多くの人の“大切なわたしのかけら”となることを願いまして…
ホーム作者の思考海での標石(転石)拾い
作者の思考
海での標石(転石)拾い
2016年06月02日
5月の20日〜31日に海で標石(転石)拾いを楽しみました。
夏のような陽気でしたが快晴とはまではいかず、水蒸気が山や水平線を霞ませていました。

まずは20日、最初は朝日町の海岸に向かいました。
実は糸魚川へ来てから一度も行った事が無く、場所も曖昧なまま向かったので辿り着くのに苦労しました…。
初めて見た印象は小さな海岸で、ひっそりと海水浴を楽しむには良い所でした。
探索環境としては大きな石が多目だったので、大きいヒスイと出逢う確立は高いかと思われますが、探す範囲が狭い事などがあり、ここまで来たのなら宮崎海岸へ行った方が良いと感じました。
距離も近いので二つの海岸を楽しむのが、常連さんのセオリーなのかもしれません。(ちなみに少し探したのですが何も無かったので撮影はしていません(笑))

この後、気を取り直して青海の海岸(須沢)へ行きました。
ここでも何度か拾っていますが、押上海岸ほどのデータはありません。
探せる範囲は広く、波打ち際を歩き続ければ姫川の河口まで歩けます。(ちょっと疲れますが(笑))




長々と歩きやっと見つけたのが、この小さいヒスイです。



グレード的には悪くないですが、大きさや姿に難があり標石としての評価は3.5くらいでしょうか…。
濃い緑が流れ透明度も高いので残念ではありますが、コレクションとしての掲載には至りません。(標本としては大切に保管します)
山系のヒスイにも見えますが、特徴や場所的にも姫川から出たヒスイだと思われます。



次は21日、お馴染みの押上海岸で探しました。
やはりここが、一番探しやすいです。
この日の環境はあまり良くありませんでしたが、それでもヒスイと出会えました。



左からネフライト1個、ヒスイ3個、オンファス輝石2個、3個目のヒスイはちょっと成分が不安定な感じですが、オンファス輝石同様に既に光沢を示しています。
ヒスイ3個とも標石としては標準の2なので、磨いてあげても良いかもしれません。



最後は31日、またまた押上海岸です。
色々と海岸を探してみて解った事ですが、押上海岸と宮崎海岸が一番良いです。(個人的に)
ヒスイと出会える確立が際立って高い訳ではありませんが、私が求める標石(標本となる石)の基準として理想的な自然研磨が成されています。


ヒスイってだけに出逢う事を考えるのなら、もっと良い場所があるのでしょうが「そのままの姿が美しいヒスイ」となると、場所は限定されるように思えます。
これからも良い環境の海岸を探してみたいと思います。(親不知のピアパークも良い環境かと)


歩いていると鮮やかな紫色を発見、手に取ると目を疑いました。
これは間違いなく紫水晶です、このレベルの紫水晶が糸魚川にあるなんて…、とビックリしましたが、どうみても海岸転石ではありません(笑)
丸みが無さ過ぎ、いくら硬いと言ってもこれは無いでしょう(笑)
よって誰かが落とした(捨てた?)外国産の紫水晶だと解ります。



たまにこういった石も(勾玉の成り損ないも)落ちているので、それはそれで面白いです。
判断基準として1個だけでは確実性は無く、外的要因で打ち上げられたと考えるのが通常です。(姿形からも判断できます)


この日はネフライトを多く拾えました。
ネフライト6個、ヒスイ2個、オンファス輝石1個です。
ネフライトは指先の3個が特に質が良く、加工に最適な感じです。


この間、ちょっと知り合ったお客さんがニュージーランドに住んでいる方で、そこでは「グリーンストーンとして重宝している」と言って拾ったネフライトを大切に持っていました。
これは有名な話で、ニュージーランドでは古くから首飾りなどの加工もしていて、文化として今も繋がっています。(ニュージーランド産のネフライトの方が色目が明るいです)

古代の糸魚川では磨斧(道具)としての活用が一般的ですが、軟玉の勾玉も出土していますので、何かしらの信仰が在ったようにも思えます。
ただそれよりも強烈に人間の目を惹くヒスイが在る為、その活用は小規模になったのだ思われます。



実は27日にヒスイの標石に出逢っているのですが、出逢ったのは私ではありません…。
親父が一人で押上海岸に行って、良質のヒスイと出逢いました。
それがこの標石です、画像は31日に海岸へ持って行き出逢った場所で写しました。(親父はデジカメを持って海へ行かないので(笑))




この質感、滅多に出会えるヒスイではありません…。
レア度は4.5としても良いでしょう、もう少し発色と姿が良ければ5でも良いかと思います。
とにかく注目すべきは石質の良さであり、磨いた際の仕上がりが容易に想像できます。
その滑らかな肌に宿る彩雲のような模様も美しく、見ていると惹き込まれます。
強い発色のヒスイと違い、全体が薄翠に膨張し日中で見ても発光しているように見えます。
内から湧き出すような輝きは蛍の光を想わせ、奥底に眠る郷愁をも誘っているかのようです。


こちらは蛍光灯下で撮影しました。
太陽光下よりも白地が映えて、僅かに翠が濃くなります。
透過光は更に蛍を想わせ、初夏の夜を感じさせてくれます。






実際は蛍の方が強く萌黄色の光を発しますが、印象として同じ光を感じます。
膨張する光と言うのか…、何とも説明が難しいのですが「直視しなくても感知できる光」って感じで、これがヒスイ拾いの際も役立っている感覚なのだと思います。
もしかしたら人によっては感じないのかもしれませんが、女性の多くは先天的に持っている感覚のように思えます。(生物が異性を惹きつける際に放つ光と類似している気がする…)
と言う事は私の目は女性に近いのだろうか(笑)、まぁ女性と同じものを見られるのなら喜ばしい、もっと言えば子どもの頃の視覚を取り戻せたなら表現者としては最強になるでしょう。

でもそれを求めすぎて覚醒剤などに手を出す表現者もいるので危険…、現段階でかつての感覚を取り戻す方法は自然を楽しむ以外に無いかと思われます。
先天的に劣化しづらい目を持ったのならば、それを大切にしてバランス良く活用したいと思います。(初老に突入するけど大丈夫だろうか?)

それはそうと、このレベルのヒスイと出逢うとは私の親父も侮れない(笑)
私が勝山の海岸で出逢ったようなシチュエーションで、帰り際の波が引いた瞬間に砂から出た来たのだそうです。
そんな運命的な出逢いを体験してしまうと、神と言う存在を強く感じてしまうでしょう。
でも神は自然なので、元々そこに在る事を忘れている方が不自然なんですよね(笑)
偶然のようで必然、つまりはそう言った事なのだと感じました。

一方で近頃の私はネフライトにも縁があるようなので、いつの日かネフライトも活かせる表現力を身に付けて、ひっそりとした信仰も繋げられたらと思います。(現在も趣味で活かしている人は存在しています)

この6月も新たな出逢いを求めて海岸を歩きたいと思います。
  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス