作者の思考

作品紹介

2015年09月17日

今回は、革紐のブレスレットを紹介します。

以前から三つの珠のブレスは制作していましたが、今回は勾玉の原点とも言われてい
る「牙」や「爪」をモチーフにした品をヒスイで制作し、革紐に組み合わせてみまし
た。





明るい翠が入ったヒスイのブレスと白ヒスイのブレスの二点ですが、どちらも同じヒ
スイから作っています。
神玉の三貴子を制作した残りを活用し、ワイルドな感じのブレスに仕上げました。
自分が身に付けるなら…、と考えてこの姿になったので、私と感性が近い人には合う
かと思います(笑)





数珠を兼ねた丸玉ブレスは単純作業の繰り返しで、手作業では労力も大変なものなの
ですが、この珠と牙(爪)の制作は、ある程度不定形なので楽しんで作れました。
珠は真円にする事も可能ではありますが、手作り感を出したかったので若干の歪さを
残しています。
歪はibitsの語源ともなっているので、その姿を大切にして行けたらと思っています。





両方とも透明度の高い母石から作ってあるので、光を受けると膨張するように輝きま
す。
片方は新雪を想わせ、もう片方は芽吹きを想わせる景色です。



翠の方が稀少の為、値段は高くなりますが、私が似合うのは白ヒスイの方だったりし
ます(笑)
人それぞれに好みがありますが、自分に似合う品を身に付けるのが一番だと思ってい
ます。


この作品の利点は「様々な色(鉱物)で作れる」って事で、オンファス輝石やジャス
パー・蛇紋石などでも作ってみようかと思っています。(勾玉ではなく牙や爪のデザ
インなので、自由に組み合わせる事ができると考えます)

オンファス輝石は、なるべく模様が入った方が望ましいのですが、質を考えると濃緑
タイプの方が粘りがあります。(硬いですが、もともと粘りの少ない石のようです)
模様があるギリギリの質を加工して、魅力的なブレスに仕上げたいと思います。


この石もピン〜キリがあるので、加工する前の見極めが大切になります。(作業中に
割れたりする確率を抑える為にも必用)


こちらは海で偶然に出会ったジャスパーです。
かなり質も良く、ほぼ全てを活用できるかと思います。(あれから1つも拾えない…)
磨きが出るのかが心配ですが、良質だし石英系なのでやってみる価値はありそうです。
何よりも赤の発色と浮かび上がる紋様が素晴らしい!(ちょっとイモリのお腹にある
柄にも似ていて、幼少期を思い出します(笑))
これに出会ってしまっては赤に染まる事も厭わず、創作への衝動は抑えられません。


こちらもピン〜キリがあり、チャートに近い方が質が良いです。
でも私がチャートと認識している石は一色タイプで、さらに色が地味なので芸術的で
はないと感じています。(粘土みたいな…、レンガみたいな…、陶器みたいな…、そ
んな感じです)

こちらの赤石でも作ってみようかと思い、左の小さい石を切断したのですが、多くの
ヒビが中まで入っていて活用できませんでした…。
このタイプは「その姿のまま」で磨いて、飾り石にしようかと思います。


質が悪い方が色も鮮やかで、混ざり合う模様も魅力的なのですが、加工には向きませ
ん…。
これもオンファス輝石と同じく、ギリギリの質を加工して大切に仕上げたいと思いま
す。(中には加工に活用できる、同タイプの赤石もありますので)

どんな石でもピンと出会うのは難しいなぁ〜。
そんな大切な存在を加工するのだから、一つ一つに愛を感じて作らないと罰が当たり
そうですね。


加工は大変ですが、作っている過程で体感する事は人として大切な経験則になります。
こういった大変な作業を経験せず、人に任せる事に慣れるのは非常に危険だと感じま
す。
自身の戒めとして、将来的に同じ作る側を道具と扱わないよう、この苦労を体に刻み
たいと思います。

なんであれ、未来に伸び代を残せるような存在になれたら幸せです。(約4500年後で
も通用している勾玉を、最初に創り出した人のように…)
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