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作者の思考
転石探しと玉髄の加工
2016年09月22日
海が落ち着いてきたので、押上海岸へ転石を探しに行きました。
前回はかなり大荒れだったので、良い転石との出逢いを期待して向かいました(笑)

この日(13日)は、それなりに波は落ち着いていましたが、どんよりと曇っていて非常に探し難い環境でした。
人の姿も無く、これから来る秋を感じさせる侘びしさがあります。(微妙に蒸しましたが)
こういった空を見ていると眠くなるのは私だけなのだろうか?





浜もなだらかになっていて、長めの波が押し寄せます。
これで天気が良かったら最高だったのでしょうが、それはどうにもなりませんね(笑)
僅かな発光を頼りに海岸線を歩き、綺麗な転石たちとの出逢いを待ちます。




一通り歩きネフライト4個、アルカリ角閃石岩1個、ロディン岩1個、ヒスイ6個を拾いました。
なかなか良い出逢いがありました!、一番下(中央の一番下)の小さなヒスイは翠も綺麗でレア度は3.5と言ったところでしょう。(もっと大きければ尚良いのですが贅沢な要求ですね(笑))


灰色に緑が入った大きめのヒスイは、表面が粗いので川からの贈り物か、大荒れした際に自然研磨が荒れたのかのどちらかでしょう。
姫川(特に小滝)に多いタイプのヒスイで、紫が入るタイプでもあります。(これには入ってないけどね(笑))

ネフライトも良質なのが多かったので、磨くなどして活用を考えたいと思います。



話は全く変わって、姫川で知人が拾った玉髄(珪石)の加工を依頼されました。
上は玉髄で、下は緑色の珪石(石英)かな?、この2つで大きめのルースを制作します。


玉髄の方は質も安定しているので大丈夫でしょうが、緑色の珪石の方は不安しか感じない(笑)
一応、それを伝えての依頼なので、あとは運に頼るしかないでしょう…。


と言う事で、こんな感じに仕上がりました。
もはや玉髄はムーンストーンのような姿となり、非常に神秘的な美しさを宿しました!
特に白雲が浮かぶような模様の周りに白い無数の気泡(のように見える模様)が散らばっていて、まるで氷を見ているようです。(光を透過すると半透明の地と、その気泡の模様が融合します)
古代では水晶は「氷の化石」と思われていたので、それも頷ける姿をしています。(日本の話じゃ無いよ(笑))



この原石に出逢った知人を褒めてあげたい、加工はヒスイとは違ってデリケートで私には扱い辛かったですが、仕上がりが良かったので良しとします(笑)
例えるならヒスイは「母の強さ」ですが、水晶系は「乙女心」って感じで私には荷が重い気が…。
磨きは湿式と乾式を混ぜながらだったので、ヒスイに慣れていると面倒に思えます。
しかし良い経験だったので、今後の異玉にも活用できるでしょう。

緑色の珪石は、やはり艶があまり出ずヒビも多かったので避けきれませんでした…。
しかし色は綺麗で濡れると更に発色が際立ちますので、これを活かせないものなのだろうか?
処理と言う事を明確にして作るのなら、特殊な樹脂をコーティングしても良いのかもしれません。
濡れたままの姿を維持できれば非常に綺麗なので、それも一つの活用法かもね。

それか磨かず、水槽(アクアリウムなど)用の砂利として観賞用とするもの良いかもしれません。(でも金魚や熱帯魚より目立ってしまうでしょうね(笑))
緑はニッケルが起因の発色なのだそうで、水に毒素が溶け出さないのであれば活用できるでしょう。
キツネ石系から毒素が溶け出すなんて聞いた事ありませんが、活用するなら調べる必用がありますね。

この系で石英部分が安定しているタイプならば、クリソプレースとしてルースに加工できるでしょう。
しかしそれを見付けるのが大変、全ては石との縁によって決まるのでしょう。(でも間違いなく姫川に存在しているので、出逢いを待ちたいと思います)

全ての石に対応できる加工人と成れたなら最高ですが、そんなに甘い領域でもないし、ヒスイの嫉妬だけは何があっても避けなければ私に未来は無いでしょう(笑)
常にヒスイを上位とし、ヒスイを優先する、それが「神の石」への礼儀なのでしょうね。(私個人の信じる礼儀ですので)

これからも順序を間違えず、糸魚川の石たちと向き合って生きたいと思います。
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