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作者の思考
お守りを贈る
2014年12月27日
以前に底なる玉で勾玉を作った青年から、再び制作依頼を受けました。

青年が出会った奴奈川の底なる玉、色は強くありませんが良いヒスイです。
所々にヒスイ輝石が輝き、うっすらと全体が翠がかっています。
このタイプのヒスイはヒビや石目が多いのですが、粘りがあるので簡単には割れません。



致命的なヒビを避けてプレートを切り出し、奴奈川の勾玉を制作しました。
良く見ると淡い翠と白地が混ざり合っていて、初春に色づく雲や雪のようです。
しっかりした質なので加工しやすく、磨きやすかったので助かりました。(この時期の加工は、とても辛いので(笑))





ある程度の透明度もあり、ぼんやりと薄緑に透けます。
この柔らかな「ぼんやり感」が、厳しい時期には癒しになってくれます。
何かが宿っているような…、生きてさえいるような…、そんな景色を魅せてくれます。





年末の帰郷の際に、赤ちゃんが誕生した友人に贈るそうです。
若いのに良いセンスしてるなぁ〜、お守りを贈る意味を理解しているのでしょう。(そして私に依頼してくれて、ありがとう!)
その子の誕生を祝福し、健やかな成長の祈りを込めます。(どうか魂の腐った大人に、成りませんように)

委託加工は、普段の創作活動とは若干違った心持ちで制作していて、「他者のため前提の作品」として受けています。
なので、こういった人達の依頼を受ける事で、気分を新たにして「ものづくり」の喜びを共有する事ができます。

一番嫌なのは「業者の在庫のストック制作」であり、誰の為に作っているのか解らなくなるし、何の為に作っているのかも解らなくなります。(お金を得る為なのでしょうが…)

出来る限り、そういった制作は避けて、運転資金に困ったのなら、一定の期間に普通の労働をして「純粋な創作活動の領域」を守りたいと思っています。

こういった仕事を続けるには、どうやって生きたら良いのかを考えながら実践して、今後(後続)の参考になるような結果を示して行けたらと思います。(現在のヒスイ関係のジジイ達も、反面教師としては役立っていますが(笑))



気になっている人達にお知らせしますが、只今、オンファス輝石での奴奈川の勾玉(ヤマトタケル)と、彩雲ヒスイでの素戔鳴(雲蒸竜変)、国津神の新作(須世理毘売)の仕上げに入っています。

然るべき時にアップしますので、楽しみにしていて下さいね(笑)
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