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作者の思考
作品紹介
2016年03月07日
今回は、いつもお世話になっている方の依頼で、勾玉三点を制作しています。(現在進行形)

まずはこの特大ステーキ(笑)のような青ヒスイを切断して、勾玉を作ります。
表面は磨いてありませんので白っぽく見えますが、濃い青色が映える貴重な青ヒスイです。


第一の関門は特徴とも言える縦横無尽に走る石目で、「生きている石目」と「死んでいる石目」の見極めが非常に大切になります。
当初は素材の厚みが十分だったので、そのまま濃い青色の部分を三等分しようと思っていたのですが、それを死んでいる石目が邪魔をします…。(同時に三等分する場合、色の出方にも不安がありました)
両面を見ながら出した答えは「面で二等分する」でした。
これにより左下の濃い青色部分で二つの勾玉(約5cm)を制作できます。
そして双方に濃い青色を多く配置する事が可能になり、無用なヒビも避けられます。(要は場所を選べる面積が広くなる訳です)

問題は三つ目…、色を優先すると茶色の危険な石目に当たってしまい非常に危険です。
なるべく青を優先しながらも安定している石目を選び、中央の右上部分を切り出しました。
サイズが小さいならば右端が良いのですが、サイズが大きいとリスクも大きくなります。
更に勾玉のスタイルの指定もあり、今回は胴回りが細いタイプ(古墳時代のスタイル?)だったので無理は禁物、胴を分断するような石目を避ける事を優先して加工しました。


配置を見極めるのに苦労しましたが、どうにか勾玉三点を削り出せました!
それぞれに青が映えて良かった、透明度も高いので自然光を受けて青が膨張して広がります。(画像は艶消し状態ですが、現在は磨きの行程を終え艶出しの行程に入っています)



配置決めには5日も費やしてしまった…、自分のヒスイならば冒険したのでしょうが、預かった素材なので失敗は許されません。
依頼人も加工のリスクを理解してくれていますが、それに頼るのは加工人として恥ずかしい気がします。(要は自分自身の納得の問題ですね(笑))

そしてこの後も、更なる第二の関門が待ち受けます。
青ヒスイは艶を出し難いタイプが多く、手間を必用とします。(必用としないタイプもあります)
でも今回の青ヒスイは良質なので、そこまでの手間は必用としないでしょう。
難儀する特徴として、白地が多くパサついている肌質の青ヒスイは艶を出し難い事が多いです。(コンサワ系の青ヒスイでの話)
まぁ、それは青ヒスイに限らず、鉱物全般に言える事なのでしょうが(笑)
そういう場合は艶消しにしていた方が良かったりして、臨機応変な仕上げが必用となるでしょう。

そういった事もあり、一般的に艶消しはその魅力を理解されない事が多いですが「あえて艶消し仕上げ」としている人もいますので、その見極めは難しいです…。

磨きの行程を抜いているとか、艶が出ないから磨いていないとか、そういう次元の話ではない場合がありますので、安易に指摘すると返り討ちにあうので気を付けて下さい(笑)

ちょっと話が逸れましたが、これで制作中の勾玉の紹介を終えます。(仕上がりが楽しみです!)


ちなみに開花・芽吹・彩雲のカケラで、ストラップも作りました。
物産センターの商ケースに並べたいと思いますので、糸魚川に遊びに来たら買って下さいね(笑)




これから暖かくなって行きますので、創作活動もはかどりそうです。
でもスギ花粉が大量に舞う季節にもなりますので、悪戦苦闘しそうな気もします(笑)

今年はどんな一年になるのだろうか…、良い縁が在ればいいなぁ〜。
いろいろな面で、思案の年になるような気がしています(笑)
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