作者の思考

ヒスイ日和(弥生の六)

2020年03月23日

3月も後半となり、未だ売上げ回復の先行きは見えませんが、再生の季節の訪れは肌身に感じます。
どうあれ「やれる事をやるしかない」ので、私が夢見てきた未来に向けて進もうと思います。

それでは3月五回目の探石記録を書きます。

朝から気温が上がり快晴となったので、押上の海岸へ探石に出かけました。
春の訪れを強く感じる陽気、気分も高揚して細胞が目覚めるようです。
海には数人が訪れていて、石拾い・釣り・日向ぼっこなど、それぞれに楽しんでいました。(数日前に海が荒れたようで、入口付近には流木が散乱していました)





浜の状態は石が押し上がり歩き辛かったですが、波も風も弱かったので探しやすかったです。
大きめの石も上がっていて、探し始めから集中して探す事ができました。




一通り歩き折り返し地点に到着、こっちは珍しく小砂利が多くなっていました。
思わぬ障害(ホタルイカの死骸)があり、波打ち際だと「透明度の高い玉髄」に見え、日干しになっているのは「良質な茶色の瑪瑙」に見えて何度も確認しました(笑)




この時点で見付けたのは、大きめの流紋岩?1個と石英斑岩(薬石)5個。


大きめの流紋岩?は礫岩っぽくも見えますがどうなのだろうか?
どっちにしろ面白い石ではあります。(重かったので海に返しましたが…)

石英斑岩は薬石タイプ、もう「薬石斑岩」と略しても良い気がします(笑)
面白くて美しい紋様を選んで拾いました。(サイズ感も丁度良いし)


次はネフライト3個と、瑪瑙とチャート?が混ざっている石を発見。


ネフライトは通常タイプ、やや石質が不安定な気がしますが触り心地は滑らかです。(角閃石には様々な種類があるようです)

瑪瑙とチャート?が混ざっている石は綺麗の一言、磨けばこの状態を維持できるのだろうか?(と言うか、ジャスパーとは言えないのだろうか?)
このまま首飾りにできる姿形なので、ちょっと試してみようかと思います。


帰り際にヒスイ転石とネフライトと鶯石(ロディン岩)を発見。


ヒスイ転石は白ヒスイで、表面に翡翠輝石がキラキラと輝きます。
このタイプは石英の脈が見られるのが特徴で、光沢よりも翡翠輝石を示す事が多いです。

ネフライトは非常に良質なタイプ、太陽光で透けているので見付けた瞬間はドキッとしました。
群を抜いている透明度と石質(色も綺麗)、加工すれば綺麗に仕上がるかと思いますが、世の中には似通った品が溢れているので転石のまま持っていた方が良いのかもしれません。(このまま磨いても良いかも)

ロディン岩は鶯石タイプ、初心者は間違いなくヒスイと間違えるでしょう(笑)
しかし珍しい石である事は変わりないので、間違って拾ってもガッカリしなくて良いです。(ヒスイは改めて拾えば良い)


今回も楽しかった〜、陽気はまさにヒスイ日和でした!
ただ探石を楽しんでいる人とも少し話したのですが、「ヒスイが欠片も無い」と嘆いていました…。
確かに少ないと感じたし、浜の状態が押し上がり過ぎてヒスイ転石が下に埋まっている感じがしました。(あくまでも感覚的な印象と経験からの「予想」です)

再び荒れてイザナミ(海)が、石たち(広い意味でのヒルコ神)を引き戻してくれるのを待つしかないかと…。
その後に私たちが心待ちにしているヒスイ転石(ヒルコ神(日を留める子の神))が姿を現すかと思います。(イザナミ(海)が手放さないかな?)

こればっかりは運なので、その時を気長に待ちましょう。


そう言えば先日、鉱物にとても詳しい青年と知り合いました。
年齢は私が糸魚川に移住した歳と同じ、元々は糸魚川出身のようで最近まで転勤していたそうです。

これも何かの縁と思いお互いのコレクションを見せ合いながら、私が「疑問に感じている鉱物」の答え合わせもしました。
双方とも完全な答えとは言えませんが(分析していないので)、認識を合わせる事は重要なので有意義な意見交換になりました。(鉱物コレクション(国内・国外)も素晴らしかった!)

結果として私が予想していた答えとほぼ同じでしたが、より詳しく知れた事と、かなり奥が深い事も解りました。(なかなか勉強になりました)

一番の悔いは、以前にピンクゾイサイトとしていた石の中に「バラ輝石」に似ている石があったのですが、似ているのではなく「バラ輝石そのもの」だったようです…。
潜入観念と言いますか…、疑う事を重視した結果が裏目に出てしまいました。(糸魚川にバラ輝石は無いだろうという観念、バラ輝石は塩尻方面にあると言う観念)

どうりで似ている訳ですね、だって「そのもの」なのだから(笑)
これによりハッキリと解った事もあり、昔にピンク翡翠と言っていた中には「灰簾石(マンガン量が足りず桃簾石に成りきれなかったけどピンク色を示すピンクゾイサイト)と、桃簾石(マンガン量が足りていてチューライトになった灰簾石の派生)と、バラ輝石(表面に翡翠輝石に似たキラキラが確認できる灰桃〜灰紅のバラ輝石)がある」って事です。

それがこのタイプ、気になる石だったので拾っていました。



糸魚川でもバラ輝石は珍しいようで、サンプルを集めるのは難しいのだそうです。
知らず知らずに大きめのサンプルを手に入れていたのはラッキーでした、今後は間違える事なく識別したいと思います。(一時の恥ってやつです、もう憶えました(笑))

なんであれ頼もしい人材に出逢えました、私は鉱物学者ではありませんが可能な限り石たちの情報は憶えたいと思います。
答え合わせが出来る人が増えた事は未来の力となり、石のまちとしての底力となるでしょう。(若者(私より年下)というのも幸いです)

今年は試練の年になりますが、その中でも力を蓄えたいと思います。(お金の力が弱まるのなら、人脈という力を得たいと思います)


これで今回の探石記録を終わります。
ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット