作者の思考

作品紹介

2022年10月03日

今回は異玉「千変の幼生」と「万化の蛹」を紹介します。

まずは千変の幼生、黒と白が入り混じり、わずかに緑も流れる黒色のヒスイ「叢雲」を用いて表現しました。



千の変化をもたらす(可能性を秘めた)黎明の玉を、テーマにしている作品です。
昆虫好きの私としては「完全変態する生命体を表現したい!」って思いから作り出したカテゴリー(笑)、古代からの「異形」と言われている勾玉との共通点もあるので、その「想いの原点」を受け継いでいると自負しています。(千変は不完全変態も含まれています)

ちなみに、私としては口をつけている事がチャームポイントだと思っています(笑)


次は万化の蛹、こちらも同じヒスイ転石で制作していますが、不思議な事に石の半分から分断されたように表情が変わっています。(下半分からも斜めのラインで分かれていました、よって景色が三分割されたヒスイでした)



万の変化をもたらす(可能性を秘めた)黎明の玉を、テーマにしている作品です。
蛹になる事で完全変態を可能にしています(笑)、これが昇華(生化)して生玉となり、それが進化(神化)して神玉となる、現時点では神玉の国津神が最終形態になっています。(自然と人の融合を表現してます)

しかるべき時を待ち続ける堅牢な器(可能性の器)、そんなイメージを込めて制作しました。


異玉は河口や海岸で出逢った石(ヒスイに限らず魅力的な石)で、作る事をルールとしています。
今回の素材は数年前に姫川河口で見付けたヒスイ転石、黒ヒスイ自体の遭遇率が低いのでお目にかかるのは稀ですが(在っても気づかない事も多いような…)、幸いな事に致命的なヒビ(非なる美)も少なく、魅力的な景色を映す作品に仕上がりました。

光沢は樹脂光沢を目指しました、やはり昆虫のイメージなので脂っぽい光沢が似合う気がします。
時々、ラッカー塗装と間違える人もいるようですが、熱湯やキッチンハイターなどで確認できるので試すのも良いのかもしれません。(玄人になると手触りで分かるようになります)

異玉の魅力は「素材をヒスイに限定しない」って事にあるのかもしれません。
個人的には蛇紋岩が好きなので、質の良い素材を選んで作るのも楽しいでしょう!

ちょっと原点回帰ができなような気がした時間を過ごせました〜。
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