2021年07月08日
今回は建速素戔鳴尊「天上天下」の七作目を紹介します。
雪のような透明感のあるヒスイ「翠雪」で、建速素戔鳴尊を制作しました。
全体をうっすらと翠が染める景色がとても美しく、休息を経て再生から躍動に向かう季節を感じさせてくれます。(3月頃に誕生したのですが、お披露目が遅くなりました…)
背景には厳冬を耐えた渓谷の生命(植物)をイメージし、陽光を受けて光輝く「唯一無二の存在」を表現しています。
透明度の高い白が際立つヒスイですが、僅かならが翠(緑)の光が全身から放たれています。
ヒビ(非なる美)の多さに泣かされる素材なのでスサノオが加工できる部分は限られますが、どうにか1点だけカタチにする事ができました。(私が「翠雪」と分類している素材の片割れが、運良く手に入ったので作れました!)
でも、もうこのヒスイでのスサノオは恐らく最後(また片割れと出逢えない限り最後)になるでしょう。(シリーズとしては似通った別のヒスイで作っていきます、アマテラスの「幻日」は2〜3点作れそうです)
シリーズを通して抜群の透明度を示します。(光を受けると柔らかな淡翠に透過します)
それは「溶けかけの雪」のような、「誕生したての命」のような、とても神々しい姿です。
光の当て方次第では蛍光灯のように光を膨張します(笑)、この特徴により海岸でヒスイ転石を見付ける事ができるのでしょう。(ここまで光ってくれたら誰でも気づけるのに…)
ちなみに、厳冬だったから(雪かきしまくったから)か、春先は少し体調が悪かったのですが、この品を作った途端に不思議と改善しました。(魂に伝わり「眠っていた細胞が一気に起きた」って感じです)
与えられた力なのか、引き出された力なのか、どちらによせ実感する結果が得られたのは幸いと言えます。
今回も満足のいく作品に仕上がりました!
このレベルのヒスイを加工できる機会に恵まれた事を感謝したいと思います。(自然や人との縁に感謝です!)
まだまだ違った糸魚川ヒスイで制作していますので、楽しみにしていて下さい。(ちょっと撮影や紹介文に手間取っています(笑))
片割れの素材とは言え「同じく仕上がるのか?」と不安ではありましたが、さすがの安定感と言わざるを得ないポテンシャルでした。
どういう条件で石質は安定するのだろうか?…、変成作用中の練度や地上に出て来た際の環境に依るのかな?、ちょっと胎児にも共通する気がするな〜。
ヒスイは翡翠輝石の集合体であり単結晶ではありません、そこが人間に例える事ができるのでしょう、要は多細胞として見られる訳ですね(笑)
そうなると結晶とは単細胞になるのだろうか?、純度(純粋度)などを考えると単細胞の方が際立つのも解る気がする、でも「多細胞による可能性の豊かさ」は持ち合わせていないのかも?
もし石たちを人間に例えるのなら「岩石」の方が相応しいのかもしれません、そして「その純度」が人としての純粋さを表しているのかもしれませんね…。
逆に不純物の多さは可能性の豊かさを表していて、それは必ずしも自然との共存には向かわないように思えます。(でも可能性は無限大だから、自然との共存も有り得る)
岩石で在りながら石で在り続けようとする、多細胞でありながら単細胞の美に憧れる、ちょっと生物としての脆さを感じますが、他人事ではない性(さが)も感じます(笑)
まぁ、なんであれ私は勝手に「純度の高いヒスイの在り方」を求め続けようと思います。(そのタイプと言うか…、単なる自己満足ですね(笑))
そうか!、コラボで「多細胞による可能性の豊かさ」は示せる、つまりそう言う事なのか!(どういう事なんだ?って思う人もいる気が…)
解ったようで解ってない、人間とはそんな生き物かもしれませんね(笑)