作者の思考

ヒスイ日和(神無月の参)

2019年10月29日

台風が過ぎてからも淀んだ天気が続きましたが、現在はようやく安定してきたようです。(雨の日が多く肌寒いけど…)
行楽の季節に各地で甚大な被害が出て観光業は散々で気が滅入りますが、水害に遭われた方々を思うと「この程度で落ち込んでいる場合じゃない」って強く感じます。
まずは精神の健全さを優先し、楽しい事を見出して進めたいと思います。(悩んでも現状は変わらないし)

それでは10月三回目の探石記録を書きます。(二週間くらい前の記録ですが…)

10月初めての押上の海岸、朝から晴れたので遊びに出かけました。(10/18)
海は荒れていて満足に歩くスペースはありませんでしたが、その中でも釣りをしていたり、転石を探したりしている人が二人ほどいました。





ボーっとしていると突然海水を被る環境、まずは浜の濡れている位置を確認するのが基本です。(そこまで波が来る証拠なので)
目で探しながらも耳で音を聞く、これを両立させる事で危険回避の確率が上がります。(一番は近寄らない事だけど…)
この波の強さだと一瞬が勝負、それを逃すと目の前から消えて無くなります(笑)
でもたまに残ったりもするので、焦らずその時を待つのが理想と言えるでしょう。




波打ち際の数歩後ろから見ていると、強力に光を膨張させる小石を発見。
この膨張感は「ヒスイ」か「白い陶磁器」の二択レベルだったので、波の引き際に走って掴み取りました。(まだ瞬発力には自信あり(笑))


結果、白地が綺麗なヒスイ転石を手にする事ができました。(上のはその前に見付けたネフライトです)
淡い翠も流れていて綺麗、翡翠輝石がキラキラと輝くので一目瞭然のヒスイ転石です。
7分くらいで出逢えたのでラッキーでした〜、長居すると危険だし波を見過ぎると酔ってくるので、ここら辺が引き際となります。


次は姫川河口、大雨でどんな感じになったのかも気になり訪れました。
山側は雲が広がり、河川敷は草が生い茂り、浜への道には部分的に泥が溜まっていましたが、大きな氾濫にはなっていない事が解りました。(ほぼ普段通りでした)




肝心の浜は殆どが水没、かなり削られていて護岸のテトラが見え隠れしていました。
浜は川の流れで分断されていて、無理に渡ろうものなら「冥土に直行」となるでしょう。
濁りはそこまで強くありませんが、それでも水底を確認するには適していません。






ここは大人しく分断された内側で探すのが無難。
注意深く探していると一部分だけ顔を出していたヒスイを見付けました。
これは小滝の紫が入るタイプですが、これには入ってなさそうです…、でもヒスイなので加工すれは美しい姿になります。(ヒルコ神の原形って感じかな?)




今回はこんな感じ、どちらの浜でもヒスイと出逢えて良かった。
それ以上に姫川の状態が致命的じゃなかったのが救いだと強く感じました。(水害レベルで荒れた方が喜ぶバカもいるけど…)
今後も注意深く現実(自然)の一部と関わって行きたいと思います。



話は変わり、今月に開催されたクラフトフェアで、コラボできる人を探してみました。
まずはレザークラフトの青年に会い、使い込んで交換の依頼を受けたブレスを見せ、交換用のレザーブレスを作ってもらいました。(正確には「作って来てもらった」です)
変わらずに丁寧な仕事、知り合えた事を嬉しく思います。

次ぎに初めて出展した女性と知り合い、その丁寧な作りを見てコラボしてもらいました。
基本はヒスイを合わせてありますが、個人的にはネフライトがお気に入りです。


顔と品を見れば大体その人の特徴(タイプ)が解るので、出展物に似通った品があった中でもこの人にお願いしました。

とにかく重要なのは「情熱」で、生まれつき「器用」ってだけで「その者の意志を挫いてはならない」って事が何よりも重要です。
情熱がないと「いずれぶつかる壁」の先には進む事は不可能で、どうせ進めないのなら「進める者(情熱を持つ者)」に任せた方が無駄になりません。

何でもかんでも張り合って「可能性を持つ者」を潰すのは無駄でしかなく、先に進めない器用貧乏ほどいらない存在はないと言えるでしょう。

しかし思うに「それ」が壁なのでしょうね(笑)、それを越えて行くのだから張り合ってきたって「情熱は挫かれない」のだと思います。
願うのならば「不満」や「怒り」を原動力にせず、心の豊かさを優先して進んでほしいと思います。(それは私にも言える「理想の心持ち」です)
「それ」がいないと成長しないとか言いますが、いなくても成長するし、同じタイプの共感で穏やかな成長となるので、最終的には糸魚川のヒスイに相応しい魅力的なカタチになると考えます。(お守りが原点なので)

自分の時代で「良い所取りしよう」と考える動物には一生理解できない真理ですが、もうそんな時代でもないし、勝手に死んで行くので相手にする意味もないです。

「情熱と言う才能」を持って生まれた若者は頑張って下さい!、と言える程に年寄りでもないので「一緒に頑張りましょう!」って言いたいと思います(笑)

ちなみにヒスイ以外と合わせると工賃を含めた料金になりませんが、作り手同士なので「労力で差引」や「物々交換」が可能となります。
これにより多様な石(糸魚川の石)にも対応可能で、「石のまち」としての幅も広げられるように思います。(何よりも物産センターに必用となってくるカテゴリでしょう)

そういう人たちを糸魚川で抱えられる程の資本力が欲しいですが、作家(芸術家)として生きていく以上は無理ですね(笑)
でも「孤独」は嫌なので、相性の良い人を今後も探して行こうと思います。(創作活動自体は「皆それぞれが孤高」ですけど)
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