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作者の思考
求めし者と奪われた成長
2014年04月27日
※以前にも同じような事を書きましたが、重要なので今一度、書き記します。

今、糸魚川に最も必用なお客さんは「糸魚川ヒスイの作品」を買える人です。
これは何も自分の利益のみを考えて言っているのではなく、普通に考えたら分かる基準での話です。

糸魚川へ来て糸魚川ヒスイの品を購入する人達は、心もにもお金にも余裕がある人です。
生活必需品ではなく、道具でもない品を求める人は独自の基準を持っています。(自身の基準を)
それに何度も書いていますが「上位は下位を兼ねる」って事を忘れないで下さい。

簡単な話、ヒスイを買える人は、お菓子もお酒も買えます。
余裕があるので、糸魚川で食事もしていきます。
なので、この方々を呼び込めば通常の客層以外の売上げが見込める訳です。

要は糸魚川ヒスイの品を求める人を増やせば、自動的に他のお土産も売れる確率が上がるって事です。
この独自の基準を持った人達が、どれほど重要なのか再認識する必用があるでしょう。(糸魚川は)

再認識した上で「ヒスイを求める人」の見極めも大事になります。
まず、初級である者の場合、「自分で拾いたい」と言う気持ち半分、「タダで拾いたい」と言う気持ち半分です。
この段階の者では、糸魚川のメリットは見込めません。
車で来て車内で寝てヒスイだけを持っていく…、こんな不毛な状態を続ける人もいます。(糸魚川にとって不毛)
要は無料のヒスイとストレス発散にしか興味が無く、糸魚川には無関心と言う段階の人達です。

ですが一度は通る道でもありますので、その先へ進むよう導く必用があります。

中級ともなれば「拾う事の楽しみ」と「作品を所有する楽しみ」の、両方を楽しむ事ができます。
この段階では心の余裕が在り、糸魚川を楽しむだけの視野も広がっています。
それに、拾える限界も知っているし、それらの最終的な在り方を模索するようにもなります。

これにより上級へと進み「糸魚川でのヒスイ(石)拾いの思い出」と「そのヒスイ(石)で制作してもらった思い出の品」と「糸魚川で出会った自身のカケラ(作品)」の三つを合わせ持つ事になります。(三位一体みたいな感じ)
ここまで来れば、糸魚川でのメリットは大きいです。

●「糸魚川でのヒスイ拾いの思い出」
まず「糸魚川でのヒスイ拾いの思い出」ですが、素人はビギナーズラックで良質のヒスイを拾った場合、すぐに加工しようとします。
経験が浅いので「また拾える」と思ってしまい、下手に加工を依頼して良い部分を取られたり、腕の悪い加工人に加工されて「変な品」に仕上がったりします(笑)
これはあまりに勿体ない、腐る物ではないので活用は、もっと学んでからでも遅くはありません。
上級ともなれば、拾った良質ヒスイは一切加工しません。(次に出会える保証がないので)
その事で糸魚川の良質ヒスイは、自動的に守られる事にもなります。

●「そのヒスイで制作してもらった思い出の品」
次に「そのヒスイで制作してもらった思い出の品」ですが、こちらは魅力のある石であればヒスイで無くてもかまいません。
紋様や色彩など「面白い」って思えるものを加工し(してもらい)、思い出と共に身に付ける事が重要となります。(この段階で独自の基準が形成されて行きます)
自分の出会った石なので愛着があって、少しの短所も長所と見る事ができます。
この品は心持ちを具現化した存在であり、純粋な楽しみが詰まった「それぞれの宝」となります。

●「糸魚川で出会った自身のカケラ(作品)」
次は「糸魚川で出会った自身のカケラ(作品)」ですが、どうしても良質ヒスイの加工品が欲しい場合は購入される事を進めます。(ミャンマー産には注意して下さい)
理由としては良質ヒスイは昔に切断されていて、それらを優先的に加工した方が良いからです。
現在で出会った良質ヒスイを崩すより、既にプレートにされているヒスイを活用しなくては、糸魚川ヒスイの無駄使いになります。
バブル世代が糸魚川ヒスイに胡座をかいて出た産物…、当然拾い続けられるであろうと考え消費していった宝の残骸…、これらを作品として再生させるのは作る側の使命だと感じます。
この品は魂を具現化した存在であり、古代人の信仰と意志が宿った「それぞれのカケラ」となります。(糸魚川には「中国で加工された糸魚川ヒスイの商品」も販売していますので、糸魚川(日本)で作られた品が欲しい人は注意して下さい)

ちなみに私の場合は「ヒスイで制作した思い出の品」と「出会った自身のカケラ」の領域が合わさっていますので、ヒスイのグレードに頼らない作品をライフワークにしています。(良質ヒスイを使わないのでは無く、依存しないスタイルです)

一つ一つ着実に段階を踏んでいけば、人として成長する事が可能でしょう。
そして、この人達は糸魚川に良い影響をもたらしてくれると考えています。(金銭的な事だけでは無く)
成長により、この領域での基準を持った人ならば、幻想である人間社会を正確に判断する事ができるでしょう。(偽りを見抜ける)
そうすれば真面目に作られたお菓子やお酒も評価され、多くの人達に愛されるのだと思います。
もちろん作り手の姿勢も問われるので、より良い品を生み出す努力が必要不可欠となります。

ヒスイの話から、どうしてこういった話になるかと言うと「上位は下位を兼ねる」って事が言えます。(何度も書きますが…)
例えるなら「先進国が新興国に過剰に干渉する原理」と同じと言えるでしょう。
急激に引き上げられると、必用な時間(成長)を飛ばしてしまい、結果的に無知が増えます。
それだけヒスイは強力な存在なんです。(貴金属や宝石全般にも言えるけどヒスイは特に強力)

これにより、生きる手段を選べない者・稼ぐ手段を選べない者は「成長を奪われた者」だと言えます。(年輩者なら尚更の事)

上位の存在に依存しすぎて時間を飛ばさない事を、ゆめゆめ忘れない事です。
依存しすぎた者達が、どういう結末を向かえるのかは、糸魚川へ移り住めば近い内に見られるでしょう。
それを教訓に、同じ過ちを犯さないよう未来へ繋ぎたいと思います。
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