作者の思考

ヒスイ日和(水無月の弐)

2020年06月05日

雨の多くなる日が続くと思っていたのですが、未だ梅雨には入っていないようです。
ほぼ毎日が晴天、コロナショックがなければ観光としては最高の年になったかと思います。(少雪だったので早くに山へも入れたし)
なんて勿体ないのだろうか…、普段から探石を楽しんでいる私でさえ血湧き肉躍ります(笑)

と、言うわけで久々に「不動滝」と「小滝ヒスイ峡」へ行って来ました。

まずは不動滝へ、今井部落から上って行くと秘境感を更に楽しめます。
でも道が頭に入っていないと危険、対向車が来た際の対応を常に考えながら進む必用があります。
観光地への道としては整備が不十分かもしれませんが、それが「秘境」でもあります。
観光地として本気で賑わいを求めるのなら、今井や小滝の入口から「専用車に乗り換えて送迎するシステム」が必用になるでしょう。(求めるのならの話)

話を戻し、記憶を頼りに慎重に車を走らせ不動滝に到着。
警戒しながらゆっくりと上ってきましたが、ただの一台も対向車は来ませんでした(笑)
不動滝にも誰もいない、私としては最高の環境で気分が高まりました。


芝は綺麗に刈られていました、今井部落の人たちが行ったのかな?、暑い中で大変だったと思います。(この日の気温は28〜29℃となり、ここでも暑いくらいでした)
数年前に駐車場が作られたので、そこまで車で降りる事ができて助かります。(最近は老いを感じます…)


不動池は水量たっぷり、濁りは弱くカエルの鳴き声が響き、トンボ(イトトンボやギンヤンマ)が飛びまくっていました。
近くの木の枝には大きな泡状の玉が2個ぶら下がっていて、これが貴重で有名な「モリアオガエルの卵」だと解りました。(鳴いているのも、モリアオガエルなのでしょう、多分)
知らないと「巨大なカマキリの卵」に思えるかも(笑)、それはそれで面白いです。





不動滝の詩を記した石碑も健在、大きい石碑は全部漢字なので読めません(詩としての雰囲気は良い感じです)が、小さい石碑が内容を訳してくれています。




石の鳥居をくぐって、いよいよ不動滝とご対面です。
ここからはデカイ樹が多くなるので、アリス症候群のような錯覚を楽しめます(笑)
ちなみに礼儀としては、一礼してから鳥居をくぐるのが良いと思います。(個人的に)




滝の全貌が見えてきました、勢い良く流れていますが、例年より水量が少ない感じがします。
とにかく、先ずは水神様の祠にご挨拶、祠の前に立つと私の肩にトンボ(シオカラトンボのメス)が止まりました。(また何かと間違えたのだろうか?)



肩にトンボを乗せたまま(笑)久々の挨拶を済ませ、滝つぼへ向かいます。(滝つぼに降りたら飛んで行ってしまいました)


まず光に満ちあふれて目が痛い(笑)、やはり滝は水量が少ないようで、少雪だった事が大きく関わっているように思えます、それと相まって遅い梅雨入りにより水が不足しているのかもしれません。(姫川自体に水が少なかったので)


通常なら辺りの温度を2〜3℃ほど下げるのですが、今現在は1℃くらいの差しが感じられませんでした。(それでも気持の良い環境でした)


帰りは巨大樹の木漏れ日を浴びながら歩きました。
見上げすぎて首が痛くなりましたが、緑(翠)の風が心地よく吹き渡り、キャンプをするなら今がベストの環境だと感じました。(まだウルルも出ていません)




参道を少し逸れると、不動滝から流れ出た水の小川があります。
ここは玄武岩(梅輪石タイプ)の産地らしく、見渡せば選べるほど転がっていますが、その中から「景色が良く姿の良い石」と出逢うのは困難です。(運ですね(笑))




試しに、どんな種類の石があるのか調べてみました。
まずは縞瑪瑙、今井部落を流れる虫川から昔は瑪瑙(メノウ)が出たと聞いていましたが、不動滝付近からも出るようです。(一個だけなので、断言するにはもっとデータがいる)
不動滝は虫川の上流になるのかな?、だったら出ても不思議ではないですね。




次は玄武岩、梅輪石と言うよりは「玄武岩と石灰石が混交した岩石」って感じ。
なかなか面白い姿、こういった石が不動滝にある事を憶えました。(石は川に返しました)




緑色石英(キツネ石)とは違いますが、銅による発色なのか…、緑色を示す石もありました。
石としては安山岩なのだろうか?、ガサガサで脆く砂利が集まって出来た感じです。
所々に粘土っぽい感じの部分があるので、珪孔雀石の類(のなり損ない)が混ざっているかもしれません。(石は川に返しました)


なかなか面白い、キャンプしながら調べると最高だと思います。(鉱物好きには最高)
ウグイスの美しい鳴き声を聞きながら楽しんでいると、それとは別の美声が聞こえてきました。
最初は鳥の鳴き声だと思いましたがどうも違う(川から聞こえるので(笑))、心当たりがあるとすれば、あの有名な「カジカガエル」です。
下手な鳥より遙かに美声(笑)、透き通った声は胸の奥まで響きます。(魂に届く感じ)


再び不動池へ、またまたモリアオガエルの卵(と思われる泡玉)を発見、今度の姿は巨大な(或いは大量の)アワムシの巣に間違えそうです(笑)


この池(不動池)は人工池だと思いますが、元々ここに沼があったように思えます。
それを人が整備して今の姿になったのではないだろうか…、天敵の魚がいないのでカエルやヤゴの生態が守られています。
このまま未来に残してほしい最高の場所です。

不動滝は命に満ちあふれ輝いていました、命が生まれ消えていく頻度は人間社会とは桁違いの領域、そんな中でも「美しさ」と「生命力」が満ち溢れているのは何故だろうか…?
これが「生命は死に続ける事で進化する」って事に繋がっているのだろうか?
なんであれ、その強さのカケラでも良いから欲しい!、きっとこれを私は渇望し続けて生きるのだと思います。

久々の不動滝は相変わらず最高の場所でした、変わらない景色が向かえてくれて嬉しい、思わず住みたくなりますが、現実(自然)は甘くありませんね(笑)
これから毎年5月〜10月までの間に訪れて、疲弊した魂を癒したいと思います。(6月後半〜9月前半までは、最狂のウルル(大量のアブ)に注意が必要です)


次回は、同日に訪れた小滝ヒスイ峡(高浪の池含む)の事を書きます。
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