作者の思考
海での転石拾い
2016年12月27日
日頃の寒さが和らぎ小春日和となったので、久しぶりに押上の海岸へ行きました。
この日(19日)は快晴ではありませんでしたが、気温は高く冬を忘れさせてくれる天気でした。
海辺には数人の釣り人も訪れていて、この日和を楽しんでいました。(平日の午前中なので、お爺さんだけでしたが(笑))
まずは左側の海岸へ行きました。
こちらは石たちが押し上がって坂のようになっていて、ヒスイを探すのには難しい状態となっていました。
こうなると新たに上がってくると言うよりは、下から出てくる方が可能性は高いかもしれません。
しばらく歩いても何も見つからない…、玉髄や軟玉でも良いのですが出逢えません。
これも運だからなぁ〜、と考え事をしながら歩いていると、僅かにボーっと光る発光に気が付きました。
直視してもその発光を感じたので、小石たちの下に在った「それ」を手に取ると、間違いなくヒスイでした。
なかなか良い発色のヒスイで、小滝から出るタイプのヒスイだと思われます。(私が万葉ヒスイ・芽吹ヒスイと呼んでいるタイプのカケラでしょう)
このタイプは石質が少し柔らかいですが、その代わりに発色が良いです。
ヒスイ輝石もキラキラと輝くので、艶消し仕上げをしても魅力的な姿になるタイプのヒスイです。
この出逢いにより目が覚めて、やる気が出てきました(笑)
そうして拾えたのが良質のネフライト2個、玉髄1個、小さくて綺麗なシーグラス3個(笑)、です。
シーグラスは集めて飾っているだけですが、ネフライトと玉髄は磨いてみようと思います。(シーグラスは磨いても元のガラス片に戻るだけだし(笑))
戻り際に見付けたのは面白い模様と、幾つかの丸い穴があるチャートです。
通常のチャートよりも石質が良く滑らかで、ジャスパーの部類なのかもしれません。(きっと赤石や赤玉石の系統なのでしょう)
このタイプも珍しいので、持ち帰り楽しみたいと思います。(まずは飾って楽しむ)
次は…、流紋岩?、それとも石英斑岩?、です。
流木のような模様が面白かったので拾いましたが、見た目の印象は流紋岩(流れる紋様の石)です。
所々にポツポツと空いている穴に石英が入っていたのなら、石英斑岩なのでしょう。
まぁ、普通に薬石と呼ばれている鉱物なら石英斑岩ですね(笑)、流紋石英斑石とすれば見たまんまで解りやすいと思うのは私だけだろうか。(岩と言うより石の印象も強いし)
と、どうでも良い事を考えながら持って帰ります(笑)
最後に右側の海岸へ行きました。
こちらは小砂利が上がっていて、左側同様に難しい環境でした。
それでもヒスイと出逢えた現実があるので、環境に応じた探し方をしてみます。
こういう環境では小さなヒスイを探すのがベスト、しかし小さいとロディン岩(鴬石)との区別が難しいので、とりあえず最初は「乾かして艶が出る白くて角張った小石」は全て持ち帰るのが良いでしょう。
そうして見つけたヒスイの小石たちです。(ロディン岩含む)
右上のが質が良いヒスイで、左下のは発色が良いロディン岩(鴬石)です。
こんな小さいヒスイ(ロディン岩含む)を拾ってどうするのか?、と言う疑問もあるかと思いますが、小さなヒスイの小石だけを集めてビンに入れて置くと魅力的な飾りとなります。
どうも男は「大きさ」に拘る人が多いようですが、あまり大きいと置き場所に困り、最終的な処理(処分)にも困って「無用の長物」となっている老人を何人も見ています。
なので、加工技術が無いのなら小さめのヒスイを集めるのが良いかと思います。(加工技術があっても、加工用の素材は購入した方が便利だ)
でも男が大きさを求めるのは性(さが)なのかもしれませんね。(ちょっと下品な話ですみません(笑))
それはそれとして、こちらはさっきより少し大きめのロディン岩の転石です。
日光が黄色いので印象が違って見えますが、同じ環境下で撮影したヒスイの小石と比べると発色の違いが解るかと思います。
本来は黄緑が「綺麗なロディン岩の特徴」ですが、さっきの左下にあったロディン岩の小石のような明るい黄緑ではありません。(若干、濁っています)
でも非常にヒスイと間違いやすいので、確実に分別したいのなら解る人に聞くか相応の機関で分析するのが良いでしょう。
綺麗な石には変わりないので、魅力ある石は大切にしてあげると良いかと思います。(個人的に)
この日は、こんな感じで探索を終えました。
そう言えば以前に小さな良質のヒスイをくれた、ヒスイ好きのお爺さんに出会いました。
私よりも早く海岸に来ていたようで、結構な量のヒスイ転石を拾っていました。(相変わらず石英や長石なども集めていました)
その中には切断されたヒスイもあって「誰かが捨てたのだろう」と言っていました…。
切れ端を海に捨てるなよな…、でも初めての人が拾ったら嬉しいのかな…。
以前には宮崎海岸でも切れ端を撒いている者がいたし、人集めとしてやっているのか、処分として捨てているのか、その両方なのかよく解らん。
でもそれを目当に来る者では、観光は成り立たないのが現実と言えるでしょう。
面白いのは縄文時代の遺跡からも端材は出ていて、柱の穴に埋めていたりしてありました。
大きな樹の根本にも集められていた形跡もあって、これは「捨てた」と言うよりは「一カ所に集めていた」と考えた方が良いのかもしれません。
しかし「処分に困った」って事には違いは無く、ある程度の敬いは感じられますが、人間の都合を優先しているようにも感じます。
これが水晶で在れば、玉にして柱の穴に埋める文化があるようですが、ヒスイは端材を埋めただけ…。
時代が違うからとも言えますが、磨製石器を作っていた時代なのだから、何かしら手を加えたヒスイの品を埋めれば良いのに…。
そういった遺跡もあるのだろうか?、私が経験した遺跡が「そうだった」ってだけなのだろうか?
もしかしたらヒスイの扱いが厳しくて、残った端材ですら活用を制限されていたのかもしれませんね…。
何であれ「糸魚川でのヒスイの扱い」を考えると、遥か古代から主導権を失っているようにも思えます。
しかも「卓越した加工技術」と「向き合う姿勢」も失われているので、「石単体での価値」にすがるしかないのが現状なのでしょう…。(残念だな…)
ヒスイの真価を理解するのは、まだまだ先の話になるのでしょうね。(でも必ず、その未来が訪れる事を信じています)
この日(19日)は快晴ではありませんでしたが、気温は高く冬を忘れさせてくれる天気でした。
海辺には数人の釣り人も訪れていて、この日和を楽しんでいました。(平日の午前中なので、お爺さんだけでしたが(笑))
まずは左側の海岸へ行きました。
こちらは石たちが押し上がって坂のようになっていて、ヒスイを探すのには難しい状態となっていました。
こうなると新たに上がってくると言うよりは、下から出てくる方が可能性は高いかもしれません。
しばらく歩いても何も見つからない…、玉髄や軟玉でも良いのですが出逢えません。
これも運だからなぁ〜、と考え事をしながら歩いていると、僅かにボーっと光る発光に気が付きました。
直視してもその発光を感じたので、小石たちの下に在った「それ」を手に取ると、間違いなくヒスイでした。
なかなか良い発色のヒスイで、小滝から出るタイプのヒスイだと思われます。(私が万葉ヒスイ・芽吹ヒスイと呼んでいるタイプのカケラでしょう)
このタイプは石質が少し柔らかいですが、その代わりに発色が良いです。
ヒスイ輝石もキラキラと輝くので、艶消し仕上げをしても魅力的な姿になるタイプのヒスイです。
この出逢いにより目が覚めて、やる気が出てきました(笑)
そうして拾えたのが良質のネフライト2個、玉髄1個、小さくて綺麗なシーグラス3個(笑)、です。
シーグラスは集めて飾っているだけですが、ネフライトと玉髄は磨いてみようと思います。(シーグラスは磨いても元のガラス片に戻るだけだし(笑))
戻り際に見付けたのは面白い模様と、幾つかの丸い穴があるチャートです。
通常のチャートよりも石質が良く滑らかで、ジャスパーの部類なのかもしれません。(きっと赤石や赤玉石の系統なのでしょう)
このタイプも珍しいので、持ち帰り楽しみたいと思います。(まずは飾って楽しむ)
次は…、流紋岩?、それとも石英斑岩?、です。
流木のような模様が面白かったので拾いましたが、見た目の印象は流紋岩(流れる紋様の石)です。
所々にポツポツと空いている穴に石英が入っていたのなら、石英斑岩なのでしょう。
まぁ、普通に薬石と呼ばれている鉱物なら石英斑岩ですね(笑)、流紋石英斑石とすれば見たまんまで解りやすいと思うのは私だけだろうか。(岩と言うより石の印象も強いし)
と、どうでも良い事を考えながら持って帰ります(笑)
最後に右側の海岸へ行きました。
こちらは小砂利が上がっていて、左側同様に難しい環境でした。
それでもヒスイと出逢えた現実があるので、環境に応じた探し方をしてみます。
こういう環境では小さなヒスイを探すのがベスト、しかし小さいとロディン岩(鴬石)との区別が難しいので、とりあえず最初は「乾かして艶が出る白くて角張った小石」は全て持ち帰るのが良いでしょう。
そうして見つけたヒスイの小石たちです。(ロディン岩含む)
右上のが質が良いヒスイで、左下のは発色が良いロディン岩(鴬石)です。
こんな小さいヒスイ(ロディン岩含む)を拾ってどうするのか?、と言う疑問もあるかと思いますが、小さなヒスイの小石だけを集めてビンに入れて置くと魅力的な飾りとなります。
どうも男は「大きさ」に拘る人が多いようですが、あまり大きいと置き場所に困り、最終的な処理(処分)にも困って「無用の長物」となっている老人を何人も見ています。
なので、加工技術が無いのなら小さめのヒスイを集めるのが良いかと思います。(加工技術があっても、加工用の素材は購入した方が便利だ)
でも男が大きさを求めるのは性(さが)なのかもしれませんね。(ちょっと下品な話ですみません(笑))
それはそれとして、こちらはさっきより少し大きめのロディン岩の転石です。
日光が黄色いので印象が違って見えますが、同じ環境下で撮影したヒスイの小石と比べると発色の違いが解るかと思います。
本来は黄緑が「綺麗なロディン岩の特徴」ですが、さっきの左下にあったロディン岩の小石のような明るい黄緑ではありません。(若干、濁っています)
でも非常にヒスイと間違いやすいので、確実に分別したいのなら解る人に聞くか相応の機関で分析するのが良いでしょう。
綺麗な石には変わりないので、魅力ある石は大切にしてあげると良いかと思います。(個人的に)
この日は、こんな感じで探索を終えました。
そう言えば以前に小さな良質のヒスイをくれた、ヒスイ好きのお爺さんに出会いました。
私よりも早く海岸に来ていたようで、結構な量のヒスイ転石を拾っていました。(相変わらず石英や長石なども集めていました)
その中には切断されたヒスイもあって「誰かが捨てたのだろう」と言っていました…。
切れ端を海に捨てるなよな…、でも初めての人が拾ったら嬉しいのかな…。
以前には宮崎海岸でも切れ端を撒いている者がいたし、人集めとしてやっているのか、処分として捨てているのか、その両方なのかよく解らん。
でもそれを目当に来る者では、観光は成り立たないのが現実と言えるでしょう。
面白いのは縄文時代の遺跡からも端材は出ていて、柱の穴に埋めていたりしてありました。
大きな樹の根本にも集められていた形跡もあって、これは「捨てた」と言うよりは「一カ所に集めていた」と考えた方が良いのかもしれません。
しかし「処分に困った」って事には違いは無く、ある程度の敬いは感じられますが、人間の都合を優先しているようにも感じます。
これが水晶で在れば、玉にして柱の穴に埋める文化があるようですが、ヒスイは端材を埋めただけ…。
時代が違うからとも言えますが、磨製石器を作っていた時代なのだから、何かしら手を加えたヒスイの品を埋めれば良いのに…。
そういった遺跡もあるのだろうか?、私が経験した遺跡が「そうだった」ってだけなのだろうか?
もしかしたらヒスイの扱いが厳しくて、残った端材ですら活用を制限されていたのかもしれませんね…。
何であれ「糸魚川でのヒスイの扱い」を考えると、遥か古代から主導権を失っているようにも思えます。
しかも「卓越した加工技術」と「向き合う姿勢」も失われているので、「石単体での価値」にすがるしかないのが現状なのでしょう…。(残念だな…)
ヒスイの真価を理解するのは、まだまだ先の話になるのでしょうね。(でも必ず、その未来が訪れる事を信じています)