作者の思考

ヒスイ日和(皐月の伍)

2020年05月21日

各地で自粛の「一定の解除」がされましたが、雰囲気的には自粛モードを強く引きずっている感じです。
ウイルスと言う見えない敵の対応に苦労しますが、不安と言う脅迫めいた感情も手強く簡単には払拭できません。(不安を越える安心がないと無理なのでしょう)
交通事故と同様に常にある危険ではありますが、避ける術が乏しく被害者と加害者の区別も困難、萎縮するのも当然なのでしょう。(高齢者は特に…)
油断せず、でも臆病にもなりすぎず、少しずつ人とのコミュニティーを再開したいと思います。

それでは5月伍回目の探石記録を書きます。

連日が雨の予報でしたが、どう言う訳か晴れ間が広がりました。(5/19)
これはチャンスと思い姫川河口へ直行、河川敷は昆虫の楽園がほぼ完成し、再生から躍動の姿に変わっていました。(後は昆虫たちの成長を待つだけでしょう)




山側は青空が広がっていましたが、やはり海側は雲が多く、青海側には濃い霧のような薄暗い雲?が見られました。(やたら低空で、霞みのような感じ)
浜は波が長くて強く、海が濁っているので水底は見えません。(濁っていなくても波が強いので水底を見てられない…)




この晴れ間は長くは持たないだろうと思い、晴れている間に見付けた石を撮影。
上の大きめの石(2個)がロディン岩で、左の小さめの石がアルビタイト、下の平たくて大きめのがヒスイ転石です。


ロディン岩は座りが良いタイプと、発色が良く「鶯石」と呼んでいるタイプの2個です。
座りが良いタイプは文鎮か飾石にでもと思いましたが、吟味した結果、海に返す事にしました。(もう少しメリハリのある景色が欲しい)
もう一つ(鶯石)は良質、表面は穴凹が多いですが中身は詰まっている感じです。
磨きを出せる特徴が見られるので、加工素材として活用してみます。(ヒスイとの区別が必須の石です)

アルビタイトは濡れているとヒスイに見えるタイプ、明るい緑(やや黄緑色)も部分的に見られ初心者が間違えやすい石です。
河口での転石なので乾かしてもパサつく(練磨の低い)ヒスイがありますが、アルビタイトは更にパサついているので違いは解るでしょう。
ギラギラと輝く大きめの結晶が見られるのも特徴だと言えます。

ヒスイ転石は波の影響を受けやすいプレート(板)タイプ、端には僅かに紫が入っています。
紫ヒスイは翡翠輝石を確認するのが困難だったりしますが、練度(自然研削)や練磨(自然研磨)が低くてもヒスイとしての特徴を多く確認できます。
これは「カグツチの欠片」ですね、加工する事で今以上の美しさを備えるので加工素材として活用したいと思います。


案の定、川との合流点に着いた頃には辺りは暗くなり始め、こちらに薄暗い霧(雲?)が近づいているように感じました。(後に確信に変わります(笑))
川は相変わらず連日の雨で濁流、そこまで流れは強くありませんでしたが、だかと言って濁りが治まる気配はありあせん。(そして、ここでやる事もありません(笑))





引き返していると、更に辺りが暗くなり最終的にはホワイトアウトのような状態になりました。(風雪じゃなくて霧(雲?)ですけど…)
山だったら遭難しているレベル、神秘的であり幻想的な景色ではありますが、同時に恐れも感じる自然現象、これが美しさの本質だと言えるのでしょう。


それも数分後には風で流されて行き、雲の切れ間から太陽が顔を覗かせる程度の曇天となりました。
そろそろ引き際だと感じながらも、太陽が顔を出したチャンスにロディン岩を撮影。


これも鶯石タイプ、通常より黄緑感が薄く翠感が強いですが、やはり発色がヒスイとは違います。(良く似てはいますけど)
白い部分はソーダ珪灰石が多いのかな?、その特徴が強く見られます。(合体している感じ)
加工素材と言うより文鎮や飾石にできるかも?、光沢は出るかと思う(サンプルデータにより判断)ので試す価値はありそうです。


ついでに最初のヒスイ転石も改めて撮影、そこまでグレードの高いヒスイではありませんが、河口ならではの姿をしていて参考になるかと思います。



紫が入っていなかったら悩むタイプかも、このタイプは白地にロディン岩と良く似た部分が含まれる特徴があります。
表皮側にも僅かに紫ヒスイの特徴が見られ、中にも色が入っている可能性を見る基準になります。(一つの判断基準です)
平たいので波に乗って浜辺まで運ばれていました、これが丸ければ「波打ち際の数歩奥」を探す必用があり、今回のような環境だと確実に波を被る事になったでしょう。(それ以前に濁っていて見えないけどね(笑))
これは小滝系の紫ヒスイかな?、青海川にも出ますけど、このタイプが多く見られるのは小滝川だと思います。


満足する結果で家に帰り数分後、雷鳴が轟き夕立のような大粒の雨が降りました。
いろいろと運が良かった…、特に雷鳴は久々に聞く轟音、まるで「本能による恐怖の神髄」って感じで、腹まで響く神鳴は人間を行動させません。(動けば死ぬ、と本能が判断する感じ)

これが日常で鳴り響けばもう終末、ウイルスなんて比じゃない程に人間を恐怖で縛る事でしょう。
今回は30分程度で雨は上がり晴れ間も出ました、建御雷は正に武御雷ですね…、疾風の如くスサノオ(暴風)と共に駆け抜けていきました。
これからの季節は天候の急激な変化に気を付けて、事故のないよう探石を楽しみましょう。

これで今回の探石記録を終わります。



やっと観光物産センターも営業を開始するようになりましたが、お客さんが戻るのには時間が必用となりそうです。(天候にも左右されます)
ちなみに今月の16日から営業していたらしく、連絡がなかったので昨日(20日)まで知りませんでした…。
18日の朝に確認しに行った際は閉まっていて、入口に31日まで休業と張り紙があったので「5月末までの休業」と思っていましたが、開店時間が午前10時〜午後5時に変更され、更に張り紙は「観光案内所の情報」だったようです。(店員曰く、勘違いする人が多いようです)
もっと早く連絡して欲しかった…、それでお客さんが増えるわけでもありませんが、主要な作品(神玉)は休業中に引き上げていたのでガラスケースのメイン作品が無い状態が4日も続いたわけですね…。
それはさすがに無様なので、物産センターに数人しか訪れていなかったとしても失礼だったと思います。(怒るお客さんはいませんが、残念に思うお客さんはいたかもしれません)

なんであれ営業開始、人を集める事が危険視されているので思うように活動できませんが、ある程度の賑わいがなければ仕事としては成り立ちません。(それに面白くない)
なるべく石を識別する環境を整えながら、密集する事のないように気を付けたいと思います。

ちなみに石の識別は「観光物産センター(いとよ(食堂)やLINK(カフェ)を含む)を利用した人」に行いたいと思います。
慈善事業でもないし、お金を使ってもらわなくては意味がない、本当なら私の品を購入した人だけの特権にしたいところですが、今の景気を考えると「少しでもお金を使ってくれる」ってだけもで有り難いです。(現地に来てお金を使ってくれる事が重要)

ただ私は学者ではないので、かなり詳しく知りたい人は分析に出す事をお勧めします。(学者に見せる前段階の識別って感じです)
14年程前の私が加工所にいた頃のような簡易的な識別だと思って下さい。(6月くらいから始めようと思います)
同志に協力をお願いすれば、ある程度は賑わいを復活させる事も可能ですが、それで「利を得ない者」には迷惑な行為に見えるでしょう…。
せっかく協力してくれたのに迷惑がられては本末転倒、まずは単体で行動する人に向けて少しずつ(小規模で)対応したいと思います。


この仕事をしてきて今が一番の不景気でしょう、ここが底であるならば乗り越えさえすれば「これ以上の災難」が訪れない限り前に進めるので、この地雷だらけの世の中を突破してやろうと思います。
もっと底があるとすれば辛いな…、心が折れないよう気を付けたい、特に両親が感染しないよう私が警戒しなくてはなりません。

どちらにしても後悔しないよう気を付けたいと思います。(慎重に進めたい)
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