2014年01月07日
去年に私が体験した、遺跡発掘の回想を書きます。
私が体験した範囲の、ごく小さな思い出を選んでみました。
まずは私最大の体験である石棒の精査です。
まずは、機械で掘っていた最中に発見された状態です。
ショベル部分が当たったらしく、少し先端部分は欠けて右にずれた跡が見られます。
もっと慎重に行っていれば無傷だったのに…、作者が生きていたら完全に激怒されている事でしょう。(実際は作者が遥か昔に死んでいるので、怒られる事もないのでしょうが…)
表面を精査して全体がよく見えるようになりました。
こうして見ると、棍棒あるいは剣の姿に見えますが、鬼でない限り振ることは不可能でしょう(笑)
ここの土は粘土のような地質なので、乾くとかなり硬くなり作業する手が疲れます。
時間が経ち乾くとヒビも入ってくるので、ボロボロと崩れてやりづらかったです。
両方の先端部分にトレンチを入れて探りを入れます。
右側の束のように見える部分に、丸い窪みがあるのがハッキリと見えてきました。
若干、上に反っていて男根を表現しているのでは?と言う事でした。
太古の時代に石でこれだけの存在を作るのだから、その時代の人にとって子宝がいかに貴重であったのかが、分かるような気がしました。
この後、片面の土を削り取って石棒を取り出しました。
ちょっと一人では運べない距離なので、二人で保管庫に運びました。(数メートルなら一人でも運べる重さですが、無理して壊したら大変です)
すごく重かった事を憶えています(笑)
ここでは他に何も出土せず、ちょっと期待外れでしたが石棒だけでもすごい事なんですよね。
この遺跡では土器も大量に出土しました。
初めてだったので大量の土器に驚きましたが、そこは破損した土器の集積場のようで、今で言うゴミ置き場なのだそうです。
だから固まって大量に出土したんですね…、でも現在では宝置き場とも言えるので貴重な足跡です。
土器の中でひときわ魅力的な欠片がありました。(私が見つけたのではない)
焼きが良く頑丈な為、あまり風化せず紋様がハッキリ残っています。
洗ったばかりなので水が光を反射して、釉薬のような光沢が見られます。
今でも十分に通用するデザインだと感じました。
こちらは乾いた状態です。
乾いても若干、光沢が見られます。
良い風合いで、悠久の時を感じさせてくれる肌になっています。
土器は欠片の方が美しく感じるのは、私だけなのだろうか…?
私が知る限りの綺麗な翡翠を紹介します。
小さく薄い欠片ですが、白地と翠の発色がとても美しい翡翠です。
石割の際の欠片なのだろうか?、この翡翠で何をしていたのか…、とても興味があります!
ちなみに、この翡翠は私が発見したものではありません。
こちらは、かなりグレードの高い深緑の翡翠です。
この底が見えない吸い込まれそうな深い緑、質も練られていて最高級でした。
おそらくは川の翡翠で、磨けばその素晴らしさが無知な者にでも分かる事でしょう。
これだけの翡翠、人生の内で見られるのは何回あるのだろうか?、まさに眼福でした!
この翡翠も私が発見したものではありません。
こちらも良質の翡翠で、新緑がとても美しいです。
深緑の翡翠と同じ場所から出た翡翠で、二つ揃ってあったようです。
見るからに同じ質の翡翠なので、母石は一緒なのだと思います。(おそらく小滝系)
今思い出すと「雪解けの季節に芽吹く生命」を見るようで、元気が湧いてきます。
残念、この翡翠も私が発見したものではありませんでした…(笑)
深緑と新緑の翡翠を見つけてのは、同じ班のお爺さんでした。(なかなかの強運、そしてとても面白いお爺さんでした)
小さい欠片は同じ班のおばさんが見つけました。
私は普通にヒスイってのばかりで、良質には出会えませんでしたね…。
でも黒曜石や石器・土器には出会えたので、とても勉強になったと感じています。
それに「翡翠らしき石」を見つけると私を呼んでくれるので、幾つもの翡翠を見られて良かったです。
この地は、まだまだ私を成長させてくれるので、よく学び自身の活動に活かしたいと思います。
それでは仕事始めとして、創作活動を頑張りたいと思います。