作者の思考

作品紹介

2016年05月03日

今回は、建速素戔鳴尊「以心伝心」の伍作目を紹介します。

美しい紫色のヒスイで、建速素戔鳴尊を制作しました。
白地を淡紫に染める景色は、舞い散る花びらと遊ぶ風のようです。
天照の咲輝とコンセプトは共通していますが、建速素に込めた想いは「咲き誇った姿に感動し、散り行く姿に来年の再会を誓う」というものです。
大きなテーマは「人が自然や人を想う心」で、想いの力を象徴しています。


天照の咲輝、月読の月花、建速素の以心伝心、これらは同じ母石から制作しているので同じ本質を宿していますが、その在り方はそれぞれに異なります。(八百万の原点は同じでも千差万別って事です)


なるべく良い色と模様が入るように場所を定め、丁寧に加工しました。
このモワモワとしている模様やチタン石による景色が春雪・春風を想わせ、「春先の色づき」と「終わりを告げる儚さ」を同時に感じさせてくれます。



建速素は基本的に暴れん坊、美しさには常に畏敬の念が必用なのだと教えてくれます。
加工のコスト(労力)も段違いに高く、制作するた度に思い知らされる感じです(笑)


紫ヒスイは光を透し難いですが、それでも光を受けると幻想的に輝きます。
透過光の他にも、日光下と蛍光灯(昼と夜)でも色の違いを楽しめるので、それぞれの色で楽しみ方が変わってくるのもヒスイの魅力の一つだと思います。





これは、メイン画像の撮影の為に集めた桜の花びらです。(ボタンザクラの花びらじゃないよ)
たくさんの花びらを集めたのですが、撮影には5枚ほどの花びらで済みました(笑)


当初はこんなにピンク色が強くなかったのですが、冷蔵庫で保管していたらボタンザクラのような色合いになりました。
低温の中では色が増すのだろうか…?、だとしたら寒い春の方がソメイヨシノは色を強くて美しさが増すのかもしれません。
今年は開花の最中に気温が一気に下がった日があったので、より綺麗な桜が楽しめたのかもしれません。(開花するまでは暖かい方が良いようです)

ちなみに、この七味の空き瓶に詰めた桜の花びらは、今も捨てられずに冷蔵庫に眠っています(笑)
綺麗なままで残したい気持ちが強く、どうしても捨てられないんですよね…。
もう少しの間だけ時間を遅らせて、桜の花びらの美しさを楽しみたいと思います。(非常に名残惜しい!)


自然を想い、人も想う、この矛盾する想いは人だけのもの。
人として生まれたのだから、この矛盾を大切にして生きたいと考えています。
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