作者の思考

転石の加工

2015年09月27日

お客さんの依頼により、転石でペンダントを制作しました。

私が加工所に務めていた頃からのお客さんで、私の後に入った女性にもペンダントを
作ってもらったそうです。(その女性も数年前に、加工所を辞めてしまいました…)
前回は奥さんへ贈る為に作り、今回は娘さんに贈る為に作るのだそうです。
まだ娘さんは幼いらしく、手にするのは数年先となるようですが、込められた思いは
ヒスイの中で生き続ける事でしょう。

思い出の転石は、少し灰色がかった地に淡い緑が広がっています。
同じ母石からの制作なので、前回に残ったカケラを大切に加工します。




厳冬を思わせる銀色の景色の中、春の兆しを示すように淡い緑が浮かんでいます。
透明度は低いですが、こういった落ち着いたヒスイも魅力的で、素朴な景色が心に穏
やかさを与えてくれます。(淡い緑は期待感を与えます)






依頼を受けての作品の場合、そのヒスイのグレードは価値には関係ありません。(加
工可能かの見極めは大切ですが)
自身の思い出の詰まった転石で制作した存在であり、外野がガタガタぬかす権利は無
いんですよね(笑)

出会いの感動と思い出を「不滅の存在」に込め、自分や家族のお守りとする…、とて
も素晴らしい持ち方だと私は思います。
そういった事に関われる事も、加工人としての醍醐味だと言えるでしょう。

この感動を共有できる人たちを大切にし、その想いを未来に繋げたいと思います。

ちなみに、まだカケラが残っているので、次に生まれてくる子がいても大丈夫です
(笑)
でも男の子だったら根付けが良いかも…。

どんなヒスイでも無駄が無い、やっぱりヒスイは神の石だな〜って思います。(無駄
にはしないと言う姿勢も、ヒスイを高めている要因なのだと感じます)

今後も、ヒスイ(糸魚川のヒスイ)に愛されるよう頑張って行きます!
ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット