作者の思考

作品紹介

2016年07月17日

今回は、青海の垂飾の紹介をします。

海原の景色を映す碧のヒスイで、青海の垂飾(アトゥイ)を制作しました。
この垂飾は「海陽の参」や「千波万波の壱」と、同じ母石から制作した海のカケラです。
スエードの紐にウッドビーズ・メタルビーズを合わせて首飾りにしました。




全体が青銅色に染まり、所々に濃い碧の模様が浮かんでいます。
その模様が細波に見えたり、澄んだ海の底の珊瑚礁に見えたりと、どこか夏の海を感じさせます。
それと同時に、生命の母なる海(ゆりかご)の本質を宿す事で、持つ者を癒してくれるでしょう。
裏に多少の石目が残りましたが、白波として見てれば、より海を感じられるかと思います。





基本的に透明度は皆無に等しいですが、濃い碧の部分は光を透します。
また、オンファス系の特徴なのか、光源により若干色が緑に変化します。(もう一つの特徴である艶も美しく出ました)


太陽光下で紫陽花と一緒に撮影してみました(笑)、特に朝の太陽光で見ると色の変化に気が付きます。(碧系は黄色の光源に影響を受けやすいのだろうか?)
感じられない人には解らないかもしれませんが、ヒスイ転石を探す際の感覚に良く似ています。
通常の青ヒスイでは感じないので、「碧の色」に要因があるかと思われます。(まぁ、碧と言う表現自体に緑が含まれているのですが(笑))


今後は青海のカケラと、流青のカケラとで「アトゥイ(海)」を冠する垂飾を作って行きます。
青・蒼・碧のヒスイでは水や雨と言ったテーマでも作って行きたいので、色合いや模様を見て表現を決めたいと思います。
空もテーマにしようかと思ったのですが、空が青いのは海が在るからですし、ヒスイの発色を見ると海のイメージの方が合っています。(それに雨をテーマにすれば、空と水を含めたコンセプトになるから問題無し(笑))

ちなみに「青海」と「流青」の違いは、青海が海原(海流)であるのに対して、流青は海岸(荒波)となります。(要は流青は川も含めてのものであり、波の激しさも景色に宿しています)
青海は「静」を、流青は「動」を表現できたらと思います。

スサノオの千波万波も双方を加工して行きますが、「静の波」と「動の波」の二つがあります。
要は「大気と海流で躍動する波」と「大気と雪解け水で躍動する波」の違いと思えば解りやすいかと思います。


ちょっとした問題は青系のヒスイが少ないので、あまり多くは制作できません。
しかも模様を重視するので、テーマに合うヒスイと出逢うのは難しいでしょう。

まぁ、だからこそ取り組む甲斐も在るのだし、「バカの一つ覚えの模倣と量産」へ向かわない(強制的に向かえない)のだから、悪い事だけでは無いですね(笑)

近頃は「完全な制限を持ったヒスイと創作」と「支えてくれる協力者の方々」が、私を成長させてくれるのだと強く感じるようになりました。(後は「タガが外れた老人」も反面教師として活用してます(笑))

今後も「作る側の罪」を認識しながら、同士と共に前に進めたら幸いです。
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