作者の思考

ヒスイ日和(長月の弐)

2019年09月09日

土日は台風の影響により気温が真夏に戻りましたが、豪雨や強風の被害はありません。
現在は気温も落ち着いてきましたが、やはり日中になると厳しい暑さとなります。(台風の被害がなかっただけでも幸いだと思います)
ピークは超えましたが、くれぐれも熱中症には気を付けて過ごして下さい。

それでは9月初旬の探石記録を書きます。

お馴染みの押上の海岸、この日(9日)は午前中に依頼の加工を行い、探石には午後1時頃に訪れました。
午前中は晴れと曇りを繰り返していましたが、午後になると快晴となり一気に気温も上がりました。(暑かった〜)





先客は少年(中学〜高校生くらい?)が一人、日傘を立てて砂利を掘っていました。
波は強めでしたが速くはなく、前回同様に砂利が多く押し上がっていました。
見渡す限り小砂利、これは「小さなヒスイ転石を探すしかない」と思い歩きました。




歩けども歩けども小砂利ばかり、見やすいし密度も高いので歩きやすかったですが「何もない」って事も解りやすいので、見付からないと退屈します(笑)
やっと折り返し地点に到着、今度は自分の影を追うように浜を歩きます。




左側の浜を一通り歩いて、石英多めのキツネ石1個、玉髄3個、シーグラス2個、ロディン岩2個、ヒスイ転石2個を見付けました。


石英多めのキツネ石はクリソプレースと言えるのだろうか?、ちょっと質が悪いので艶は出ないでしょう…。(何かが違う気がするが…)

玉髄は氷みたいなの1個がとても綺麗、暑いので舐めたくなります(笑)
ちなみに、これは水晶と呼んだ方が良いのでしょう。

シーグラスは通常タイプ、もっとあるかと思ったのですが2個だけでした。

ロディン岩は黄緑が流れるタイプで、見本として活用すると良いかと思います。

ヒスイ転石は左のに緑が入っていて解りやすい、でもこのタイプは翡翠輝石が際立たないので磨いた方が良いかと思います。(もう1個の小さい白ヒスイも磨こうかな)


次は海岸の右側、こっちはもっと小さな砂利と砂が押し上がっていました。
海岸に下りてくる人が4〜5人ほどいましたが、この暑さに耐えきれず数分で引き上げて行きました。(これに懲りずに、涼しくなったら遊びに来てね)




一通り歩き、透明度の高い玉髄3個を見付けました。
左のは「水晶」って感じだろうか?、石英の分け方(呼び方の分け方)は難しい時がありますね(笑)


一応、白〜半透明で艶がないのを石英と呼び、透明度が一定以上で艶がないのを水晶と呼び、半透明〜透明で艶があるのを玉髄と呼び、その上で縞模様があるのを縞瑪瑙と呼んでいます。(海岸転石なので完全に透明な石(艶を備えたまま透明な石)は無いですが…)
まぁ、全部が石英ですけど、イメージ的に伝わりやすい名前で呼ぼうと思っています。


そろそろ帰ろうかと思いながら波打ち際を見ていると、僅かな光の膨張が見えたり隠れたりするのに気が付きました。
半信半疑で「その光を放つ場所」に手を伸ばし、一部分しか出ていない石を掴み出してみたところ、それは淡紫が入った大きめのヒスイ転石でした!



所々に不純物(沸石?)が抜け落ちた痕が見られ、紫ヒスイの特徴を多く示しています。
微細な翡翠輝石もキラキラと輝き見本としては優秀ですが、ちょっと大きめなので「飾り石を兼ねた文鎮」でも良いかもしれません。


と、言う事で海水に濡らした状態にして確認、艶を出しても良い感じになりそうです。


後は茶色の部分(不純物が抜けた部分)ですが、洗浄するか、削り飛ばずか、悩むところですね…。
とりあえず自然な姿を優先して「そのまま」を基本にし、削らずに磨こうかな。(底が平らで座りも良いし)
加工素材としても活用できるサイズなので悩みます、もっと錬磨が進んでいたら「海岸転石(標石)」として一切手を付けなかったでしょう。

このヒルコ神(ヒスイ)から異玉を作っても良いなぁ、中身が気になるなぁ、様々な興味をもたらすヒスイ転石と出逢えました。(しばらく眺めながら活用を考える)

また出逢いを求めて浜辺を歩きたいと思います。
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