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作者の思考
作品紹介
2014年12月01日
前回に制作した月読と同じヒスイで、天照大御神「陽炎」を制作しました。

今回のテーマである陽炎は、この彩雲のようなヒスイで制作するのにピッタリでした。
白地も、透けている模様と白に染まっている模様とが混ざり合い、神秘的な景色となっています。
そこに溶け合っている翠は美しく、見る度に表情が変わっていくかのようです。




所々に見られる石目やヒビは、けして魅力を損なう存在では無く、大地の軌跡を宿しています。
削りの行程を耐えた存在だけあり、その堅牢さとバランスは素晴らしいの一言です。
翠と白が揺らめき、光さえも微睡んでしまいそうな模様を大切に、天照大御神を仕上げました。




こちら側には仮面を想わせるヒビがあり、濃い緑も燃え上がるように入っています。
シャープさを残しつつも柔らかな曲線をとり、神玉のデザインを重視して加工しました。
こちらのヒビは、特に「秘めたる美」にするべく、丁寧に研磨しています。




前回同様、透明度が抜群なので厚さ13mmでも簡単に光を透します。
それと同時に石目が龍脈の様に浮き上がり、まさに生命が燃え上がる陽炎そのものです。
コンセプト通り「揺らめきながら煌めく太陽」に、仕上げられたと思います。




この作品は闇陽炎と対になっている存在で、精神的な強さを重視したのが闇陽炎であり、肉体的な活力を重視したのが今回の陽炎です。
沸き上がる生命力を表現して、周りの景色をも歪ませる程の熱気を放つ活力を込めています。

そもそもに自然が力を宿した糸魚川のヒスイ、それと私が出会い、テーマとコンセプトを込めて加工しているので、自然とのコラボと言っても過言では無いのでしょう(笑)
そう考えると、とても嬉しくなります。(生きてる意味を感じます)
今後も、このスタイルで生きて行けたのなら、道を踏み外す事なく未来に繋げて行けるように感じています。(難しいバランスで成り立つ領域だと心底思う…)

共に同じ景色を見る事のできる仲間の協力が、どうしても必用となりますね…。
その人達と出会えるのか、その縁が一番重要な事に成ってくるのだと認識しています。(頑張ろっと!)


さて、これで残すは素戔鳴のみ、来年にはカタチにしたいと思います。
このヒスイで大サイズの三貴子が揃えば、かなり見応えがあるものになるかと思います。
でも揃ったら一式仕様になるかも…、そしたらかなり高額になりますね…。

とりあえずは寒く厳しい冬が始まるので、体調に気を付けながら創作活動を進めて行こうかと思います。
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