作者の思考

ヒスイ日和(皐月の壱)

2020年05月06日

5月に入り一層と気温が上昇してきました。(先日は真夏のような気温となり海で泳いでいる人もいたくらいです(笑))
美山公園の牡丹桜(八重桜)の並木は見事で、本来なら多くの人の目を楽しませたのでしょう。(地元の人は知らなかったりするけど…)
連休明けには少しずつ賑わいが戻れば良いのですが、「人との関わりのリスク」が高まっているので、規模を考えて進めたいと思います。

それでは5月一回目の探石記録を書きます。

まずは四月最後の日から、誕生日プレゼントを求め?河口へ探石に出かけました(笑)
気温が上がった事で雪解けが進み、山側の空は霞みに包まれたような景色でした。(4/30)




浜は波が短くて非常に弱く、とても歩きやすく探しやい環境でした。
波打ち際の数歩奥の水底も見える状態、環境としては久々のベストな状態でした。




歩きやすさから普段よりもペース速めで歩き川との合流点に到着。
川の流れは強くありませんが水量は豊富、多少の濁りはありますが「ヒスイ色」として例えられる美しさは見られました。(山々からの天然水で満たされている感が強かったです)





この時点で見付かったのは緑色石英(キツネ石)1個、オンファス輝石1個、バラ輝石1個、ピンクゾサイト(灰簾石)1個、鶯石(ロディン岩)3個、ヒスイ転石1個です。



緑色石英は珪化が強め、何かしら加工できると思います。(磨きは優先しない)
特に発色が良く珪化の強そうなタイプを集める事にしています。

オンファス輝石は滑らかな感じ、でも面白味に欠けるので海に返しました。(加工素材としても、飾石としても中度半端な感じでした)

バラ輝石は小さいサンプルをゲット、識別用(確認用)などに使えそうです。

ピンクゾサイト(ピンク色を示す灰簾石)は通常よりも質が弱め、母石が大理石だからかな?
透明感はあるけど発色が明るくないタイプ、この手の石は「雲母の成分による紫」を示す事が多いので、それと多少混ざったりしているのだろうか?(硬度も低めだし)

鶯石(ロディン岩)は黄緑を示すタイプ、小さいのでサンプルとして活用します。
蛇紋岩(クリソタイル?)の部分は凹んでいて、その部分の艶は良くなりません。

ヒスイ転石は平べったく波の影響を受けやすい形、天然のプレートになっていて加工した方が良い姿形をしてます。(ちょっと小さいけど)
姿からして「ヒルコ神」と言うよりは「カグツチのカケラ」でしょう、でも少し質が粗いタイプで、正方形のヒスイ輝石がチカチカして「ややアルビタイトに近い印象」を個人的には受けます。(でも加工すると硬くて艶が出る)


折り返して今度は乾いている浜辺を探石、先日まで波が押し寄せていた形跡がありました。
そこでイザナミ(海)から「金色の花束」を贈られました!(イザナギ(川)からなのかな?)



見事な金華石、前回よりも大きく瑪瑙が多めで晶洞まであります。
母石は頁岩かな?(チャートなのかな?)、そこに黄鉄鉱を含んだ玉髄(瑪瑙)が流れて分断した感じだろうか、黄鉄鉱が多すぎて華と言うよりは花束だ(笑)、とても重く満足する手応えです。

この歳になると誕生日は嬉しくないですが、「神々(自然)から祝福してもらったかのように錯覚できる体験」は、私にとっては嬉しく魂から力が湧き出てきます。
悩むのは活用の仕方で、このまま姿石で飾るのか、表面を磨いた方が良いのか、輪切りにして磨くのが良いのか、なかなか難しいです。
まぁ、焦らず飾りながら考えたいと思います。


満足して残りの帰り道(波打ち際)を歩いていると、透明度を増した水底に膨張する光を発見。


見た瞬間にヒスイだと解りました(笑)、すかさず手に取ると見えていた部分より砂利に埋もれていた部分の方が多く、思っていたよりも大きなサイズでした。

特徴からして碧ヒスイに分類するタイプ、オンファス輝石に近くなるタイプですが鉄分が少ないのか強い青銅色ではありません。
石質は良い(角張が強い)けど透明度が低め、石英の脈が入る事が多く、右側部分はその石英脈から割れているのが見て解ります。(でも昨日今日で割れた練度ではない)
なかなか興味深いサンプルとなりました、糸魚川ヒスイの種類として後々に伝えられると思います。(識別のサンプルになるかと)

駄目押しのヒスイ転石でお腹が一杯(笑)、この日は大満足して帰りました。


私個人としての「歳の初め」は幸先の良いスタートになりました!、経済的にはガタガタで最悪(世の中も)ですが、その中でも光明を見出して願う未来へ進みたいと思います。

これで今回の探石記録を終わります。
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