多くの人の“大切なわたしのかけら”となることを願いまして…
ホーム作者の思考作品紹介
作者の思考
作品紹介
2016年02月12日
今回は、友人のオーダーで勾玉を制作しましたので紹介します。

友人が出逢ったヒスイ転石、川と海との合流点で見つけたそうです。
肌を見る限り海からの転石と言うよりも、河口に埋まっていたのが掘り出されたのだと思われます。
しっとりした肌の中に深い緑が点在していて、その模様はとても魅力的です。
このタイプは少し柔らかめなので光沢が出しにくいですが、その姿からは古代の風格を感じます。





縦断している致命的な石目を避けて、なるべく大きな勾玉を制作しました。
このヒスイの命は模様(景色)なので、揺らめくような緑が多く入るように加工しています。
創作での伊邪那岐として作っていたならば、テーマを「大蛇(おろち)」として仕上げていたであろう力強い作品となりました。





不思議な事に光源が変わると、緑の印象が若干変化します。(目の錯覚かな…)
全体的に薄緑になり、柔らかな感じに光が膨張します。
個人的にはオンファス系に見られる特徴のように思えるのですが、確実な事は解りません(笑)
単純に季節によって自然光が変わっているだけが理由なのかも…。(後は自然光が黄色で、蛍光灯が青色だからかな?)
片面には多少のヒビが入ってしまいましたが、それらも景色として楽しんでくれるでしょう。(私には脱皮間近の蛇に見えて仕方がない(笑))





ある程度の透明度もあって、光を受けると渋い緑色に膨張します。
とにかく渋い…、燃え上がるような緑の模様はそれだけで生命力を表してしまう説得力があります。
こういった存在を見ると「明るい色だけが神を宿しているのではない」って事が解りますね!





久々に定形の勾玉を加工しました。
ホントに久しぶり…、どんだけぶりなのだろうか(笑)

私にとって過去の遺産の模倣は、とても気を使います。
模倣である限り「そのもの」を越える事は不可能で、後続は「どれだけオリジナルの品格に近づけるか」が重要となります。

あえて品格を下げて薄利多売がセオリーとなっている現代で、本物を目指す者がどれだけ存在しているのだろうか?(って言うか本物を持てる人が、どれだけいるのだろうか?)
姿形だけが繋がっていく未来、そんな未来に原初の神(自然)は残っていくのだろうか…。

でもまぁ、今更って感じなので深く考えずに、自分の信じる道を進めば問題ありませんね(笑)
幸いな事に今年は勾玉のオーダーが数点あるので、それらも魅力的に仕上げたいと思います。

だいぶ暖かくなってきたので、自然(神)に奪われていた創作意欲も復活してきました。
加工だけが私の創作活動ではありませんが、根幹となっている事は間違いないので頑張りたいと思います。
  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス