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作者の思考
遺跡掘り体験 ⑨
2013年09月27日
やっと中層が終わり、下層の精査が始まりました。

中層に炉が5つほど出てきたので、遺構を掘ったり図面を書いたりで大変でした…。
その中の1つは、炉の下からもう1つの炉が出てきたようです。(リフォーム?)
去年に調査した区画でも中層から住居跡が出ていたらしく、合わせるとかなりの数だそうです。(珍しいほど規模の大きい集落らしいです)

でも何故か遺物はあまり出てこない…、変わった遺跡だと言ってました。(調査員の人が)
冗談として「別荘的な場所だった?」と言うほど、生活の痕跡がないようです。

もしここに居た人達が職人の軍団だったのだとしたら、移動しながら回っていた場所なのかもしれません。

ちなみに、この層で出土した石棒は県内最大だったようで、大変貴重な遺物だと言うことです。
私的には、あの存在だけが作家(職人を兼ねた)の存在を示す遺物であり、道具から「逸脱した存在」を受け継げるのは作家のみなのだと証明している存在だと考えています。

これを追求して行くと「作家が創った品(世界観なども)は、作家でしか受け継げない」って事になります。
それ以外が流用すると、道具の領域に引き戻す事となり、せっかく高めた存在を引きずり降ろす事になります。(地獄の亡者のように…)

これは刀の領域でも同じで、既に道具で無くなった刀を職人が受け継ぐ事は不可能となっています。(道具を兼ねてはいますが)
かろうじて「昔の刀を研ぐ領域」は残っていますが、美術品となった刀を受け継ぐ為には「職人を兼ねた作家」或いは「作家と共同作業する職人」が必用となっているかと思います。
要するに「原点の作り手」となる必用があるって事ですね…。(原点とは古代と言う意味ではない)
勾玉も然り、だからここまで劣化したんだと思います…。


あ…、話が逸れたので元に戻します(笑)。
中層の土を重機で慎重に掘りながら、下層が出てきた場所を両刃で削っていきます。(人力での作業)
この作業がけっこう大変…、簡単そうに見えて過酷な単純作業です。
何も出てこない事が多いので精神的にも滅入りますが、たまにヒスイが出たりするので、その時はテンションが上がります。(自分が出してないくても)

現在では6個のヒスイが出ています。
それも3個が近くに揃っていて、川があった場所で出土した事から「何らかの加工をしていたのではないか」と考えられています。(3個とも同じヒスイだと思うので、もしかしたら一つに合わさるかも?)
出土した6個の内、2個は良質と言えるヒスイでした。(加工意欲の湧くヒスイでしたね…)

先日は現場の撮影の為、表面の削り作業がハイペースで行われたので手が壊れそうになりました…。
体験で手を壊してしまうと意味がないので、気を付けなければ(笑)。

しかし人力も捨てたものではありません。
重機に追いつき、重機の作業待ちの状態にまでなりましたから!

この作業の中で表面にも土器は幾つか出ていたので、下層の調査は面白くなりそうです。(でも、そろそろ本腰入れて、創作活動もして行かなくてはなりません)

10月で最後なので、良い思い出になるよう楽しみながら進めて行きたいです。
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