、一つ目の鬼を発見、忌み嫌われる存在なのでしょうけど、天の邪鬼なので仲良くやれると思います(笑)




楽しかった〜、来年も楽しめると良いなぁ〜。
希望を胸に再生の季節を待とう、休息の季節でも少しずつ準備をして「約束された未来」に向けて力を溜めながら研鑽して行こうと思います。

「良いお年を」と言えるほど楽観できる状況でもないし、明けたとしても「明けたところでおめでたくもない」と言った年末年始になるでしょうけど、そう言う時こそ声を上げて挨拶した方が良いのでしょう。
そう言う事なので、皆さま良いお年をお過ごし下さい!(ちょっと早めの挨拶です(笑))
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