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作者の思考
休業のお知らせ
2020年04月23日
ヒスイ王国館内の糸魚川観光物産センターが「4月25日(土)〜5月6日(水)」まで、休業する事が決まりました。
予定としてはゴールデンウィークまでの休業との事ですが、状況次第では5月後半まで伸びるかもしれません。
来店を楽しみにしていた方には残念な事ですが、感染拡大を防ぐ為なのでご協力ください。

私としても残念…、やっと「私の範囲での識別」を行って、石好きの人たちと楽しみたかったのですが…。(コミュニティーの場の第一歩を進めたかったのに)

ここは我慢のしどころ!、とは言え、最終的な決着は「抗体を備える」か、「特効薬が出来る」か、の二つなのでしょうけど、長い闘いになりそうですね…。
天気も下り坂で、昨日は山に雪が降り再び厚化粧(雪化粧)となりました。
気温も低く冬に逆戻り、こんな陽気では探石も楽しめません。(探石意欲が湧かない)
しばらくは大人しく加工に精を出す事にします。


と、言う事で集まったバラ輝石を加工してみました。
加工の手応えとしては「硬すぎず、柔らかすぎず」って感じ、ある程度の堅牢さを示し、硬度は近いけどネフライトのような加工負荷もありません。
流紋岩や石英斑岩に似た手応えかな?、無数に入る長石の脈は面白い景色となりますが、脆い部分もあり割れたり凹んだりします。
やはりオンファス輝石と同じで「模様が少なく濃い色」のタイプが安定しているようです。

とりあえず、粘りがありそうな原石を選び異玉を制作してみました。


左が「千変の幼生」で、右が「万化の蛹」です、同じ原石ですが場所によって発色に微妙な違いがあります。
「千変の幼生」の方が長石が多い部分で、ややオレンジがかっている感じ、「万化の蛹」は長石が少ない部分で、小豆色に近い感じです。

磨きの行程はヒスイと同じ方法では不十分で、バフなどでの仕上げが必用です。
光沢においてはオンファス輝石や翡翠輝石には及びませんが、なかなか魅力的な素材である事が解りました。(純度にもよるのでしょうけど、樹脂光沢が限界かと…)
切断や研磨の際に出る粉は淡い紅で、赤石を加工した時のような「血塗れ」って感じにはなりません(笑)

加工時に独特の臭いもしないし、加工途中に割れる事もないので不快ではないです。(切断時に脆い長石から割れる事はある)
硬度が低い分、スムーズに作業が進みヒスイの約1.5倍ほどの早さで仕上がります。

気になるとすれば、やはり「脆い長石部分」と「際立たない光沢」、これはコーティング技術で解決できるのでしょうけど、「そういった商品」にする気もないです(笑)
民芸品としたならば、気になる点は「味」となり、身に付けている時間で輝きは増すでしょう。(油分が備わるので)
これは見極め(加工する部分を吟味するセンス)が在った上での話で、最大限に美を引き出してから備わる魅力です。

まとめとして、素朴な風合いからして異玉にピッタリの素材、石によって色の濃淡が違うので淡いタイプも加工してみる必用がありそうです。
発色は強いコントラストがある訳ではありませんが、不思議な魅力を宿し光源で微妙に雰囲気が変わります。(強い光を当てると僅かに表面が透けます)
これも輝石の特徴なのだろうか?、それとも相性が良いので「そう感じる」のだろうか?

ルースとして勝負するには発色と純度が足りませんが、造形をする事で美しさを備えます。
輝石なので艶消し仕上げでも面白く仕上がるのかもしれませんし、ダイヤモンドパウダーを使う事で更に艶を出せるかもしれません。

まだまだ試す事は多そうです、とにかく新たな美石と出逢えてた事に感謝したいと思います。

また新しい情報が分かり次第に報告します。(同志への報告です(笑))
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