作者の思考

糸魚川の底なる玉

2012年12月27日

今年最後の拾い納めとして浜辺に行ってきました。
この日は寒波が来る前の晴れた日だったので、そんなに寒くはありませんでしたが、波は相変わらず強めに打ち寄せていました。(今の時期にしては穏やかな波でしたが)

歩く範囲は限られていたので探し回らず、ただ波を眺めていました。
拾い納めと言っても自分の中での行事のようなもので、拾えなくて当然と思って海に「無事に今年が終わる」って事を報告している感じです。(この時期に不動滝へは行けないんです…)

しかし、しばらくすると明らかに他とは違って光が膨張している存在を確認したので、波の引き際に拾いに行きました。


良く練られた透明度の高い良質の白緑ヒスイの漂石です。
緑色は暗めの青緑っぽい色をしていますが、それが海を映しているようで魅力的です。
今までのサンプルの中でも、このレベルのヒスイを拾えたのは初めてだと思います。(昔に拾っていた愛好家の爺さんは、もっと凄いヒスイを持っていますけどね…)
水に濡れた雪のような質感は、良質ヒスイの特徴と言えるかと思います。


白色の部分には細かいヒスイ輝石が幾らか見られますが、緑色の部分は細密になり溶け合うように混ざり合っています。
画像は載せてないですが、裏側には緑色は入らず白も暗く濁っているのが見られます。
たま、所々に茶色で線状に入った石目がある事など、コンサワの青ヒスイに似た特徴も見られます。(酸化した付着物と言う感じではなく、一体化してる感じです)


青みがかった暗めの緑色ではありますが、光にかざすと全体が美しく輝きます。
この柔らかな緑を見る度に、やがて来る暖かな春を思い出す事ができます。
ヒスイとは「厳しい冬を越え、生命溢れ、期待溢れる季節の到来が約束されている事を再認識させてくれる存在」なのだと私は感じています。

全く期待していなかったので、この出会いはとても嬉しいです。
偶然なのですが必然に思える、何か自然から祝福されているように感じる、これらの感情は人の思い込みなのでしょうが、幻想社会に生きている人類が、現実世界で運命と思える接点と遭遇するのは、とても不思議な感覚で高揚します。(今後も頑張ろう!と思える現実との接点、そういうのは大歓迎です)


今年も色んな方々に支えてもらい、なんとか来年を迎える事ができます。
ヒスイとの出会い、人との出会いは共通していて、とても大事なのだと実感しています。
来年は巳年ですので、年男として攻めの姿勢で創作活動して行きたいと思います。

後は加工納めが残っています…、すごい寒いので火鉢で暖をとりながら進めています。
例の如く「年始の挨拶代わり」としてアップできればと考えています。(ちょっと計画から逸れた作品を制作中ですけど…)


それではみなさん、よいお年を!
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