作者の思考

新たな珠玉

2013年02月07日

珠玉を新しく作るに当たって、ちょっとした物語が必要かと考えます。(作品に深みを出す為と、作家として古代の模倣ってだけでは創作性が無さすぎる…)

まずは大珠(イザナミ)の名前をアイヌ語で表現しようかと思います。
大珠は北陸の文化だと私は考えていますので、アイヌの文化が最も相応しいと感じ計画しています。

○大珠(イザナミ)
伊邪那美「冬」(マタ)  白
伊邪那美「岩」(シュマ) 黒
伊邪那美「草」(キナ)  翠・緑
伊邪那美「雨」(アプト) 青
伊邪那美「花」(ノンノ) 紫

ここには入っていない色もありますので、相応の名を付けて完成させたいです。
デザインの固定は無く、色や模様で名を分けようかと現在は考えています。(やっぱりアイヌって格好良い!)

次は勾玉(イザナギ)の名前ですが、こちらも色や模様で付けていきたいと思っています。
こちらはアイヌ語は使わず、倭を意識した作品になっていくと思います。

△勾玉(イザナギ)
伊邪那岐「白礼」(はくれい)  白
伊邪那岐「玄斗」(げんと)   黒
伊邪那岐「萌芽」(ほうが)   翠・緑
伊邪那岐「青海」(おうみ)   青
伊邪那岐「桜空」(おうぞら)  紫

こっちも他の色がありますので、相応の名を付けて完成させたいです。

また例外として、この二つの存在に共通する名前を付け、専用デザインで表現しようとも考えています。

大珠 伊邪那美「巫」 (かんなぎ)専用デザイン
勾玉 伊邪那岐「神蛇」(かんなぎ)専用デザイン

この二つのデザインモデルは奴奈川姫と大国主の「二人が所有した珠玉」を表現しよと考えています。
私の考えでは、奴奈川姫が所有したのは大珠(イザナミ)だと思っているので、大国主の訪れにより「同じ名の存在が出会った運命」を強く表現したいと考えています。

また、大国主の勾玉(イザナギ)デザインですが、出雲の定型ではなく「蛇の鎌首」を表現したデザインを考えています。(古代の遺産にもあるワラビやコゴミのようなデザインです)

糸魚川で「奴奈川姫(巫)と大国主(神蛇)が出会った伝承」をより分かりやすく、誰にでも理解できるように日本神話に合わせながら表現していけば、外国人にも伝わるのではと考えます。(ここでの大国主にはオオナムチも含めています)

伊邪那岐「萌芽」(ほうが)


伊邪那岐「玄斗」(げんと)


伊邪那岐「青海」(おうみ)


伊邪那岐「神蛇」(かんなぎ)


こんな感じで、古代の宝物を表現してみても面白いと思い計画しています。
勾玉(イザナギ)の試作は、仕上げを残しているだけで近々完成しますが、大珠(イザナミ)の試作はもう少し先になりそうです。

珠玉の作品は、大きめのサイズで作りたいと考えています。
小さいとアクセサリーの意味合いが強く、お守りの意味合いが弱くなります。
作品としての存在感も弱くなるので、ある時は腰に下げるような根付けのように、ある時は神棚に祀れるお守りのように存在感を強くして表現したいと考えています。


一応、明記しておきますが「奴奈川姫と大国主が所有していた品はこれだ!」と既成事実にしたわけではなく「私の考える物語の主人公の話」だとでも理解して下さい。

歴史の主導権を持ちたいわけではなく、自身の表現を深めたいってだけです。(古代遺産での主導権の奪い合いなんて興味がありませんので)

私はヒビや石目などを美として捉え、人気の低いヒスイでも魅力を引き出す事ができる作家を、一流のヒスイ作家と呼ぶのだと考えています。
更に欲しい物がなくなった現代人ですら求める、悠久の時を越える「不滅の宝」を誕生させる事ができれば、その存在を超一流と称するのだと思います。

その存在に私がどれだけ近づけるのか…、それを考えるとワクワクして生きている意味を見出せた気がします。


競い合う事、その事自体は「人としての成長の一部」である事は間違いないのですが、それが成長の全てではありません。
何度も書きますが「それが必要な時期がある」ってだけで、いつまでも競い合っていたら新たな命にまで恐怖して排除しかねません。
自分以降の発展を許さず、残りの人生を保身に費やし、お山の大将・裸の王様として頭を狂わせながら生きていく事になるでしょう。
そういう者は軽蔑されて、死後も名誉を回復する事は不可能でしょう。

多分、競争をいつまでも続ける人というのは、「一度も一番になった事がない人」か「義務教育の期間に十分に競い合っていない人」なのだと思います。(普通は飽きるはずなんです…)

今後も成長を望む人達に願うのなら「過去の偉人・古代遺産」を見本とし、勝ち負けではなく、どれだけ近づけたか、どれだけ近づけるのかを望んで頂きたいものです。(経済成長は身近な存在と競い合うしか選択肢は無いのかもしれません…)

常に高みを目指し、今は亡き偉大な先人を見習い、何を学ぶべきかを追い求めて生きると、人はもっと幸せになれるのかもしれませんね。
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