作者の思考

ヒスイ日和(師走の弐)

2019年12月17日

この間までは厳しい寒さが続きましたが、ここ最近は天気が悪くても日中で10℃を越える日が多くなっています。
意欲的にも作業的にも大助かり、特に寒さに弱くなってきている(年々弱くなってる)ので、この機を逃さずに計画を進めていきたいと思います。(今まで通り「自己完結する領域の発展」と、「他者と共有する場の開拓」を同時に進めています)

それでは12月二回目の探石記録を書きます。

この日は久々の快晴、冬場では滅多にない陽気なので押上の海岸へ急ぎました。(12/16)
訪れている人も少なく(ほぼ釣り人)、浜を独占しているような気分になれるのが嬉しくなりますが、残念ながら左側は砂だらけでした…。





よって久々に右側の浜辺を探石、午前9時頃の太陽光は黄色みが強く、後方から照りつけるので探しづらいです。(テトラの影があるのが救いでした)


風はとても弱く石も多い環境でしたが、押し寄せる波が長いので探せる範囲が限られました。
石が全体的に濡れているので「安全地帯は無い」と確認し、慎重に歩きました。
ただ、波は長いけど強くなかったので引き込まれる危険は少ない状態でした。(濡れるか濡れないかの差だけです(笑))


普段よりゆっくりと歩きながら折り返し地点に到着、こちらは砂が多めに上がっていました。
どうもヒスイが在りそうな感じがしなかったので、特に紋様が面白い石をメインに探しました。




と、言うわけで、この時点で見付けた面白い石たちです。
右の2個が石英斑岩で、残り3個が流紋岩、幾つか拾った中でも魅力的な紋様を備えています。


右端の石英斑岩は三色団子みたいに綺麗に色が分かれていて面白い、あまり見かけないタイプだと思います。(色の起因は何なのだろうか?)

残りは石英斑岩であっても流紋岩であっても、揺らめく紋様が魅力的で見ていて飽きないです。
ちなみに石英斑岩と流紋岩の違いは「石英の斑点の多さ」だけのようで、基本的に母体は同じ成分なのだそうです。(石英斑岩は名前からして想像が付きますね(笑))


撮影を終え歩いて来た浜辺を戻り、もっと面白い石との出逢いに期待しながら探しました。
そんな中で見付けたのは、ソーダ珪灰石2個、ネフライト1個、玉髄1個、シーグラス1個、ロディン岩2個、流紋岩(石英斑岩?)1個、ピンクの石灰石1個です。


ソーダ珪灰石はロディン岩と同じく「最もヒスイに間違える石」だと思われます。
特に白ヒスイと間違いやすく、ヒスイ輝石岩やオンファス輝石やブドウ石とかと混ざっている事があるので、より紛らわしく感じます。(でも表面にヒスイ輝石は見られず、幾重にも白い線が見えたり、黒い小さな点が入っていたりします)

ネフライトは透明感がありサイズも丁度良いので、磨いて活用します。

玉髄も磨いて活用する、贅沢を言えばもっと紋様が欲しかったな〜。

シーグラスは瓶に入れて飾り用、季節を問わず見る者を癒してくれます。

ロディン岩は滑らかタイプと閃石類と混ざるタイプ、滑らかタイプは滅紫が混ざる事があり、やはりザクロ石の成分が入っているのだそうです。
透輝石も含んでいるらしく、これも紫の要因として考えられるそうです。(でもイメージ的にザクロ石の方が納得できる気がします(笑))
閃石類と混ざるタイプは黄緑よりは緑を示す事が多く、石質はあまり良くないです。(閃石類の方が多いからでしょう)

流紋岩は紋様が良い、所々に石英の斑点が見られるので石英斑岩だろうか?、でもちょっと斑点が少ない気もするな…、イメージ的に合う方の名前で呼ぶとします(笑)

ピンクの石灰石は綺麗だったので拾いました、石質が安定している感じなので磨けるかな?、試してみても面白そうです。


探す石の範囲を広げて夢中になっていたら2時間が経ちました(笑)、これなら「一日中楽しめるな」と感じながら、午後の仕事(加工)に備えて帰る事にしました。
探し初めに比べると浜は歩きやすくなっていて、「やっぱり午後にくれば良かったかも」と思いましたが、十分に楽しめたので良しとます。(太陽光も充電できたし)




そう言えば「珪孔雀石の類?」と思われる石を分析してもらいましたが、青緑の要因は解らなかったそうです。(あまりにも微量過ぎるので、もっと性能の良い分析機械が必用なのだそうだ…)
成分としては石英・斜長石・カリ長石・マンガン鉱物・粘土鉱物が出て、母体は流紋岩なのだそうです。
結果からして「発色は粘土鉱物が関わっているかも?」って感じでした、これに銅が含まれているなら珪孔雀石と言えるのでしょうね。(今のところ「緑に色づく流紋岩」で良いでしょう(笑))

キツネ石の緑の起因もニッケルが有力ですが、どうも確実では無く不明な点が多いとの事でした。

そう言えばヒスイの翠や紫や青の起因も完全には解明されていませんね、まぁ「神のカケラ」なのだから当然だな(笑)
「完全には解らない」って事が、どれだけ人間にとって重要な事なのかを認識する良い例だと思います。

なので資源として完全に支配する事は無理(無駄)、「全てが神々のカケラなのだ」として向き合えたのなら、今よりは豊かになるでしょう。


話が長くなりましたが今回の探石記録はこれで終わり、この日以降は雨の予報なので加工に専念したいと思います。(自分との闘いが始まる(笑))
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