作者の思考

作品紹介(オーダーメイド等)

2014年03月17日

今回は、お客さんから受けて作成した品を紹介します。


うっすら紫色に見える玉髄と、灰色に薄緑が入ったヒスイをペンダントに加工します。
ヒスイでペンダントを二つ制作し、その一つを婚約相手に送るそうです。

このヒスイ、明らかに切断した後にバレルで艶消しされています…。
宮崎海岸で拾ったとの事でしたが、誰かが客寄せに撒いているのかもしれません。
加工する分には問題ないですが、海岸転石を求めている人達には迷惑な行為です。
拾った当人も納得しての加工ですので、今回は気にせず加工します。


まずは白の玉髄でのペンダントです。
元々の原石にヒビは少なく良質だったので、綺麗に仕上がりました。
瑪瑙のような紋様はありませんが、うっすらと紫色に見える感じは加工後も残っています。(ミルキークォーツとでも言うのでしょうね)
ライチの果肉のように半透明で、優しい光を放っている作品になりました。
こういった石での加工も面白く、手をかけてあげると良いものになります。

何よりも自身で出会った石なので、思い出が詰まっている大切なものでしょう。
ちょっと切断するまでは中身が心配でしたので、問題なく仕上がって安心しました。



こちらのヒスイでは、形をそのままにスライスし、同じ形のペンダントを二つ制作しました。
お揃いでの品なので、同型が良いのではと提案して作りました。
女性の方が少し小さめで、薄緑が入るように仕上げています。
ヒスイ自体の質は練られていて良質、この厚さなら光を少し透すタイプの灰色ヒスイです。
なので艶も綺麗に出て、良い感じに仕上がりました。
その身に映す模様も雪解けの渓谷のようで、小さな春の訪れを感じさせてくれます。

これは青海系の山石なのだと思います、それを「バレルして撒いた」って事だと思います。(捨てたのならバレル加工はしていない筈)
その行為自体は不愉快ですが、今回のお客さんが喜ぶのならと思い加工を受けました。

ちなみに本来、これを受ける筈の施設が機能していない為、私に制作依頼がきました。
あそこの爺さん…、ただの飾りだな(笑)

でも、私に連絡したのは賢い選択だと思いますよ!





こちらは私が拾った赤碧玉とオンファス輝石を、加工仲間が加工し石笛に仕上げました。
さっそく二つとも納品されたようです、良かった〜、提供した甲斐がありました!(これもコラボの一つの形なのだと思っています)
ちゃんと魅力を理解される人はいるんですよね、こういった鉱物の使い方も進めなくてはなりません。

でも私はヒスイの加工で手一杯で、更になぜか他の鉱物に手を出し過ぎると、ヒスイが応えてくれなくなったりします。
詳しく言えば、おかしな事で割れたり、模様が上手く出せなかったり、フォルムが崩れたり、仕事が減ったり、など「気のせい」とも言えるのですが、確かに感じる威圧感…、浮気したような気まずさ…、「あんまりチョロチョロするなよ」って言われている気がします(笑)
(まぁ、硬度と堅度が違うのだから、加工の勘が鈍るのも当たり前なのですけどね…)

私の深層心理が影響しているのかもしれませんが、どちらであろうとメリットが無い…。
まずは自分の目指す道を進み、協力し合える人と底上げが出来れば、結果的に私が求める姿になります。
全部を抱え込まず、任せられる人と共に進めたらと思います。

ちなみに私は今、大サイズの月読と素戔鳴の仕上げに入っています。
この二体が台座にないので、どうもバランスが悪い…、早く揃えたいと思います。
後はコラボ用に紫ヒスイの丸玉を制作しています。
工具を改良したので制作は以前よりは楽になりましたが、それでも大変…、もう「ただ形にしてみたい」ってだけで開発しているような気がします(笑)

やる事がいっぱいですが、とにかく頑張ろうと思います。
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