作者の思考

ヒスイ日和(文月の壱)

2019年07月10日

最近は雨が多くスッキリしない天気が続いています。
水害になる程の降水量ではないのが救いで、今は例年より遅い梅雨明けを待ち続けています。
躍動の季節が待ち遠しいですが、熱中症には気を付けねばなりません。

それでは7月に入って最初の探石記録を書きます。
この日(7/10)は朝から快晴となり、久々に押上の海岸へ探石に出かけました。
気温が高くなるとの事だったので、朝9時頃から探し始めました。
逆光で海岸の右側が暗く写っていますが同じ日に撮影した景色です(笑)





先ずは左側での探石、釣りを楽しんでいるおじさんの邪魔にならないよう撮影しました。
波は強めではありましたが短い状態、押し上がった浜辺は歩きづらく、やや海水が濁っていました。
でも久々だったので新鮮な感じがして楽しいかった、集中して探す事もできました。




一通り歩いて左上の玉髄1個、右上のロディン岩1個、下の2個はヒスイ転石です。


この海の状態で灰色のヒスイ転石を認識できたので、まだまだ目は衰えていないと思います。(ちょっと安心しました)
もう1個のヒスイ転石は解りやすい(笑)、目の前に現れたら殆どの人が認識できるでしょう。


次は灰簾石(ピンクゾイサイト)1個、アケビ石(愛称)2個を見付けました。


ここまで桃色でも灰簾石なのでしょうね…、それでも鉱物名に「ピンク」が付いているのが救いと言えますね。(濃い桃色は桃花石とでも呼ぼうか?)
アケビ石は滅紫なので写りが悪いですが、現物はとても美しい発色をしています。
石質も良く滑らか、岩として「ロディン岩」と分類する中では最も良質なタイプだと思います。
ざくろ石の成分による滅紫との事でしたが、裏に桃色が混ざっているので灰簾石も影響しているように思えます。(ただ混ざっているだけかな?)


更に大きな玉髄、と言うか瑪瑙と言った方が良いレベルです。



サイズも良く景色も良い、押上海岸での錬磨なので乾いても透明感を保ちます。(肌が粗くないって事です)
なかなか珍しいので飾って楽しもうと思います。(玉髄コレクションに入れます)


今度は、一瞬目を奪われたプラスチックと箸置きに良い自然石です(笑)


見た時は「ドキッ」としましたが、その発色が着色された感じだったのでヒスイでは無い事が容易に解りました。
外国産の着色ヒスイには「こんな感じのがあるな」と、思い出させてくれた「ゴミ」です(笑)
そう言えば以前にも、海綿(って言うか漁業用の浮きの破片)もあったなぁ…。
自然石は、ロディン岩なのか、曹長石なのか、混ざっている感じですが凹んだ部分があるので箸置きに使えそうです。
普段使いならこれで良いでしょう(磨いてみる)、ヒスイでの箸置きは特別な時に使うのが良いかと思います。(でも個人的にはヒスイを道具として使いたくない)


左側を終えて、次は右側での探石。


以前はこちらの方が拾えたのですが最近はあまり良い結果が得られていません。
歩きやすい事もあり多くの人が探すのだろうか?、それとも海流が変わったのかな?、等と色々と憶測しますが何一つとして解りません(笑)


こちらも一通り歩いて、小さな玉髄1個とネフライト1個を発見。
この時点では「まぁ、いつもの事か」と思い期待もしていませんでした。




しかし、一番右端(折り返し地点)の波打ち際で大きなヒスイ転石を発見。


手の平サイズの碧ヒスイ、通常で拾える大きさではないです(笑)
たまに海が荒れた際に出たりしますが、運が良かったとしか言いようがないですね…。

練度も錬磨も押上海岸の特徴を示していて滑らか、オンファス系ではありますが小さな翡翠輝石がキラキラと輝きます。(通常のオンファス輝石よりもヒスイが多いタイプ)
よく手つかずで残っていたものだな…、先客は何人も訪れていただろうに。

こういう体験が「ヒスイに選ばれた」とか「ヒスイに愛されている」と言った錯覚をもたらすのでしょうね…、しかしそれは幸せな事で、幸せとは「そういうもの」なのかもしれません。
よって「それ」を楽しめるのだから私は幸せなのだと思います(笑)

ちなみに、一番右端(折り返し地点)は護岸工事っぽい事をしているので、ここから出たのかもしれません。


それでも姿形を見るに「昨日今日で割れて打ち上がったヒスイではない」って事が解るのでとても浪漫を感じます。
しばらくは眺めて楽しんで、対話(吟味)の後に加工してみようかと思います。(致命的なヒビが少ないので良い品が作れそう)


一時の晴れ間を楽しめて良かった、丁度良い疲労感と達成感に満ちていますが、本業の創作活動も頑張って進めたいと思います。
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