2015年02月23日
今回は、鳳の羽の首飾りを紹介します。
先日と同じ紫ヒスイで、鳳の羽の首飾りを制作しました。
前回より小さなルースですが、枠デザインと一体化して存在感があります。
春を運ぶ鳥、あるいは春風を表現できたらと思い、民族風の首飾りにしています。
鳥と羽が融合したデザインのSV枠に、柔らかな色彩の紫ヒスイを合わせてみました。
枠の裏側が空いておらず、ルースを合わせるのが少し手間でしたが、慎重に加工しながら納得のいく仕上げになりました。
ルースが小さい分、色の強い部分を選んで加工していますが、春や風をテーマにしたかった事もあり、このタイプの紫ヒスイを使用しました。
この清々しく深みのある紫は、気品さも感じさせてくれます。
裏側が空いていないので前からの光は抜けず、逆に膨張して紫ヒスイを輝かせます。
側面からの光を通すように、ルースの厚さも少しだけ高くしました。
小さな中にも、しっかりと幻想的な景色が詰まっている作品です。
こちらのSV枠はロジウムメッキされていて、変色の心配はありません。(925の刻印もされています)
スエード・ウッドビーズ・メタルビーズで首飾りにしていますが、自分好みの首飾りに変えて身に付けても良いかと思っています。
話は全く変わりますが、もっと先に延ばすはずの国津神「建御名方神」のデザイン案が湧いてきました(笑)
これも「不思議な縁の賜」ともでも言うのでしょうか…。
それと言うのも今月、本来は販売段階にない国津神「須世理毘売」を、ある方の強い要望にお応えして販売しました。
テーマに合った女性でもあり、通常のお客さんでは無く創作を共有できる方でもあったので、これも「偶然のようで必然」だと感じました。
そんな中で建御名方神を考えていると、モチーフとするイメージが湧いてきました。
全く見当もつかなかったのに突然思い付く、不思議です。(こんなに早くイメージできたのは初めて)
その方が言うには、「須世理毘売は嫉妬深いので、建御名方神や奴奈川姫にやきもちを妬いたのかも」と言っていました。
なるほど、私から離れた事でその束縛から開放され、建御名方神や奴奈川姫を考える力が養われたのかも。
また「自分に持てる量は決まっていて、手放さないと新しいものが生まれないという話もあるようだ」とも言っていて、それも納得のできる話だと感じました。(これは作っている人なら、良く解る話でしょう)
まぁ、2月の暗い雰囲気の中、この事が非常に新鮮であった事もあり、私の創作力が刺激されたのも大きいのだと思いますが(笑)
それでも同じ景色を見て、同じ事を感じられる人がいる事はとても嬉しいです。
自然の景色を見て、それが「美しい」と感じるのか、それとも命の奪い合いである「戦場」と見ているのかでは、全く感性が違います。
自然を美しく見られる人は、命を脅かされておらず、心に余裕があるからだと言えます。
それが人の成長であり、芸術へと繋がる源なのだと考えています。(昔、極寒の夜空で見た満天の星空が目に焼き付いています、凍死する思いをしましたが、そんな状況下でも美しいと感じる景色は、まさに神の領域なのでしょうね(笑))
ちなみに国津神は計画上の6体を仕上げてから、箱などのデザインをして、制作コストを見直しながら販売していく予定です。(いつに成るのやら…)