作者の思考

ヒスイ日和(神無月の弐)

2019年10月05日

台風から温帯低気圧に変わったものの、依然として強い風力を保ったまま日本海を通過して行きました。
糸魚川で大雨にならなかったのは幸いで、雷鳴による驚異からも免れました。(腹の底に響き渡る轟音は本能的に恐ろしく感じる)
10月中旬頃には秋らしい気温になるそうなので、天候が落ち着いたら高浪の池や不動滝にも遊びに行きたいと思います。

それでは10月二回目の探石記録を書きます。

今回は初めから青海の海岸で探石。(押上の海岸は砂だらけだったので…)
こちらもかなり砂が多く期待していた見本探しは出来そうにありませんでした。(10/2)
波自体は強くて長めで良い感じ、この波に乗った平たいタイプがあればラッキーだと言えます。





と、言う事で波打ち際を探石、波打ち際より先は見えづらく、あったとしても拾いに行ける状態ではありません(笑)
ここは大人しく「砂と砂利の狭間を探そう」と思い歩いていると、僅かにボーっと輝く光が目の片隅に映りました。
砂に埋もれながらも僅かな光を膨張する特徴はヒスイの可能性大、すかさず拾い上げて見てみると直感でヒスイだと思いました。

しかし、これと良く似た珪石(チャートや石英など)が沢山あるのがこの海岸、午後の黄色い日差しの中での確認なので慎重に見ながら裏返すと、ここで初めてヒスイである確信が持てました。



翠より緑が強めで、更にくすんでいるので解りづらかったですが、間違いなくヒスイでした。
乾かすとより特徴が明確になり、これによりもう珪石と間違える事もありません。

大きめの海岸転石が海で割れたカケラなのか、河川で割れたカケラが海に流れて錬磨されたのか、どちらにせよ狙った通りの平たいタイプのヒスイを発見できました。
目が覚めるような発色ではありませんが、光に透過すると生命色に輝くのが「このタイプの特徴」と言えます。(「芽吹」と「万葉」の間のタイプ、模様によっては「彩雲」としている)

ここではこのヒスイ1個だけ、運が良かったな〜。
今回はシナリオとして合格か?、あとは私が若くて超美男子か、あるいは美しい女性であったなら物語として完成度が一気に増すのでしょうね(笑)
まぁ、私は幻想と現実の狭間に生きているので「今のままで良し」とします。(誇るべきは創作能力と魂を錬磨する姿勢ですから)


帰り際に姫川河口にも寄りました。
一層と草が茂っていて、実りに向けて最後の力を開放している感じでした。(ちなみに桜つづみの堤防では、大勢が草刈りをしていました)




こちらは全てが砂だらけ…、予想してはいましたが残念な状態でした。
でも運が良ければ砂浜で「普通に打ち上がっているヒスイ」と出逢う事ができます。




浜辺を歩き先端に到着、海の藻屑となっていた地点は復活していました。
これから冬にかけて無くなったり現れたりして、頻繁に状態を変えていくのでしょう。



逆光であったので影に追われながらの探石で見やすかったですが、浜自体も閑散としていて「見やす過ぎた」ので物足りない感じでした。

河口では何も見付けられず終いでしたが、前半でヒスイと出逢えただけで帳消しです(笑)
後はどう活用するか、見本素材とするか…、加工素材とするか…、どちらにも使えそうなので悩みます。(やっくりと考えてみる)

黄昏時の海はとても良い雰囲気で、充実感すら感じられるのが不思議です。
しかし、この恩恵に甘えすぎると危険なので、やるべき事は進めて行くよう努力したいです。(この魅力(重力)に引っ張られ過ぎると「世捨て人」になりそうだ…)

それでは今回の探石記録を終えます。
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