2014年12月11日
ヒスイを加工する際に出る、ヒスイの粉末について書きます。
今回は、通常のヒスイとオンファス輝石の粉末を紹介したいと思います。
ヒスイの粉末は、現在ではヒスイネイルなどでも使われているようです。
ちなみに研磨剤としての使い道もあるので、無駄にはならない優秀な粉末です(笑)
白い粉末がヒスイの粉です。
白ヒスイに限らず、翠・緑でも、紫・青でも、灰・黒でも、粉末は基本的に白色です。
黒ヒスイは石墨が少し残る為、うっすらとグレーになりますが、黒ヒスイのみを大量に加工しない限り、白色になります。(殆どの石墨は水に流されます)
この粉末にも黒ヒスイの粉が入っていますが、肉眼では白色にしか見えません。
今度はオンファス輝石の粉末です。
この鉱物もヒスイではありますが、粉末は白色ではありません。
うっすらと緑色に染まっていて、どちらかと言うとこっちの粉末の方が「ヒスイの粉末」の印象を強く与えます(笑)
ひすいネイルなどには、こちらを使った方が雰囲気が出るような気がしますね…。
見せるだけでのストックやブレンドしても良いかも、でもちゃんと説明は必用でしょう。(ヒスイの中の「オンファス輝石の粉末です」って事を)
でも色を付けるので関係ないかなぁ…、「ヒスイの粉を使っている」って事が売りなんだろうし。
ヒスイの粉を集める際に注意する事は、「どんな工具で加工したヒスイの粉末なのか」と言う事です。
これは「純度」に大きく関わってきて、DCグラインダーなどで削るとグラインダーの粉まで入ってしまいます。(オンファス輝石の粉末に似た緑色の粉末になりますが、粒の荒さが目立ちます)
金剛砂で削っても金剛砂の粉が入り、ダークグレーの粉末になります。
バレルなどに使うチプトン(カーボランダム)も、ヒスイと同時にチプトン自体も削れるので粉末はグレーになります。
全て、削る素材の色が付く事を憶えていて下さい。(ヒスイの粉末は基本、白色なので)
理想的なのは「ダイヤモンドヤスリで削ったヒスイの粉末」です。(ペーパーのヤスリでは駄目)
それも新しいダイヤモンドヤスリでは無く、ある程度使用したものが良いです。
新しいのは、どうしても表面の不純物が剥がれて混ざってしまいますので、十分に使い込んでいる工具が理想的です。(350〜400番が良いかと)
それと同時に「ヒスイのみを加工している機械工具から集める事」も重要です。
粉末自体の蓄積は多くなく、一回の加工で集められる粉末は僅かなものです。
一定の期間、ヒスイを加工し続けた機械でなければ大量には集まりません。
更に掃除をしていない方が良いのでしょうが、機械の劣化によって錆なども出ますので、研磨水や粉が鉄製ではない容器に集まる方が良いでしょう。
それを考えると粉末を集める為に、そこまでする者はいないでしょうね(笑)
しかし、それは機械工具を知らないだけで、それを兼ねている機械は存在します。(粉末を集める事を考えての、仕様ではありませんが(笑))
これは工具の劣化による錆などを防ぐ理由からの仕様であり、その機械工具でヒスイのみを加工し続ければ、ヒスイのみの高純度の粉末が勝手に集まります。
今回のオンファス輝石は、その機械は使用せずに、別の機械を洗浄してから加工した作品の粉末です。
なので、もしオンファス輝石の粉末が必用となれば、専用の機械を揃えた方が効率が良いでしょう。
何度も書きますが、粉末は簡単には溜まりませんので、同じ条件で加工している者から集める必用があります。(いないけどね(笑))
ただし、「粉末を集める為だけにヒスイを削って消費する」、という方法にも繋がる恐れがあるので注意が必用です。
その手法は、あまり褒められた方法ではないので避けるべきでしょう。(そこまで需要が有ればの話ですけどね)
一応、書きますが、純度が高いと言っても100%には成らないかと思います。
それは埃とか、水に含まれる石灰成分なども、ほんの僅かに残ると考えるからです。
まぁ、それでもかなりの高純度である事は、間違いないでしょう(笑)
医療に使うわけでも無く、デリケートな肌に使うわけでもないので、そこまで気にしなくても良いのかもしれません。
それでも身体の一部である爪を彩るので、なるべくなら不純物は少ない方が安全でしょう。(多分)
研磨剤としての使用でも、やはり不純物が無い方が使い易く、同じ条件(同じ行程)で毎回使用できます。
こういった粉末も正しく利用できたなら、活用としては良い方法だと思います。(正しい利用が大原則)