作者の思考

ヒスイ日和(葉月の伍)

2018年08月30日

8月も終盤となり、久しぶりに雨が降り続く日々となりましたが、幸いにも水害を起こす程の雨量ではありませんでした。
今までの日照りで乾いた奴奈川の大地には恵の雨となったようです。

それでは8月最後の探石記録を書きます。

朝から雨が降っていたので午前中は加工に専念し、午後になって晴れ間が出たので、久々に押上の海岸へ行きました。(8/29)
この間のような大荒れでなくて良かった〜、数人が海に訪れていて雨上がりの浜辺を楽しんでいました。(ヒスイ探しをしていました)




浜の環境は砂が多く、短く速い波が探石を困難にしていました。
自然光も乏しかったので期待していませんでしたが、歩いていると次第に青空が広がり小石の多い浜辺が現れました。(一気にやる気が出ます(笑))





しばらく歩くと押上らしからぬ角張が強いヒスイ転石を発見。
一度目は波で見えなくなり、その20秒程後に再び現れたので周りの小石ごと握って拾いました(笑)
練度は低いですが錬磨は高いので、この押上で艶やかに仕上がったのだと思われます。




更に歩くと今度は押上らしいヒスイ転石を発見、錬磨も練度も良くツルツルの肌をしています。(非常に滑らかな肌)
ヒスイ輝石が微細だったので、太陽光下で確認してヒスイだと確信できました。(曇っているとロディン岩との区別が難しい)




そんなこんなで上のオンファス輝石2個、ヒスイ転石5個を拾いました。
押上での転石は鉱物見本として活用できるサイズと質感が多いので、河口とは違った楽しみ方があります。(なかなか集まりませんが…)




こちらは軟玉、上と左と左下はネフライト、右は緑閃石(鉄分を多く含んだアクチノ閃石?)、右下はアルカリ角閃石岩でしょう。
どれも乾くと白っぽくなるので、ヒスイ(硬玉)との硬度の差が見て解ります。




最後は上のロディン岩4個と下の玉髄3個です。
ロディン岩も玉髄も石質が良いと乾いても白くならないので、そういった転石を主に拾います。(ネフライトにも白くならない「硬質タイプ」が在ったりする)




帰り際には晴天となり、海へ訪れる人も増えてきました。(上越側には雨雲が見られ、やや空が暗くなっていました)
海側は秋の雲が広がり、山側は夏の雲が浮かんでいて、何とも面白い空となっていました。(帰る頃には気温が上がって暑かった…)



ちなみに海に訪れていた人(おばさま2人)の石を識別し、ヒスイだけじゃない楽しみ方(薬石が最も効果的)を教えて楽しんでもらいました。
当然ながらヒスイの説明は私が拾っている場合は見せながら説明できますが、拾っていない場合は言葉だけなので伝わり難いです。(今回は見せながら説明できました)

一応、転石見本も売っていますので、活用して下さいね。(と宣伝してみる(笑))



押上は久々でしたが楽しく探石できました。
遊び(気晴らし)のようでもあり、仕事(データ収集と素材やサンプル集め)のようでもある、もう昔のような趣味での遊びには成り得ませんが、心の豊かさを養う事に変わりはないので私には必要不可欠となっています。

これらのカケラから何を見出し、何を未来に伝えるのか、それは遥か古代から繋がれた記憶に刻まれているのでしょう。

石たちに刻まれた記憶を辿り、古代人の意志を継ぎ、自身の表現をもって創作を成す。

自分の理想をどこまで体現できるのか…、楽しくもあり苦しくもある「人生そのもの」って感じがするは私だけではないのでしょう。

よ〜し、40代も頑張るぞ〜(笑)
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