作者の思考

ヒスイ日和(水無月の伍)

2020年06月29日

6月も終わりに向かい梅雨明けが近づいてきましたが、まだまだ景気は試練が続きます。(今年は覚悟を決めて乗り越える必用があります)
命が輝く躍動の夏を向かえたばかりなのに、冬の事を考えると気が滅入ります…。
必ず訪れる厳しい冬を無事に乗り越えられるように「良い季節での楽しい思い出」や、「創作活動の成果」を積み上げて、耐え抜く準備をしたいと思います。(キリギリスタイプですが、冬の備えは万全にします(笑))

それでは6月二回目の探石記録を書きます。

今回も河口での探石、梅雨なので曇りの日が多いですが、早朝や夕方は太陽が出る事が多いです。
画像はお昼頃(6/27)、生憎の曇天ですが暑さからは逃れられるので、集中して探す事ができます。




浜は波が強めで短く、風も強めで潮風が顔をベタつかせます。
砂と小石が多く光源も乏しい状態、海も濁っていて水底を確認する事は不可能でした。
あまり良い環境ではありませんでしたが、石との出逢いは運なので「面白くて美しい石」を求めて歩きました。(それが神々との交歓であり、私自身の信仰でもあります)




川との合流点まで歩き、薬石タイプの赤い石英斑岩、石英、流紋岩、薬石タイプとは少し異なる石英斑岩、鶯石の愛称で呼んでいるロディン岩を見付けました。


薬石タイプの赤い石英斑岩は加工に向いています。
なぜ赤いのかは鉄分によるのでしょうけど、酸化の具合によって発色が変化するのだろうか?(酸化鉄の沈澱による発色ではないのかな?)

石英は通常タイプ、結晶が霜柱みたいで面白かったので拾いました。
これだけ白いと水晶(玉髄など)との違いが明白なので呼び方に困らないです(笑)

流紋岩は紋様が面白い、硬度も石英斑岩に近いので加工に向いています。
たまに「表の紋様が良いのに中身は白」って事があるので、その特徴を覚えて切断しないと石が無駄になります。(白でも無駄なく作れば良いだけですが)

薬石タイプとは少し異なる石英斑岩は、石英のブロックが見えやすく赤褐色が流れています。
チャートっぽさも感じますが、混ざったりする事があるのだろうか?
石質が良いので、綺麗な光沢が出る石だと思います。


鶯石の愛称で呼んでいるロディン岩は、母石が通常タイプとは異なり少し脆さを感じます。(以前に見付けたハウライトっぽい石に似ている)
発色は綺麗な萌葱色(黄緑色)で、最も「芽吹タイプのヒスイ」と間違える事が多い石でしょう。
見本としては優秀なので、ロディン岩としてコレクションしたいと思います。(加工には向かない石質だと判断しました)


前回とは違って姫川は濁り、その濁りを海へと排出していました。
浜の先端も削れて、向こう岸との距離が更に伸びたのが確認できます。
川底は見えず川淵の深さも確認できないので、こういった状態の川では探さない方が無難です。





これもイザナギ(川)とイザナミ(海)の「神生みの一環」なのだと感じながら折り返していると、極上の玉髄と間違えるクラゲの死骸を発見。


この季節になると見られる事が多くなります、これ(クラゲ)もヒルコ神を象徴していて、やはり「神生みの一環」により打ち上げられます。
今回は「ヒスイではないヒルコ神を見付けたのだ」と、拾えなかった言い訳(納得する理由)にしてみたいと思います(笑)


最後は色と質の良いロディン岩(鶯石)、これは硬度があり光沢を出すのも容易です。
ヒスイに似すぎた姿をしていますが、最後の最後で「袂を分かった」って感じの石なので、「ある程度のヒスイの美しさ」を引き継いでいるのでしょう。(でもヒスイではない、だけど綺麗なので磨きます(笑))


ちなみに鉱物学で考えると、ヒスイは様々な成分が抜け出た後の「残りカス」との事です。
しかし、私としては「篩いにかけて最後に残った魂の器(母なる大地が練りに練った不屈で不滅の神器)」にしか思えないので、そこには考え方の相違があるようです。(残った存在(ヒスイ)の堅牢さや、発光に魅せられた者にしか解らないのでしょう…)
まぁ、見た目でも「抜け出たモノ」と「最後まで残ったモノ」の優劣は明確ですけどね(笑)


今月は探石する事が少なかったですが、それでも十分に楽しめました。
加工に専念していたり、後々の準備をしていると疲れてしまい記録が更新できなくなります…。
今優先すべき事に集中しながらも、探石に来られない人(糸魚川に遊びに来られない人)に疑似体験してもらえるよう、今後も画像と文章で伝えられたらと思っています。(動画は道化に徹する必用があるので却下(笑))

これで今回の探石記録を終わります。



次は制作した品の紹介、石英斑岩と流紋岩でペンダントを作りました。


まず浜辺で見付けた平たい石英斑岩(薬石)の上に並べてみました。
切断されているプレートより自然を感じるので、人間(私)が加工した品を並べると雰囲気が出て良い感じになります。

金属の素材はステンレスで摩耗にも汚れにも強く、気軽に身に付けられるかと思います。
このタイプ全てを「薬石」と総称しますが、楽しんでもらいたいのは「ピクチャーストーンとしての紋様(景色)」です。(石英斑岩・流紋岩としての魅力をメインにしています。)
よって「薬石としての謂われ」は付録となりますが、それが在ると無いとでは大違いなので、やはり魅力の一つとなるのは間違いありません。

石のまちとして「こういったアクセサリー」が在って良いので、色々な石で作ってみたいと思います。(とにかく光沢さえ出てくれれば活用の幅が広がります)


話は変わりますが、先日に私のブログを読んで会いに来てくれた青年がいました。
小さなヒスイの転石を勾玉に加工していて、その姿が素朴で持ち主の人柄を映しているようでした。(その勾玉の穴あけを受けました)
かつて私にもあった段階、きっと楽しくて仕方のない領域にいるのだと思います。
その記憶が僅かでも甦ったので良かった、このところ無駄に思える事を頑張っていますので、その甲斐があったのだと感じられました。


ひるがえり、未だに青海川でヒスイを破壊している乞食がいるそうです。
昔からの乞食なのか、新たに流れてきた乞食なのか、その両方なのか…。
通報があってヒスイ原石は保護されたようですが、同志による見回りからの通報なのか、取り分による仲間割れでの通報なのか、まるで分かりません。

いつまで続けるのだろうか?、どうせ原石売りの連中なのだから監視すれば良いのに。
人目の少ない青海川を狙う辺りも忌々しい、きっと工事関係者も共犯なのでしょうね。

この領域には半グレ爺が多すぎる、早くライセンス制にしてほしいと思うのは私だけなのだろうか…。
寿命で死ぬまで待っても良いけど、新しく出てくるのは「どうにかしてくれ」って思う。

一向に変わらない現状にはウンザリするけど、人間同士の戦争以外で人口を減らす方法は「人間以外の生物との生存競争」と「自然災害」しかないので、それにより変わっていくのを期待するしかないのでしょうね。(隕石とか宇宙からの干渉は例外)

その最中に私も消えていくのだろうか…、そうだとしても後悔しないよう未来(私が望む未来)に向かって努力したいと思います。

50歳までにはカタチにしたいなぁ…、作る側が胸を張って仕事ができる場を開拓しなくてはなりません。(正確には「再生」する感じなのだと思います)
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