2015年03月23日
今回は、月読命「月影」の二作目を紹介します。
一作目の中サイズを制作した月影と同じ黒ヒスイで、大サイズを制作しました。
素戔鳴の万武不倒とも同じ黒ヒスイなので、天照を作れば大サイズでの三貴子も揃います(笑)
漆黒を纏いながらも、純粋な白を本質とする月の姿が魅力的です。
目立ったヒビもなく、艶やかな仕上がりとなり「強さの中の優しさ」が表現できたかと思います。
石墨により黒を示しているので透明度は無いですが、所々に見える純粋な白は光を透して美しく輝きます。
白と黒、どちらを影としてみても面白く、その身に宿しているのが「善と悪」ではない事が解るかと思います。
曲線をとりながらもシャープな姿、それが私の理想なので特に気を付けて加工しています。
丸みを強めると、古代風になるのと同時に幼稚にも見えてしまう恐れがあります。
私としては「少し幼さを残す」位が丁度良く、既に宿っている糸魚川ヒスイの品格を保ちながら、作品を作りたいと考えています。
黒という品格を出しやすい色での制作なので、より気品が高まった作品となったかと思います。(自己満足ですね(笑))
このタイプの黒ヒスイは、海での転石としては少ないように思えます。(私の経験では)
あまり割れる事なく、川で磨かれているからだろうか…?
確かに石質はヒスイの中でも堅牢で、堅さと柔らかさを合わせ持っているように思えます。
加工していても滑らかで、良く練られている感覚が手に伝わります。
プレートにすると少し大きめの翡翠輝石がキラキラと輝いているので、粗いヒスイに見えるのですが加工すると違いが解ります。
もしかしたら「石墨が翡翠輝石の間を埋めているから」なのかもしれません。
でも黒ヒスイでは無く同じ感じのヒスイがもう一つあるので、石墨だけの理由ではないかと…。
何かが翡翠輝石の間を埋めている、これは確かであり、魂の器となる理由もそこに在るのかもしれません。
全く話は変わるのですが明日、物産センターにヒスイ製品を出している業者が集まって現状の改善点を話し合う事になりました。
前に書いた私が思う問題点を、他の業者も確認して店側に苦情を言ったようです。
しかし店側が対応しない事から、業者の総意として正式に申し出るようです。
苦情を言った甲斐があったのか、照明はそれなりに明るくなりまし。(まだ足りませんが)
いや当たり前か…、切れていた蛍光灯を入れただけだし(笑)
でも品の配置やケース代などの件は変わらず、何の対応もされていません。
勾玉類は照明が当たらず僻地のまま、放置されている感じですね…。
まぁ、私は共有スペースに品を入れていないので、特に被害は無いのですが。(私の作品は入れないって言われましたが、私としても現状では入れたくないです(笑))
そういう意味合いも在ったのだろうか…?
恐らく、店側にも業者に言いたい事はあるのだと思っています。(古巣ですので分かります)
一方的に責められる程、業者側の多くが真っ当に運営していないのだから…。
その事を業者側と話し合う事はしないのですよね…、どうにも救えない現状だ。
結局、私が成したいカタチは、まだまだ先になるのだと思います。
何故ならば「在庫処分に必死な爺さん」と「家族を養うのに必死な業者」との、単なる縄張り争いになっているからです。(巻き込まれたくないから傍観している業者もいますね(笑))
限りのあるスペースを「自分の扱う品だけで埋めたい」ってのがバレバレです。(専用スペースならケースを借りれば良いのに)
その者の立場で考えれば「ヒスイ製品を残すよりお金に代えたい」や「子どもを育てるのにキレイ事は言ってられない」というのも解らないではないです。
が…、そう成らないように生きるのが、糸魚川ヒスイを扱う者の条件でもあるのだと私は考えています。(最低限の条件かと)
私が当然と認識している基準を持ち合わせていない…、よって話が通じません。(私は外国人か(笑))
自分で作って自分で売る事を基本とし、扶養家族を持たず(親は別)、器用なだけの引きこもりでも無い、そういった者達の未来を求めているわけです。(私は)
今回の事で何が変わるのか分かりませんが、少しずつでも前に進んでもらいたいです。