作者の思考

ヒスイ日和(文月の四)

2017年07月20日

日に日に夏の日差しが強まる中、押上の海岸へ転石を探しに行きました。

この日は晴天で、サウナの様な気温と霞がかる水平線が夏を強く感じさせます。
平日だったので海水浴を楽しむ人も2〜3人程度で、静かな浜辺を歩きました。





変わらず波も穏やかで見やすい環境でしたが、それなりに荒れたようで浜辺は石たちが押し上がり、とても歩き辛い状態でした。(斜面を歩く感じです)




最初は目を凝らしながら歩きますが、その内に熱気などでボーっと考え事をして歩くようになります。
でもそういう時に限って、光の膨張が目について現実に戻されるのです(笑)


今回も小さいですが淡い翠が入ったヒスイ転石を発見!
このタイプは海岸で見付けると、明確に他の石との違いが解ります。(別格なので在れば誰でも解るでしょう)
白地が非常に綺麗なので、光の反射(膨張)もハッキリしています。(レア度は4くらい)
大きなサイズとは簡単には出逢えませんが、存在している事は間違い無いでしょう。


そんな感じで探し、最終的にヒスイ転石5個を拾いました。


上の灰色ヒスイには少し緑が入っていて肌も滑らかで、翡翠輝石はあまり目立っていません。
右下は淡い紫が少し入っているタイプで肌は滑らか、その下の白ヒスイは翡翠輝石がキラキラ輝くタイプです。
左の白ヒスイも翡翠輝石がキラキラと輝きますが、自然研磨の年期不足なのか押上の海岸で拾えるヒスイとしては肌が粗いままです。
一番下はさっき紹介した良質の小さな淡翠ヒスイの転石(カケラ)です。


次はネフライト4個です。
上の2個は既に光沢が出ていて良質、下の2個は硬度が少し劣るのか艶が見られません。
ネフライトにも純度があるのでしょう、不純物による影響だと思われます。
軟玉と呼んだ方が大きな意味合いとなるので、良いのかもしれません。(磨くと区別は難しい)




最後はロディン岩とオンファス輝石と玉髄です。
紫色に染まるロディン岩は珍しく、光沢も出ているので硬いタイプだと解ります。
オンファス輝石も光沢を示し、艶やかな状態で落ちていました。
玉髄は縞模様が見られ、質感や透明度も良い状態でした。(乾いてもパサパサしない)


ちなみに、ず〜っと気になっていた鉱物の事を聞ける機会があったので解消してきました。
たまに石英(結晶変岩とか)などに入る肌色の部分は、やはり桃簾石なのだそうです。
糸魚川の桃簾石は灰簾石が多いと聞いた事がありますが、私が「桃簾石の類ですか?」と訪ねたところ、「桃簾石です」と断言したので桃簾石なのでしょう。(正直、私としては「桃」でも「灰」でも良いのですが(笑))

また、今回のようにロディン岩に入る紫色の部分を訪ねると、その部分は「ザクロ石」になるそうです。
一般的な形状(多面体)のザクロ石では無く「ペースト状のザクロ石をロディン岩に練り込んだ感じ」なのだと思われます。(要は成分が一緒と言う事ですね)
これは最近分析して解ったとの事で、やはり紫色(ザクロ石)が混ざるロディン岩は珍しいようです。
重さも基本より重く感じる(私は)のですが、ザクロ石も重い鉱物と言う事なので、それが理由なのかもしれません。(推測)
ロディン岩自体も重い鉱物なので、石質によって差があるだけかもしれませんが、紫色(ザクロ石)が混ざるタイプのロディン岩は石質が良い気がします。(ヒスイと間違える程に安定している感じがする)


なんであれ気になっていた事が解って良かった〜。
これが今後の創作に関係する訳でも無いのですが、より転石拾いを楽しめるようになるのは嬉しい事です。
本当なら自身で分析して経験則と出来れば最高なのですが、ここは知識のレベルに留めて「創作に必用とする経験」を積んで行こうと思います。(鉱物学者では無いし…)

黒色の電気石(成分)が入る流紋岩(石英斑岩)もあるので、探してみると面白いかと思います。(黒マジックで付けた点の様に入ります)
特に綺麗な石と言うわけでもありませんが、薬石(石英斑岩)に電気石が入っていればお風呂に入れた際の効果も倍増しそうな気がするでしょうね(笑)

後の活用を楽しめるよう転石拾いするのも面白いかと思います。(ルールは厳守!)
ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット