作者の思考
遺跡掘り体験 ⑨
2013年08月27日
現在も縄文時代の中層を精査しています。
石棒が出土した場所の精査が終わりました。
完成形の石棒と加工途中と考えられる石材の他には、特に珍しい品は出土せず生活していた形跡もあまり見られないようです。(少しの土器が出たくらい)
炉と思われる場所に、加工途中と思われる石材があったのが不思議なようです。
純粋な創作場だったのか…、神を祀った家だったのか…。
もし住んでいたとしたならば、かなり詫びた人だっただろうと仲間と冗談半分に話しました(笑)。
その場所から少し離れて、職人の工場であろう跡が見つかっています。
そこからは様々な石や石の欠片、土器の破片が出ています。(ヒスイやヒスイに近い曹長石などもあります)
その中でも、特に不思議に思うものがありました。
調査員の方から簡単な鉱物の判別を求められた品なのですが、その品はゴルフボールより少し大きな球状の道具でした。
その日は曇っていて、更に洗浄した後の乾いていない状態で見たので今でも判別に迷っています。
見たところ紫色が入ったヒスイの玉です、ヒスイ輝石自体を確認してはいないのですが、普段から親しんでいる発色をしていました。
しかし心に引っかかるのは、その品の重さでした。
異常に重く、まるでコランダムのようでした…。
ここである疑問が私の中で発生し、紫ヒスイに良く似たコランダムの記憶が呼び起こされました。
確かに良く似たコランダムは存在します。
ですが、あれだけ大きなものが存在するのだろうか…?(全体をコブとなる部分で作らなければ有り得ない話です)
しかも部分的に翠色の発色が見られたので、ヒスイで間違いはないかと思うのですが…。(ロディン岩でも無いと思う)
そして不思議なまでに丸い状態も違和感を感じました。
ハンマーとして使ったと現場で説明がありましたが、打撃痕を確認する事ができませんでした。(濡れていたので…)
打撃のみで、あそこまで球状になるのだろうか?(ヒスイ、あるいはコランダムが)
あまり大きくないので石器の調整道具として使用したようですが、不思議なまでの存在感です。(主に打製石器に使ったとの事です)
そう言えば良く似た品が蛇紋岩と思われた石で見つかっています。
それも球状で、異常なくらい重いです。
しかも見た目は蛇紋岩なのですが、どうもネフライトのようなのです。
黒いネフライト、正確には「かなり濃緑のネフライト」なのだと思います。
これは打撃の痕が見られたのでハンマーだったのでしょう。(少し欠けていましたし)
双方の品がハンマーであるとして、問題は重さです。
どちらも通常よりも重い、これは何なのだろうか…?。
間違いなく言えるのは、使い手は「重さを分かっていてハンマーにしている」って事です。
しかも楕円形のハンマーではなく、球状のハンマーとして活用している点が不思議です。
私には「サイズを小さくしても、重さが十分なもの」を認識しているように思えます。
また、鉱物同士の比較は当然ながら、同じ鉱物の中でも見分けているって事も重要です。(叩く事で目が詰まり重くなるって事も、金属じゃないので無いかと…)
そしてこのハンマー、「叩き続けて丸くなった」と言うよりは、球状に加工してから使ったのだと考えます。(擦る事にも使ったように思える)
ここら辺の活用は、流石は職人って感じですね。
糸魚川で「ヒスイを道具として活用していた事実」を自分の目で確認できて嬉しいです。(手を加えた「道具」としてのヒスイの確認)
しかしヒスイの道具以外の活用が見られないのは、ちょっと悲しいです。
道具から逸脱した品を創るのが作家(芸術家)です。
いずれこの地で「ヒスイで制作された創作物」を見る事ができるのだろうか…?
これは「私にとって重要な問題」ってだけの話なんですけどね(笑)。
全く関係ない話ですが、高純度なロディン岩の和名を鶯石(鴬石)とするのはどうだろうか?
翡翠がカワセミならロディンはウグイス…、ちょっと浅はかな考えかな〜(笑)。
石棒が出土した場所の精査が終わりました。
完成形の石棒と加工途中と考えられる石材の他には、特に珍しい品は出土せず生活していた形跡もあまり見られないようです。(少しの土器が出たくらい)
炉と思われる場所に、加工途中と思われる石材があったのが不思議なようです。
純粋な創作場だったのか…、神を祀った家だったのか…。
もし住んでいたとしたならば、かなり詫びた人だっただろうと仲間と冗談半分に話しました(笑)。
その場所から少し離れて、職人の工場であろう跡が見つかっています。
そこからは様々な石や石の欠片、土器の破片が出ています。(ヒスイやヒスイに近い曹長石などもあります)
その中でも、特に不思議に思うものがありました。
調査員の方から簡単な鉱物の判別を求められた品なのですが、その品はゴルフボールより少し大きな球状の道具でした。
その日は曇っていて、更に洗浄した後の乾いていない状態で見たので今でも判別に迷っています。
見たところ紫色が入ったヒスイの玉です、ヒスイ輝石自体を確認してはいないのですが、普段から親しんでいる発色をしていました。
しかし心に引っかかるのは、その品の重さでした。
異常に重く、まるでコランダムのようでした…。
ここである疑問が私の中で発生し、紫ヒスイに良く似たコランダムの記憶が呼び起こされました。
確かに良く似たコランダムは存在します。
ですが、あれだけ大きなものが存在するのだろうか…?(全体をコブとなる部分で作らなければ有り得ない話です)
しかも部分的に翠色の発色が見られたので、ヒスイで間違いはないかと思うのですが…。(ロディン岩でも無いと思う)
そして不思議なまでに丸い状態も違和感を感じました。
ハンマーとして使ったと現場で説明がありましたが、打撃痕を確認する事ができませんでした。(濡れていたので…)
打撃のみで、あそこまで球状になるのだろうか?(ヒスイ、あるいはコランダムが)
あまり大きくないので石器の調整道具として使用したようですが、不思議なまでの存在感です。(主に打製石器に使ったとの事です)
そう言えば良く似た品が蛇紋岩と思われた石で見つかっています。
それも球状で、異常なくらい重いです。
しかも見た目は蛇紋岩なのですが、どうもネフライトのようなのです。
黒いネフライト、正確には「かなり濃緑のネフライト」なのだと思います。
これは打撃の痕が見られたのでハンマーだったのでしょう。(少し欠けていましたし)
双方の品がハンマーであるとして、問題は重さです。
どちらも通常よりも重い、これは何なのだろうか…?。
間違いなく言えるのは、使い手は「重さを分かっていてハンマーにしている」って事です。
しかも楕円形のハンマーではなく、球状のハンマーとして活用している点が不思議です。
私には「サイズを小さくしても、重さが十分なもの」を認識しているように思えます。
また、鉱物同士の比較は当然ながら、同じ鉱物の中でも見分けているって事も重要です。(叩く事で目が詰まり重くなるって事も、金属じゃないので無いかと…)
そしてこのハンマー、「叩き続けて丸くなった」と言うよりは、球状に加工してから使ったのだと考えます。(擦る事にも使ったように思える)
ここら辺の活用は、流石は職人って感じですね。
糸魚川で「ヒスイを道具として活用していた事実」を自分の目で確認できて嬉しいです。(手を加えた「道具」としてのヒスイの確認)
しかしヒスイの道具以外の活用が見られないのは、ちょっと悲しいです。
道具から逸脱した品を創るのが作家(芸術家)です。
いずれこの地で「ヒスイで制作された創作物」を見る事ができるのだろうか…?
これは「私にとって重要な問題」ってだけの話なんですけどね(笑)。
全く関係ない話ですが、高純度なロディン岩の和名を鶯石(鴬石)とするのはどうだろうか?
翡翠がカワセミならロディンはウグイス…、ちょっと浅はかな考えかな〜(笑)。