作者の思考

ヒスイ日和(弥生の伍)

2018年03月29日

3月下旬となり暖かい日が続くようになって、動植物も活動的になってきました。
山菜の季節でもありますので、これからは鉱物と山菜を同時に楽しめます。(花粉は辛いですが、この季節(陽気)を楽しまないのは損)

それでは、3月中旬〜下旬の探石記録をまとめて書きます。
まずは姫川河口から、空は晴れていますが山は水蒸気で霞んでいます(3/13)
まだまだ雪が残っていますので「花粉の待機組」は、その時をじっと待っているのでしょう(笑)




いつものように歩き、まずは1個目のヒスイ転石を発見。
僅かですが淡い翠も入っていて、それが確信に繋がりました。(最初はチャートかと思いました)
乾くと表面にヒスイ輝石が見られますが、チャートにも石英によるキラキラが見られるので、区別が難しい程に似ている場合は家に帰って蛍光灯下で再確認するのが良いです。




次は一目でヒスイと解る転石を発見!
灰色の地ですが、美しい緑が多く入り石質もしっかりしています。(練度は良く、錬磨は浅い感じ)
ちなみに、これは私ではなく親父が出逢った転石、最近は親父の方が良いヒスイ転石に出逢っている気がするが…(まぁ良いけどね(笑))
一度見た場所を折り返す時に発見したようで、偶然の産物ではありますがその出逢いには感謝しかないでしょう。






次の日も姫川河口、前日の親父の成果にあやかろうかと思い行きました。(3/14)
1日しか経っていないので山の景色は変わらず、普通に霞がかっています(笑)




一通り歩き、蛇紋石1個、オンファス輝石1個、玉髄(水晶が多い)1個を拾いました。
オンファス輝石は石質が良いので加工に最適で、玉髄はこの前の大きな玉髄の欠片のようにも見えます。(蛇紋石は帰り際に戻しました)


しばらく探しましたが見付かりませんでしたので、今度は押上の海岸へ行きました。


浜は歩きやすい状態でしたが砂利だらけ、海岸の左奥へ行くと波打ち際が坂のように押し上がり探す環境としては良くありませんでした。



ちなみに、この日はホタルイカが大量に打ち上がっていて近所のおじさんが袋一杯に集めていました。(普通は夜からのようで、日中では珍しい事なのだそうです)


そのホタルイカだらけになった左奥の浜を歩いていましたが、どうにも拾える状態ではなかったので高く押し上がった砂利部分を見ながら戻りました。
すると僅かにヒスイらしい石が埋まっていたので、期待半分で掘り出すと僅かに紫が入った大きめのヒスイが出てきました。



こんな上まで打ち上がっているとは…、一部が出ていたので気が付きましたが、見えなければ踏んづけて歩いているのでしょうね。
きっとそういったヒスイ転石は海岸では多いのだと思います。(だからと言って端から掘り返すのも節操がないかと)


表面が乾いても艶やかでツルツル、ちょっとした光沢も見られます。
これが押上の水準、錬磨においてこの海岸は最高のように思えます。(絹肌って感じ)


最初が押上の海岸での採取だったので気が付きませんでしたが、河口や青海の海岸での探石を経験すると錬磨の違いが明確に解ります。
これでヒスイ自体のグレードが高ければ「最高の海石(標石)」となるのでしょう。

グレード・練度(姿形)・錬磨(肌質)の三拍子が揃えば、人が手を加えられない「もう一つの神の領域」を楽しめるのだと思います。(人が手を加えた神の領域も在るので)

今月も楽しく探石ができて良かった、自然に感謝したいと思います。



話は変わり、丸玉ブレスを作ったので紹介します。
紫(開花)と青(流青)の10mm玉に、9mmの白翠(翠雪)玉2個を合わせました。
四方のカット玉には淡い色のローズクォーツを使い、それらを水晶玉で整えています。


同系色で春らしさを強調したので、雪解けの季節を感じてもらえたらと思います。(似合う人が買って下さいね)
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