作者の思考

魂の選別

2013年01月07日

やっと糸魚川市がヒスイに対して少し動き出しそうです。(いいかげん待ちくたびれましたが…)
私は不本意ながらヒスイの領域においての「作れない側」の事も考えていましたが、これからは考える必要がなくなるでしょう。
答えは一つしかなく「真っ当な作る側の者」と協力しない限り、糸魚川での正当な商いは不可能です。(これ以外に選択肢が残っていない)

正直、「頭の中が成長しないまま老けていった連中」ばかりだと心底諦めていましたが、「適切に年を重ねた年輩者」が存在したのだと嬉しく思っています。
これは外的要因での強制的な現象なのかもしれませんが、それでも問題ありません。(歴史的にも外の人達の方が意識が高いのは証明されていますし)

ともあれ、まずは糸魚川市が認めるべき糸魚川ヒスイの担い手は、「作る側である事」が確定しました。(それも伝統文化を繋ぐ小規模な産業が望ましい、要は燃費の良い継承者が必要なわけです)

今後はもっと細かなルールを作って行くのでしょうが、結果的に私が望む「正当な領域」に成る事は間違いないでしょう。

そこで、これより先の「作る側の中での選別の必要性」を書こうと思います。(選別するほど本物がいませんけどね…)

私達が去年「未来を任せる政党や政治家」を選別したように、この先「未来を任せる糸魚川ヒスイの担い手」の選別が必要になります。(有権者に相当するのは、興味のある人だけですけどね…)
「一切必要がない」って事になると伝統文化の継承が行われないので、その結末が認められる事はないでしょう。(保護とは活用されている存在の規制であり、ほったらかしにする事を保護とは言わない)

以前に書いた「綺麗な水と濁った水」にあるように、現段階は濾過されて「作り手・売り手・買い手」の姿はハッキリと見えるステージとなりました。
そして最高の結果を出す条件は「高い商品力(作品力)・高い販売力・高い購入力」の三つが揃った時である事も明確になっています。
後は各々の適切な判断が、この領域を「高みに進める事」にも「どん底に落とす事」にも影響していくでしょう。
見るべきはその者の「魂」であり、それを見極められたなら劣化する事はありません。


※一応、糸魚川ヒスイを扱う者の選別をしない場合の事も書きます。

■糸魚川で選別を進めない場合
5年前に提案したように「業者ごとブースを分ける事」と「産地ごとブースを分ける事」がどうしても必要になってきます。
糸魚川では「ミャンマー産ヒスイを扱わない」となれば、業者ごとのみ分ければ良いですが、その分別がどこまで信用できるかは扱う業者次第です。
新しくなる前の物産センターでは、業者ごとブースに分かれていたそうです。

当時は業者の激しい抵抗にあいましたが、現在では必要性が認知され多くの人に求められているので、さすがに同じ結果にはならないかと思います。
私だけでなく、過去にブース分けを求めた人はいましたが、ことごとく却下されました。(社長ですら無理でした…)
この事で学んだのは「雇用されていては変えられない現状」で、「外からでしか変えられない現実」も知りました。

もしここで同じ結果になるのなら、もうこれは「どれだけ自分の扱う商品に自信か無いのか」と言う事を自己申告しているのと同じです。
もしかしたら「自身で扱っている商品の真贋すら分かっていない業者」もいるのではないでしょうか?
とにかく、あの業者ごちゃ混ぜの「隠れみの体勢」を変えないと信用は得られないでしょう。

これは「食中毒」と同じ事で、お店が食中毒を起こしてしまったのなら営業停止になるのは当然の事です。
責任の所在を明らかにして、堂々と販売していけば誰も文句は言いません。(別の文句は出ますがね)

後は作らない業者は海外で大量生産して行くので、糸魚川ヒスイの大量消費が問題となるかと思います。
海外に出すので「どっちの産業か分からなくなる事」も問題で、時にはヒスイをすり替えられる事もあるそうです。
こうなると糸魚川ヒスイの分析データを集積している鑑別機関に出して、一つ一つ分析してもらうしかないでしょう。(データの揃っている鑑別機関は準備してあります)

この場合、その判断を購入側にのみ押しつける事になるのは間違いないでしょう。
何であれ外でも闘えず、内でも正当に運営できない業者はどうにもならない。

糸魚川で「ミャンマー産ヒスイを扱う正当な理由」がどうしても思い浮かばない…。


■糸魚川で選別を進める場合
当然、糸魚川市民である事が大前提です。
担い手の資格としては「日本レベルで考える」か「糸魚川レベルで考えるか」で条件は変わってくるでしょう。
まずは糸魚川レベルでの資格を考えてみると、糸魚川での「伝統文化の継承」はそこまで古くなく(古代に存在した伝統が最近まで知られていなかったので)、最低条件となる事は物産センター内の「加工所での委託加工」になるのだと思います。
糸魚川で長く続いてきた事だし、基本が詰まっている作業でもあるし、ガラス越しに見ていれば加工が出来る人だって事が誰にでも分かるし。(現在は正常に機能していないので、早急な対応を求めている最中です)
海岸転石の鑑定もするので、鉱物の知識と古代の知識もある程度必要になるし、一般のお客さん相手の仕事として、常に「保護」の責任を持つ事になります。
後は「生きる姿勢」でしょうね…、一番重要だけと一番分かりづらい。

以前に働いていたので、その重要性の高さは良く理解しています。
ただ職場としての環境が良くないので、改善した方が良いと思われる事があります。
1日8時間の加工を、あの古い機械を使い一人で何日も続ける事は、かなり重労働なので3人くらいをローテーションさせて運営すると良いかと思います。(作れるなら業者がローテーションで担っても良いかと)
要するに雇用するのではなく、業務委託の体勢にすれば良いのですね。
ここの加工所には「ある程度の支援」が必要になるかと思います。
ある程度の支援がないと、未来にも残す必要がある糸魚川ヒスイを、無駄に消費して生きる「魂の消費者」が誕生してしまう。

それと同時に、糸魚川ヒスイを使う事を許すライセンスも必要となるでしょう。
これは国の認定、あるいは新潟県か糸魚川市の認定する「公の資格」である必要があります。(伝統工芸師は形骸化しつつあるので別のが良いかと…)
重要なのは、「公の機関の保証である」って事です。
どうしてでも「公にも責任を持たせる事」が必須条件となります。

日本レベルでは「審査基準の統一」が困難ですので、今は考えなくても良いかと…。
そもそも「糸魚川で糸魚川ヒスイを扱うライセンス」であり、それで作られてきた品(大珠や勾玉など)の正当後継者を裏付けるライセンスではく、外での「商売としての保証」として使う資格でもないので、糸魚川レベルでの範疇で良いと考えています。

この事により糸魚川では正当な者でなければ糸魚川ヒスイを扱えなくなり、不当な者は外へ出て商売する事になるでしょう。(地下経済は無くならないでしょうけどね)
これはあくまでも糸魚川での「糸魚川ヒスイを扱って生きる者の条件」であり、換金せずに小規模な個人の趣味ならば大した問題にはならないと思います。(他県での商売についても規制は無いと思いますが、印象は変わることでしょう)

それと作り手は日本で言う職人スタイルを目指すのか、イタリア・ドイツ・フランスの言う職人スタイルを目指すのかで、かなり方向性(活動形態・表現法など)は違ってくると思います。
どちらが良いのかは、自身で決めていく必要があるでしょう。(けっこう重要な選択だったりしますから)

この問題はジオパーク以前の問題であり、人としての生き方を象徴する問題なのだと思います。

確実に言える事は「傷を舐め合う者達」は「傷を持たない者」を恐れています。
正当に生きられたら、より不当な生き方が露わになる事を怖がっているのが分かります。
しかし「罪と罰」がこの世に在る限り、罪を犯した者は相応の罰を受けるのは当然でしょう。

賢者は歴史から、愚者は経験から学ぶと言いますが、どちらでも良いので学んで下さい。
かつて信用を失った経験が全く活かされていないし、まだ喉元を過ぎてもいないのですから。
このままでは「まちぐるみで詐欺を行っている」と思われても仕方がないでしょう。

これから糸魚川市も大変でしょうが、今まで放置していたのが間違いだったのだから覚悟を決めて決断してください。(決断ができない事は人としての無能さを表します)

糸魚川ヒスイにおいて、糸魚川市が成すべき事は昔も今も変わっていません。
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