作者の思考

作品紹介

2015年02月14日

今回は、紫ヒスイの首飾りを紹介します。


知人から譲って頂いた貴重な紫ヒスイで、SVペンダントを制作しました。
この紫ヒスイは海で出会える事があるタイプの、とても稀少な紫ヒスイです。
乳白色の地に紫と薄緑が滲む景色は幻想的で、幼少の頃の夢の景色を見ているようです。
その紫ヒスイで慎重にルースを加工して、スェードとメタルビーズ・ウッドビーズを合わせて、首飾りに仕上げました。




絹にインクを滲ませたような模様が美しく、やや青みがかった紫には気品が感じられます。
よくある特徴のチタン石は目立たず、萌黄〜薄緑に溶け合っています。
何度も枠に合わせながら、可能な限り誤差の無いようにルースを制作しました。
SV枠はロジウムメッキされていて、変色の心配はありません。



透明度も高く、弱い光源でも神秘的に透けます。
色が濃く、くすんでいない紫ヒスイはとても少ないですが、この紫ヒスイはその稀少なタイプの紫ヒスイです。(私が知る限りの、最高クラスの紫ヒスイです)




こちらも同じ紫ヒスイで、SVペンダント制作しました。
ルースサイズが大きい分、色や模様を多くいれる事ができました。(大きく入っていた部分を選んで、ルースに加工しました)
ルースの下部の方が濃くなっていて、上部から紫が流れて溜まるような感じに配置しました。
こちらもスェードとメタルビーズ・ウッドビーズを合わせて、首飾りに仕上げてあります。




微睡むように湧き出す紫が魅力的で、幻想的な水彩画を見ているようです。
僅かに混ざり合う薄緑が、より神秘的に景色を引き立てているように感じます。
華やかな枠を選んだので、男女共用の首飾りになったかと思っています。(紫なので、どうしても女性の方が似合いますが(笑))
こちらもSV枠はロジウムメッキされていて、変色の心配はありません。(925の刻印もされています)



光を受けて輝き、一色タイプとは異なった模様を楽しめます。
地が乳白色なので、ボヤ〜っと膨張するような輝きが魅力の紫ヒスイとなります。
春を感じ、花々を感じ、幼き日の思い出すらも感じる、そんな景色です。

どちらの首飾りも、うなじ部分にあるメタルビーズを移動させる事で、紐の長さを調節できます。



今回は知人の好意により、貴重な経験ができました。
現在では、このレベルの紫ヒスイを加工したくても、その原石と出会えないでしょう。
万が一、海で出会えたとしても、勿体なくて加工する事が出来ないかと思います。(私の場合は)
乳白色タイプの紫ヒスイの多くは、発色している紫がとても淡いです。
それはそれで美しいのですが、加工する(磨く)と余計に薄くなるので、原石のままで楽しむ方が良かったりします。(それにこのタイプは非常に少ないし)

しかしこの紫ヒスイはルースに加工できるだけで奇跡なのに、その模様も素晴らしいです。
インクが滲むような…、紫色の雲が流れるような…、まさに幻想的という言葉がピッタリです。(いわさきちひろ先生の絵のようです)

こういったヒスイで「もっと多くの作品が作れたら…」とも思いますが、それは私のエゴであり、一つ一つを大切に造形していく事が、この仕事に求められているのだと戒めています。

譲って頂いたプレートを大切に加工し、代表作となるような作品に仕上げたいと思います。
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