作者の思考

作品紹介(コラボ作品)

2022年10月19日

今回は、海岸転石によるオーダー作品を紹介します。

十年来のお客さんからのオーダー、自身で見付けたヒスイの海岸転石でのコラボ作品です!(高見澤さんとのコラボ作品)
加工したのは私が「万葉」に分類しているヒスイの転石で、とても美しい深緑と淡翠が交ざり合った魅力的なヒスイ転石です。(そのままでも十分に美しい転石)




その転石の色の濃い部分(左端部分)を切り出して、不定形のルースを制作しました。
転石からのルースということで不定形にしましたが、やや雫形にしてバランスもとっています。
依頼人から「可愛らしく」とのオーダーなので、チェーンは上から2番目のビーズ付きを選びました。




仕上がった姿がこちら、覆輪留めのシンプルなスタイルにしてあります。
裏窓は「幸運の四葉のクローバー」にしてもらいました、二連にすることで花もイメージさせて、努力が花開くよう願いを込めています。(更にビーズ付きチェーンで「実り」も込めています)




このデザインは透過しなくても使えそうです、紫ヒスイなら開花をメインで表現できるでしょう!


当然ながら透過光も楽しめます、二連のクローバーで開ける面積を多くしたのも効いています。(高見澤さんが提案してくれました)
たまに光にかざして、この神秘的な景色を楽しんでもらえたら嬉しいです。




以前から漠然と「プロポーズの際に転石で制作したアクセサリーを贈れたら良い」と思っていたらしく、その時が来たら私に加工をお願いしようと決めていてくれたそうです。(遂に「その時」が来たわけですね!)

こんな有り難いことが他にあるだろうか…、作家冥利に尽きるとはこのことなのでしょう。
なかなかのプレッシャーではありましたが(笑)、身に付ける方への祝福としては満足な作品に仕上がりました。(結果は「神のみぞ知る」です)
今までの二人の時間が答えを示してくれるでしょう、良い結果になることを祈ります!

ちなみに、もっと大きくルースをとったのですが、途中から中央付近でクラックを発見。
どうにも美しくなかったので半分から切断しました…、サイズは小さくなりましたが希望する「可愛らしいアクセサリー」にはなったので結果的には良かったです。
特に目的が重要だったので無傷のアクセサリーに仕上げました、もっとも良い部分で無傷、グレードも申し分ないので、贈られた人はラッキーでしょう(笑)

転石も三分の二くらい残っているので、まだアクセサリーは作れますが「このヒスイ転石で作った」とする証明にもなるので残しておいても良いでしょう。(切断面を下にすれば安定して飾れます)
それに、まずはクラックで切断した方の半分をルースにする方が先でしょう、自分用のリングにすれば同じヒスイ(母石)を大切な人と共有できます!

なんであれ、やっと私が望むカタチでのオーダーを受けられました!
転石のままの魅力も理解していますが、その先に進まないから文化が育たないとも言えます。(中国とのヒスイ文化の差が明確)
いつまでたっても目利きが育たない、技術が育たない、よって活用が育たない、なので買い負けて売り負ける、今の日本の現状の縮図ですね…。

素材に頼って便乗しても知性は高まらない、まさに「慌てる乞食は貰いが少ない」ってやつです。(木っ端だらけだな…)
まぁ、十年以上も言い続けても進まないのだから、これ以降も期待はできないのでしょう。
よって今後も「私は私の仕事をする」ってことで前に進みたいと思います(笑)


世の中への不満は尽きませんが、まずは「思い出をカタチにする」って目的を体現できたことに感謝します。
ありがとうございました、今後もよろしくお願いします!(依頼人は年齢が近かったので、同じ時代を生きられるでしょう!)
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