作者の思考

ヒスイ日和(睦月の弐)

2020年01月17日

年が明けたと思ったらもう1月中旬…、「一銭にも成らないであろう準備」を進めながらも未来に期待しつつ過ごしています(笑)
暖冬という事で雪は無く助かっていますが、スキー場や除雪の仕事を請け負う業者さんには致命的な状態のようです。(メリットもあればデメリットもあるようです…)
なんであれ「現実の信仰心(適応能力)」と「幻想の信仰心(創作力)」を高めて、どちらの領域でも生きられるよう努めたいと思います。

それでは1月二回目の探石記録を書きます。

晴れ間が出たので今回は姫川河口へ行きました。(1/17)
海側には青空は見えましたが、山は雪雲で半分くらい隠れていました。
河川敷には全く雪が無く、こんな冬は初めてかもしれません。(私的に)




浜は風が弱く波も短い(でも寒い)状態、しかし砂が多くあまり期待できない感じでした。
午後1時頃からの探石、先客は1人いましたが慌てて探す必用もありません。(運なので)




自分のペースで歩き川と海との合流点に到着、川は連日の雨で流れが速くなっていましたが、氾濫するほどの増水は見られません。
合流点も分断されていないので、気を付けさえすれば命の危険は低い状態でした。




ちょっとヒスイには期待できなかったので、面白い石を優先して探しました。
まずはキツネ石タイプと珪石タイプ(チャート?)、座りも良いし凹凸が面白い(笑)


特に珪石タイプは柔らかい部分が削れて良い感じ、形も山に見えます。
しばらく飾って楽しもうかと思います、飽きたら海へ帰せば良いでしょう。


次はヒスイに似ている石たち、キツネ石2個とアルビタイト1個です。
アルビタイトはロディン岩と混ざっている感じかな?、表面にキラキラしたのが見えますが、それが大きくて雑な感じです(笑)


水に濡らしたままなら綺麗なので、観賞用の器にでも入れて楽しもうかと思います。
その前に軽く磨いて表面をスベスベにしてみたいな〜(笑)


次第に曇り出したので引き返していると、波打ち際よりも後ろの「濡れていない浜辺」でキラキラと輝く石を発見、一見ではヒスイに良く似た珪石(石英の類)だと思いました。(結晶片岩とかの)
緻密な石英にはヒスイに似た種類があって間違える事も多く、「角砂糖のような姿」には特に疑いを持つようになります。(経験者の「あるある」です)

今回も「それ」か、と思い拾い上げてみると、ずっしりと重い…。
あれ?っとは思いましたが、乾いている姿は「緻密な石英そのもの」です(笑)
ただ、一部分にヒスイと思われる特徴を見付け「緻密な石英」か「良質のヒスイ」かの二択、圧倒的に「緻密な石英」の方が見付ける確率が高いのですが、どうにも「それ」とは思えませんでした。(この時点でヒスイだと感じました)

決定づけたのは「海水に濡らした姿」で、本来なら逆の「乾かした姿」でヒスイ輝石を確認するのですが、河口のヒスイ転石は錬磨が荒いので乾くと白くなり石英系との見分けが難しいタイプがあります。
なので濡らしてみると本来の色や石目が見えて判断しやすくなります。

と、言う事で、こちらが緻密なヒスイの転石です。
色は淡青、かなり堅牢なタイプで1cm程度は光が通る透明度です。




きっと海が荒れた時に打ち上がり、そのまま浜に残ったのでしょう。
かなりラッキーでした、そもそもに面白い石を探して(ヒスイを諦めて(笑))、乾いている浜辺を探していたのですから!
こういった出逢いは「やはりヒスイに選ばれている」って事を錯覚してしまいます(笑)
誰が探した後でもヒスイと出逢える、そんな事実は私を勇気づけてくれます。(糸魚川ヒスイの作家としては最強の肯定感です)

このヒスイはヒルコ神なのか、カグツチ神のカケラなのか、どちらにせよ「カタチ(姿)を与えろ!」と言っているように思えます。
それが錯覚であろうとも「私がするべき事」なので、立派な作品に仕上げたいと思います。(そろそろ異玉を作って行かなくては…)

雪が無くても厳しい寒さなので滅入りますが、再生の季節に想いを馳せながら頑張ろうと思います。


これで今回の探石記録は終わり、また晴れたら遊びに行きたいと思います。
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