作者の思考

作品紹介

2015年06月03日

今回は、建速素戔鳴尊「雲蒸竜変」の四作目を紹介します。


白地に鮮やかな翠と緑が流れるヒスイで、大サイズの素戔鳴を制作しました。
このタイプのヒスイは「芽吹・万葉・彩雲」を、テーマにしているヒスイです。
翠(緑)の入り方や模様の流れ方などで、それぞれのコンセプトに添って加工してい
ます。
なので今回の素戔鳴は、その三つを合わせ持った作品となりました。




両側に美しい翠(緑)が流れ、白地もよく見ると白雲のような景色が広がっています。
小滝産のヒスイの特徴が見られ、昔に出たヒスイである事が解ります。
その「堅さの中にも柔らかさを感じる代表的なヒスイ」で、猛々しい素戔鳴(雲龍)
を作ってみました。




表側は裏側より発色が強く、多少のヒビもあります。
しかし、このヒビは秘美(秘めたる美)であり、雷のようにも見えて魅力的に感じま
す。(私は)
口から雷光を放ちながら天を駆けているようで、より素戔鳴らしさが出ているかと思
います。
作品とは「自然が創り出した景色」を、いかに「人へ向けて形作れるか」が重要にな
ると考えています。(それが創作なのだと、私は理解しています)




透明度も高く、光を受けると神秘的に輝きます。
彩雲のような…、木漏れ日のような…、記憶の奥底にある懐かしさが呼び覚まされる
ようです。

生物が初めて見たのが海(青)なのなら、人類が初めて見たのは樹(緑)なのかもし
れません。
大地は目に映っていたけど、木葉の鮮やかさが勝ったのでしょう。(多分)
命を繋ぐの事に直結している色は、本能的に求める存在と成っていたのだと思います。
(青と緑は同系の色だし、後は太陽や血の赤も大切な存在になっていったのでしょう)



今回も、納得のいく作品が仕上がりました!
前回の雲蒸竜変ほど透明度は高くありませんが、その分、発色が強い作品です。
色の配置も上手くデザインに入れられて、貴重なヒスイを無駄なく活用できたと思っ
ています。(自己満足ですけどね(笑))

神玉は面積が広いデザインが多いので、色や模様を多く入れられます。
それと同時にヒビも入ってくるので、それらの活かし方が重要になります。
秘めたる美にするも、非なる美するも、「作り手」と「持ち手」の感性が重要となっ
てきます。
それに良い色の近くには何故かヒビが多いので、神玉じゃなくても活用する術を見出
す必用が、作り手には不可欠だと思います。

問題は作り手が創り出した感性(基準)が通用するかどうか…、これは商売としては
非常に困難かもしれませんが、それが芸術であれば自信を持って続けても良いかと思
います。(お金は労働すれば稼げますので)

一般的に喜ばれる事だけを成していたのでは、その先の成長は望めませんから…。
(それでも好みは「人それぞれ」という現実は在るのですけどね(笑))
ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット