作者の思考

ヒスイ日和(文月の壱)

2020年07月02日

憂鬱だった6月が終わり新たな試練の月の始まりです。(いよいよ夏本番の幕開けです)
未だ梅雨を引きずった天気ではありますが、雲の切れ間から顔を出す太陽は強く輝き、まさに「ライジングサン」って感じです。
これからどうなるのだろうか?、引き続き新型ウイルスに警戒しながらも、大雨による水害にも注意しなくてはなりません。
油断せず慎重に行動しながらも、やるべき事は進めたいと思います。

7月に入りましたが、6月最後の探石記録を書きます。

6月の最後は押上の海岸で探石、この日もお昼頃に曇ってしまいました…。(6/29)
午前10時頃までは快晴だったのに…と、残念に思いながらも吹き抜ける風が涼しかったので、探石する環境としては悪くありませんでした。





浜は入り口付近は砂利が多く、波は長くて強め、この時点では光源も乏しい状態でした。
先客は二人だけ、支度からして観光のお客さんだと思われます。(運動靴だったので)
やや押し上がりが強い浜辺だったので探しづらい、初めての人には歩くのも難儀だったかと思います。




いつもの折り返し地点まで歩いていると、次第に空が晴れて太陽が出始めました。
これは撮影チャンス、この時点で見付けた石たちを紹介します。(識別するタイミングでもあります)
上は石英斑岩3個、その下はネフライト3個、中央にシーグラス、左下がロディン岩(鶯石)、下中央が水晶、右下が灰ヒスイの転石です。


石英斑岩は薬石タイプ、茶色と焦茶色は標準的な薬石で、赤色のはやや珍しい薬石です。
一昔前は「このタイプの石英斑岩」が薬石と言われていましたが、最近では似た紋様の流紋岩も薬石として総称されています。
まぁ、成分が同じなので当然なのかも、大昔でも区別していなかったのだろうか?
なんであれ、今現在は「区別したい側」と「区別したくない側」がいるのは解ります。

ネフライトは色が薄く透明度があるタイプが2個、色が薄いと少し石質が弱くなるようです。
もう1個は色が濃いので乾いても光沢を示します。(どれも磨けば光ります)

シーグラスは久しぶり(笑)、この淡青のが私好み、釣具や漁業の仕掛けの欠片なのかもしれませんが、綺麗なので集めています。(練度の良いシーグラスだけを集めている)

ロディン岩は鶯石タイプ(愛称)、なかなか綺麗な色と姿をしています。
やはり押上の転石は練度・練磨が高いので、サンプルのコレクションにはピッタリです。
これは先程の「石英斑岩と流紋岩」とは違い、成分自体が違う(翡翠輝石が入っていない)のでヒスイとする事はできません。
たまに混ざるので、ヒスイ部分が多い大きな岩石は「ヒスイ輝石岩」と呼んだりします。
転石で混ざる場合は面積で母石を決めて、「ヒスイを少し含んだロディン岩」や「ロディン岩を少し含んだヒスイ輝石岩」として分類すると良いかと思います。(サンプルとしては面白い見本になる)

水晶は普段から集めている玉髄と区別が難しいですが、「根元」なのか「先端」なのかで分けています。(あと透明度とかでも)
同じ石英なので呼び名が多少違っても問題ありませんが、納得できる名前(クォーツ・カルセドニー・アゲート)を選んでいます。
ちなみに転石での水晶は数が少ないように思えます。(砕けてしまうのかな?)

灰ヒスイは光源が乏しいと曹長石との区別が難しく、手触りと重さで識別する事が多いです。
今回は触覚で確認した後にストックし、太陽が出たので視覚で再確認してヒスイだと確定しました。
灰色系の滑らかなヒスイ転石は微細な翡翠輝石が見やすく、十分な自然光があれば簡単に判断できます。(ちなみに、翡翠輝石自体のバリエーションを覚えないと、石英とかのキラキラする石との区別ができないでしょう)
まぁ、乾いた状態で「光沢」と「キラキラ」の両方を示したなら、ヒスイの可能性は高いです。


折り返し地点付近には大きめの石が上がっていましたが、やはり浜が押し上がっていて比重の高い石が打ち上がる感じではありませんでした。(逆に、平ら(プレート状)なら上がりそうでした)




入口に戻る際は太陽が出たり陰ったりを繰り返していましたが、探し初めよりは光源が充実して助かりました。
帰りで見付けたのは、灰練石(アケビ石)、ロディン岩(やや鶯石)、石英、シーグラス、小さなヒスイ転石2個です。


灰練石は滅紫に色づくロディン岩、ザクロ石の成分によるらしく愛称で「アケビ石」と呼んでいます。(ザクロとアケビで紛らわしいけど(笑))
今回のは少し明るめの発色、ロディン岩としては最も石質が良いタイプです。

ロディン岩は、やや鶯石(愛称)と呼べるタイプ、ロディン岩として灰練石と似ている部分は多いですが、一体感に欠ける感じがします。(これは海に返しました)

石英は水晶より白く透明度も低いです、石英としては綺麗な方ですが、石質が劣るので綺麗な艶が出ない事が多いです。(これも海に返しました)

シーグラスはさっきのと同じタイプ、集めて大きさを分け、それぞれに水と一緒に瓶に入れて工房に飾っています。(太陽光が当たると、すごく綺麗です)

小さなヒスイ転石は、少し緑が入ったタイプと白ヒスイの2個です。
サイズは残念ですが練磨・練度は十分で、とても可愛らしい姿をしています。
きっと「旅の思い出」にするなら、これくらいでも良いのでしょう。(住人が拾ってしまって申し訳ないけれど…)
それでも「お金で手に入れられるお土産」として活用してみます。(お金を使ってもらう事も大切なので)


帰る頃には空を覆っていた雲が少なくなり、青空が広がってきました。
それにつられてか海を訪れる人が増えて、それぞれに浜辺を楽しんでいました。




久々に晴天下で探石ができました。
気温は上がりましたが風は冷たくて心地よかった〜、経済は辛い年となっていますが、6月も探石を楽しめた事に感謝したいと思います。

これで今回の探石記録を終わります。
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