作者の思考

須世理毘売が完成!

2015年01月01日

明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。

昨年は、様々な出会いがあった年でした。
おかげさまで、なんとか無事に年を越すことが出来ました!
今後とも創作活動に尽力していきますので、協力をお願いします!

今回は、須世理毘売が神玉として完成しました!


11月頃から少しずつ、他の作品と併用して加工を進めて行きました。
どんどんと加工が複雑になって行くので、制作は暖かい季節を選んだ方が良い気がしています(笑)
使用したヒスイは、全体に紫色が入った紫ヒスイを加工しました。
姫のイメージを考えて紫ヒスイを選び、細かい加工に耐えられる質のヒスイで制作しています。
加工の際「堅牢で磨きやすい」、そう言った特徴と「華やかさ」を考えての選択です。



デザインのモチーフは「龍の姫」です。
そこに「珊瑚と真珠の冠」を合わせたデザインを加えて表現しました。
このデザインには女性の「強さ」と「美しさ」を持たせる事が重要なので、国津の戦化粧である丁字は入れませんでしたが、逆立つ髪と冠で国津の姫の気性を表現してみました。
ただ、モヒカンに見えるのも趣味では無いので、あくまでも冠(髪飾り)であり「鋭利(シャープ)ではあるけど艶やかな姿」を心がけました。




須世理毘売に込めたコンセプトは、「内助の功」と「信念を持つ女性」です。
素戔鳴の娘なので、行動力と荒々しい性格も遺伝しています。
しかし、それが女性に宿ると全く別の力として発揮されていきます。
自分の意見を強引に押し付けるのでは無く、その優れた機転(知性)により、守るべき者への試練を共に乗り越えてくれる「支え」と成ってくれます。(主に叱咤激励で支える)
しかし肝に銘じておく必用がある事は「龍の娘である」と言う事で、その頼もしいまでの積極性や行動力は信頼により得られているのであり、一度裏切ろうものなら「支えるはずだった者」へ、激しい怒りとして向けられる事でしょう。
純粋である想いを裏切った末路は、壮絶な悲劇を招く事になります…。



事代主と同様に人魚(人魚姫)のイメージも込めていて、水泡や渦などのデザインを入れています。
腹部には丸みをとらず、顔には丸みをとって…、など、優しい曲線を出しつつも厳しい直線を出して、バランスを見ながら仕上げました。
紫色の配置も考えながら制作し「花の鱗(衣)を身に付けた龍姫」に、見えるよう加工しています。
気性を表現している鋭利な部分を多くして、見た人が素戔鳴の娘である事が分かるように、一部の特徴を継がせる表現もしています。(祖父である伊邪那岐の特徴も大きく継いでいます)
ヒスイ(神)の身であっても父娘、その繋がりは大切に残して行きたいと思っています。

ちなみに、天照は両親(伊邪那美と伊邪那岐)の特徴を均等に受け継ぎ、月読は父親(伊邪那岐)似で、素戔鳴は母親(伊邪那美)似としています。(正確に言えば、素戔鳴は八雷神を宿した母(伊邪那美)の特徴を大きく受け継いでいます)


女性が社会に出て活躍する事を求められている世の中であるにも関わらず、それが未だ様々な要因で進んで行かない現代社会…。
その現状を打開する為、女性としての闘い方を学び、信念を持って前に進んで行いってほしいです。(今の時代、女性が女性を支えても変じゃありませんし)
未来を創る意思を持つ、そんな方々を心から応援して行きたいと思います。



これで残すは、建御名方神と奴奈川姫の母子神です。(今の所の計画では)
今までのペースだと、来年と再来年で完成してしまいますね…。
それではあまりにも面白くない…、なので制作は、もっと先にしようかと考えています。
この二神は、私にも糸魚川にも重要な存在で、もっと色々な経験をしてからでも遅くはありません。
特に今後の糸魚川の変遷で、私の意欲も変わってきますので様子を見ようかと思います。
まぁ、デザインが浮かばなかったら勝手に計画が延びるのですが(笑)

いつも言うように、私に流れる「古代の血」や「繋がる遺伝子」が呼び起こされたら、残りの神々も具現化できるのだと思います。(作品として)
然るべき時に成される、そこには人の意志も大きく関わってくるのだと思います。
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