作者の思考
ヒスイ日和(皐月の六)
2020年05月25日
日を追う毎に陽が長くなり始め、緑の匂いが躍動の季節の到来を伝えてくれます。
早めの梅雨に入ったのかと思いましたが、最近は晴れる日が増えてきました。
人間にとって嫌な事ばかりが続いていくのは残念ですが、それを引き起こしたのも人間なので因果応報なのでしょう…。
日々を生きられる事に感謝しながら、人類が招いた試練を乗り越えたいと思います。
それでは5月六回目の探石記録を書きます。
この日は「午前中が晴れ」との事でしたが、空には雲が多く山々は隠れていました。(5/22)
時々、雲の切れ間から太陽が顔を覗かせるので、その光源が頼りになります。
浜の状態は波が速くて短く、濁りは薄れ水底を確認する事が可能でした。
青海側は曇り空が広がり、能生側は青空で快晴、ここは地層の分岐点ですが、天気も綺麗に分かれる事が多いように思えます。(親不知に行くと、また天気が違っていたりします)
姫川の濁りと流れは穏やかになり、無くなっていた浜辺の先端も姿を現しました。
ギリギリ川淵の石を確認できましたが、まだ川での探石は先になるでしょう。
この時点で見付けた石たち、どれがヒスイと言えるのか解るでしょうか?
まず、上のは白ヒスイに酷似した石灰石、良質な大理石と言った方が良いのかな?
乾くとキラキラと細かく輝く結晶が見られて紛らわしい、これでパサつきが無かったら目視での識別は困難を極めたでしょう。
でも硬度が違うので、ナイフなどを強く当てて擦ると削れます(笑)
左のは緑色石英で、特に珪化が強く緑の石英部分はクリソプレースに近い状態になっていると思われます。(もっと純度が高い緑色石英もあります)
こちらは初心者が間違える石で、それがキツネ石の名の由来なのだそうです。(石としてはダサイ名前…、愛称くらにしてほしかった)
そして灰色のがヒスイ転石で、乾くと微細な長方形の輝石が見られます。
姿形は美しくなく、発色も灰色、「鉱物としてヒスイと言うだけ」の感じですが、翡翠輝石を示すのでサンプルにはなります。(加工素材としてはヒビが多く、とても使いづらい)
一体感が少なくボソボソ感が強いように思える、ヒスイの魅力の一つである堅牢さが感じられず、干からびた消しゴム感が強いです(笑)
曹長石を多く含んでいるのだろうか?、そうなるとヒスイ輝石岩になりますね。
次は玉髄、表面にキラキラと輝く微細な結晶が見られます。
水に濡らすとキラキラが解りづらくなるので、乾いた状態で撮影しました。
剣水晶に成りかけていたのだろうか?、普段見付かる丸みのあるタイプではなく、薄いペースト状で「アゲート」と言うよりは「カルセドニー」って感じです。(剥がれ落ちた感じかな?)
このタイプは側面だけを磨いて、紋様を出してみても面白いかもしれません。
更に、色んな所が凹んでいる座りの良い石です(笑)
自然に凹んだのだろうか?、人工的には見えません。
何か面白いなぁ〜、眺めていても飽きなかったので持ち帰ります。(扱いに困ってきたら海にかえします)
帰り際、僅かに光を膨張する角張った石が波打ち際で目に入りました。
拾い上げて確認すると、灰色の地に僅かに翠が入るヒスイ転石でした。
このタイプは紫も混ざるのですが、どこにも紫は確認できませんでした…。
先程の灰色ヒスイより石質が良く堅牢さを感じます、乾くと表面に微細な翡翠輝石が大量に輝くので綺麗、乾かして見ている方が楽しめる転石かもしれません。
加工素材としても使えそうですが、どうするか…、とりあえず保留です(笑)
浜辺で私を迎えてくれたヒルガオ(ハマヒルガオかな?)のように、美しい紫が入って欲しかったなぁ…。(と、贅沢を心の中で言ってみました(笑))
少し時間があったので青海の海岸にも行ってみました。
「どうしてこうも右と左で景色が違うんだ?」って思うほど明暗が分かれています(笑)
こちらは釣り人が多い浜なので、お互いに気を付けて距離をとりながら楽しむのが良いです。
晴天から曇天へと一通り歩き、オンファス輝石とソーダ珪灰石を見付けました。
ソーダ珪灰石は形が面白いので拾い上げました、これも白ヒスイに酷似していて間違いやすい、混ざったりする事もあるので余計に紛らわしいですが、石としても優秀なので加工が可能です。
しかしメリハリが無いので面白さに欠ける…、ロディン岩やブドウ石と混ざって初めて真価を発揮する石なのかもしれません。
オンファス輝石は通常よりも少し脆い感じで石質は良くありませんが、面白いのは「表面の白っぽく見える部分がヒスイである」って事で、乾くと全体に翡翠輝石がキラキラと(大量に)輝きます。(斜めに分断している白いラインは石英脈です)
オンファス輝石に翡翠輝石が確認できる(目視できる)のは稀な事で、これによりヒスイからオンファスへと変わって行く事(ヒスイが母体となっている事)が解るかと思います。
サンプルとしては貴重だと思う、ここまで明確に解るサンプルは初めてなので、他者に説明する際には非常に役立つと思います。(一目瞭然なので)
これをヒスイ輝石岩と言うのか、オンファス輝石岩と言うのか、ちょっと悩みますが母体がヒスイなのでヒスイ輝石岩(オンファス輝石タイプ)で良いように思えます。
面白いと言えば波打ち際で、美しい水色が特徴のアオスジアゲハが私の周りをグルグルと(5周くらい)飛び回り、しばらく後をヒラヒラと付いてきたのは不思議でした。
私を何かと間違えていたのだろうか?、何と間違えればそんな行動をとるのだろうか?(さすがに波打ち際が縄張りとは考えられないので、縄張り争いではないでしょう(笑))
昆虫にも興味があるので理由を知りたいなぁ〜、自然は不思議で溢れています。(美しく面白い存在が溢れている、もう妖精にしか見えません(笑))
今回も楽しめました、ヒスイは拾えたし、面白いサンプルも見付かったのは幸いでした。
まだまだ知りたい事があるし、知らねばならない事もある、「知ったから何なんだ?」って事もあるけど、それを未来に活用するのが知性なので、これからも考え続けたい(探求し続けたい)と思います。
石との縁と、人との縁、これらが私が成長(進化)する上での近道だと感じています。
これで今回の探石記録を終わります。
早めの梅雨に入ったのかと思いましたが、最近は晴れる日が増えてきました。
人間にとって嫌な事ばかりが続いていくのは残念ですが、それを引き起こしたのも人間なので因果応報なのでしょう…。
日々を生きられる事に感謝しながら、人類が招いた試練を乗り越えたいと思います。
それでは5月六回目の探石記録を書きます。
この日は「午前中が晴れ」との事でしたが、空には雲が多く山々は隠れていました。(5/22)
時々、雲の切れ間から太陽が顔を覗かせるので、その光源が頼りになります。
浜の状態は波が速くて短く、濁りは薄れ水底を確認する事が可能でした。
青海側は曇り空が広がり、能生側は青空で快晴、ここは地層の分岐点ですが、天気も綺麗に分かれる事が多いように思えます。(親不知に行くと、また天気が違っていたりします)
姫川の濁りと流れは穏やかになり、無くなっていた浜辺の先端も姿を現しました。
ギリギリ川淵の石を確認できましたが、まだ川での探石は先になるでしょう。
この時点で見付けた石たち、どれがヒスイと言えるのか解るでしょうか?
まず、上のは白ヒスイに酷似した石灰石、良質な大理石と言った方が良いのかな?
乾くとキラキラと細かく輝く結晶が見られて紛らわしい、これでパサつきが無かったら目視での識別は困難を極めたでしょう。
でも硬度が違うので、ナイフなどを強く当てて擦ると削れます(笑)
左のは緑色石英で、特に珪化が強く緑の石英部分はクリソプレースに近い状態になっていると思われます。(もっと純度が高い緑色石英もあります)
こちらは初心者が間違える石で、それがキツネ石の名の由来なのだそうです。(石としてはダサイ名前…、愛称くらにしてほしかった)
そして灰色のがヒスイ転石で、乾くと微細な長方形の輝石が見られます。
姿形は美しくなく、発色も灰色、「鉱物としてヒスイと言うだけ」の感じですが、翡翠輝石を示すのでサンプルにはなります。(加工素材としてはヒビが多く、とても使いづらい)
一体感が少なくボソボソ感が強いように思える、ヒスイの魅力の一つである堅牢さが感じられず、干からびた消しゴム感が強いです(笑)
曹長石を多く含んでいるのだろうか?、そうなるとヒスイ輝石岩になりますね。
次は玉髄、表面にキラキラと輝く微細な結晶が見られます。
水に濡らすとキラキラが解りづらくなるので、乾いた状態で撮影しました。
剣水晶に成りかけていたのだろうか?、普段見付かる丸みのあるタイプではなく、薄いペースト状で「アゲート」と言うよりは「カルセドニー」って感じです。(剥がれ落ちた感じかな?)
このタイプは側面だけを磨いて、紋様を出してみても面白いかもしれません。
更に、色んな所が凹んでいる座りの良い石です(笑)
自然に凹んだのだろうか?、人工的には見えません。
何か面白いなぁ〜、眺めていても飽きなかったので持ち帰ります。(扱いに困ってきたら海にかえします)
帰り際、僅かに光を膨張する角張った石が波打ち際で目に入りました。
拾い上げて確認すると、灰色の地に僅かに翠が入るヒスイ転石でした。
このタイプは紫も混ざるのですが、どこにも紫は確認できませんでした…。
先程の灰色ヒスイより石質が良く堅牢さを感じます、乾くと表面に微細な翡翠輝石が大量に輝くので綺麗、乾かして見ている方が楽しめる転石かもしれません。
加工素材としても使えそうですが、どうするか…、とりあえず保留です(笑)
浜辺で私を迎えてくれたヒルガオ(ハマヒルガオかな?)のように、美しい紫が入って欲しかったなぁ…。(と、贅沢を心の中で言ってみました(笑))
少し時間があったので青海の海岸にも行ってみました。
「どうしてこうも右と左で景色が違うんだ?」って思うほど明暗が分かれています(笑)
こちらは釣り人が多い浜なので、お互いに気を付けて距離をとりながら楽しむのが良いです。
晴天から曇天へと一通り歩き、オンファス輝石とソーダ珪灰石を見付けました。
ソーダ珪灰石は形が面白いので拾い上げました、これも白ヒスイに酷似していて間違いやすい、混ざったりする事もあるので余計に紛らわしいですが、石としても優秀なので加工が可能です。
しかしメリハリが無いので面白さに欠ける…、ロディン岩やブドウ石と混ざって初めて真価を発揮する石なのかもしれません。
オンファス輝石は通常よりも少し脆い感じで石質は良くありませんが、面白いのは「表面の白っぽく見える部分がヒスイである」って事で、乾くと全体に翡翠輝石がキラキラと(大量に)輝きます。(斜めに分断している白いラインは石英脈です)
オンファス輝石に翡翠輝石が確認できる(目視できる)のは稀な事で、これによりヒスイからオンファスへと変わって行く事(ヒスイが母体となっている事)が解るかと思います。
サンプルとしては貴重だと思う、ここまで明確に解るサンプルは初めてなので、他者に説明する際には非常に役立つと思います。(一目瞭然なので)
これをヒスイ輝石岩と言うのか、オンファス輝石岩と言うのか、ちょっと悩みますが母体がヒスイなのでヒスイ輝石岩(オンファス輝石タイプ)で良いように思えます。
面白いと言えば波打ち際で、美しい水色が特徴のアオスジアゲハが私の周りをグルグルと(5周くらい)飛び回り、しばらく後をヒラヒラと付いてきたのは不思議でした。
私を何かと間違えていたのだろうか?、何と間違えればそんな行動をとるのだろうか?(さすがに波打ち際が縄張りとは考えられないので、縄張り争いではないでしょう(笑))
昆虫にも興味があるので理由を知りたいなぁ〜、自然は不思議で溢れています。(美しく面白い存在が溢れている、もう妖精にしか見えません(笑))
今回も楽しめました、ヒスイは拾えたし、面白いサンプルも見付かったのは幸いでした。
まだまだ知りたい事があるし、知らねばならない事もある、「知ったから何なんだ?」って事もあるけど、それを未来に活用するのが知性なので、これからも考え続けたい(探求し続けたい)と思います。
石との縁と、人との縁、これらが私が成長(進化)する上での近道だと感じています。
これで今回の探石記録を終わります。