作者の思考

作品紹介

2015年10月07日

今回は、友人とコラボした作品を紹介します。

垂飾の本体を私が制作し、それを収める首飾りを友人に編んでもらいました。
この作品の特徴は「垂飾本体が取り外せる」って事で、これは「季節に応じて、いろ
いろと楽しめたら面白い」との想いからカタチにしてみた作品です。

秋〜冬にかけては編みの中に収まって、必ず訪れる再生と開放の季節を待ちます。
それぞれのテーマである「芽吹・開花・彩雲・万葉」の表現を活かし、その時期に羽
化するような感じで表に出ても面白いと思っています。(個人的に面白いと思ってい
るだけですが…)
逆に秋〜冬に羽化する作品も作れるので、表現が広がって行くかと思っています。

結構な時間と手間をかけた作品なので、カタチになった事がとても嬉しいです。


・芽吹の垂飾(キナ)
アイヌ語で草を意味する名を持たせ、柔らかな紐を編み上げて首飾りにしてあります。
透明度が高く雪のように美しい白地に、春の芽吹きを想わせる翠が浮かんでいます。
厳しい冬を乗り越え、再生の季節の訪れを告げる存在、そんな作品になればと思い制
作しました。(芽吹きと共に編み(繭)から出します)









・開花の垂飾(ノンノ)
アイヌ語で花を意味する名を持たせ、紺色の紐を編み上げて首飾りにしてあります。
透明度は低いですが紫の発色が美しく、華やいだ季節にはピッタリな作品です。
芽吹きから開放へ向かう姿を映し、生きとし生ける者を魅了する花々を表現できたら
と思い制作しました。(開花と共に編み(繭)から出します)









・彩雲の垂飾(レラ)
アイヌ語で風を意味する名を持たせ、唐草色の紐を編み上げて首飾りにしてあります。
透明度も高く全体に翠が溶け合って流れ、雲のような模様を宿しているヒスイです。
太陽と共に雲を色づかせて開放を誘う大気、その景色を身に付けられたらと思い制作
しました。(初夏と共に編み(繭)から出します)









・万葉の垂飾(ニタイ)
アイヌ語で森を意味する名を持たせ、同じく唐草色の紐を編み上げて首飾りにしてあ
ります。
翠と緑が混ざり合い、透過した姿は遥か昔に見た記憶の森を映しているかのようです。
開放の恩恵を受けて新緑から深緑へと移り変わっていく、そんな豊かな森をカタチに
したいと思い制作しました。(真夏と共に網から出します)









どの首飾りも長めにしてもらったので、頭から被って身に付ける事ができます。
それぞれのテーマに合わせるよう、友人に無理を言って編んでもらいました(笑)

編みから出した垂飾りは、革紐やスエードの紐などで身に付けると良いかと思ってい
ます。(自分の好きな身に付け方で良いですが、取り外しが簡単な方法が良いでしょ
う)

私だけだったら、こういった表現の作品はカタチに出来なかったと思います。
協力する事で自分にできない表現を可能とする、そういった事も創作には必用なのだ
と改めて感じました。(協力してくれて有り難う!)

私の活動で「単なる分業とは違った協力のカタチ」を、未来へ明確に示せたらと思い
ます。
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